- はじめに――授業の壁にぶつかり,見えてきたもの――
- 本書の使い方
- T章 効果的な授業にする英語教師心得
- 1 大学のSLA(Second Language Acquisition)研究と中高英語教育の架け橋を!
- 2 英語の基礎基本の力とは何でしょう?
- 3 生徒の記憶に残す指導とは?
- 4 印象深さとは気づきを起こさせること「funからinterestingへ」
- 5 リフレッシュ効果と単純接触効果の活用
- 6 受容語彙と表出語彙
- 7 授業の停滞
- 8 観客を作らない,全員参加の授業を目指して
- 9 授業を活性化する授業形態と座席決め
- 10 授業の約束
- 11 英語授業のとらえ方
- 授業の約束 その1〜5
- U章 効果的なウォームアップ(聞く,話す,聞いて答える,読む)
- 1 授業最初の15分が勝負!ウォームアップ活動は発展的コミュニケーション活動の場
- 2 指導のポイント
- 3 生徒を生き生きさせるウォームアップ活動
- 1 叱らずに,笑顔で大きな声で発音させるイエローカード
- 疑問詞 28 /How are you?(元気ですか?)の答え方
- [ Easy Questionsシリーズ ]
- 2 パターン1:Easy Questions
- 3 パターン2:タテヨコEasy Questions
- 4 パターン3:グループ Easy Questions
- 5 パターン4:Free Easy Questions
- 6 パターン5:Pair Easy Questions
- 7 パターン6:タテヨコ/グループStudents' Easy Questions
- 8 パターン7:Three Easy Questions
- Easy Questions 71 初級〜上級
- 9 Short Speech
- 10 スケッチブックの不規則動詞の変化表練習
- 11 不規則動詞プリントのペア練習
- これが不規則動詞だー!
- [ Word Quizシリーズ ]
- 12 パターン1:Word Quiz
- 13 パターン2:タテヨコWord Quiz
- 14 パターン3:グループWord Quiz
- 15 パターン4:Impromptu Pair Word Quiz
- 16 パターン5:Planning Pair Word Quiz
- 17 パターン6:Individual Word Quiz
- 18 パターン7:Question Word Quiz
- 19 パターン8:Students' Word Quiz
- Word Quiz List
- 20 ペア文法Questions
- 21 タテヨコ文法Questions
- 22 3問勝ち抜き文法Questions
- これを覚えれば20XX年3の月に必ず幸福になる文法集(幸福文法)
- +α 中学生を一番こまらせる3単現のsをやっつけよう!
- 23 Memorization Sentences
- Memorization Sentences 122 パート1〜8
- 24 Wide Range Answer Quiz
- Wide Range Answer Quiz
- +α 主節や従属節に助動詞などをつけ加える
- 25 単語 Brain Storming
- 26 One Minute Chat
- 27 Three Minutes Group Chat
- 28 Small Debate
- V章 効果的な語彙指導
- 1 その後の英語学習を大きく左右する重要な単語を覚えるための1年生の1時間
- 29 単語を覚えよう
- 単語を覚える必殺技 これで君も「単語マスター」
- 2 最強のフラッシュカード活用法「大塚式単語指導法」
- 3 生徒たちは単語の文字をどのように意識しているか
- 30 大塚式単語指導法[導入編]
- 31 大塚式単語指導法[定着編]
- 4 大塚式単語指導法の成果
- W章 効果的な教科書本文の扱い方
- 1 危険な時間帯:教科書本文の扱い
- 2 本文の内容による分類
- 3 訳読式が嫌われる理由
- 4 長文を読む力がつく時
- 32 語彙習得のチャンスを増やすためのMy Word BookとMy連語Book
- My Word Book 81 /My 連語 Book
- 33 本文理解を全生徒のレベルに合わせる方法@:チャンク分け
- チャンク(意味のまとまり)スラッシュで長文はやっつけろ!
- 34 本文理解を全生徒のレベルに合わせる方法A:お助けプリント
- 5 お助けプリントを利用した本文の扱い5パターン
- [ お助けプリントシリーズ ]
- 35 パターン1:お助けプリントを利用した基本的な方法
- 36 パターン2:リスニングに重点を置いた方法
- 37 パターン3:短時間で大意を把握する力をつけさせる方法
- 38 パターン4:正確に内容をとらえさせる方法
- 39 パターン5:リーディングに力を入れたい場合の特殊な例
- お助けプリント PROGRAM6-3 Our Hopes, Our Plans!
- X章 音読
- 1 基本的な音読練習法
- 40 Repeating (リピーティング)
- 41 Parallel Reading (パラレルリーディング)
- 42 Shadowing (シャドーイング)
- 43 Speed Reading (スピードリーディング)
- 2 発展的な音読練習
- 44 Read and Look up (リード&ルックアップ)
- 45 通訳読み
- 46 グループ(ペア)読み
- 47 背中合わせ読み
- 48 Star Reading(スターリーディング)
- 49 音読大会
- Y章 家庭学習・ノートをどのように使用するか
- 1 板書の効果と副教材にできること
- 2 スタディーノート(記憶にとどめるためのノート活用)
- 3 家庭学習で注意すべきこと
- 4 スタディーノート学習の利点
- 5 英語嫌いの生徒がやる気になった時の対策:幸福単語集
- 50 これを覚えれば20XX年3の月に必ず幸福になれる単語集
- これを覚えれば20XX年3の月に必ず幸福になれる単語集
- 基本単語中学1年生程度@〜D /基本単語中学2年生程度@〜D /基本単語中学3年生程度@〜A /+α 基本単語
- Z章 1年生の指導
- 1 1年生の元気の良さに騙される教師,教室全体の声に惑わされる教師
- 2 1年生の1時間目に教えること(授業開き)
- 3 1年生の2時間目以降に扱うこと
- 4 1年生初期の授業に使えるその他の活動
- 5 ゴールデンウィーク明けから少しずつ教える文法
- 6 1年生から頭で(文法)教えたら,体(パターン)でも教える
- +α 新パターンプラクティス
- 新Pattern Practice
- おわりに
- 参考文献
はじめに――授業の壁にぶつかり,見えてきたもの――
新卒3年目の夏,何事もプラス思考の私は授業も良い感じで流れていると感じていました。そんな時に自分の担任する2年生のTさんという生徒が「先生の授業ってワンパターンだよねぇ〜」って,放課後の何気ない和やかな会話の中で出てきたんです。その生徒は英語ができる生徒だっただけに顔で笑って心で泣いて…。それがきっかけで「楽しい授業」「わかりやすい授業」「英語が得意な生徒も不得意な生徒も全員楽しく参加できる授業」を作ろうと,色々なことにチャレンジし始めたんです。確かに当時の私の授業は自分の引き出しが少なかっただけに単調な,毎日,同じような展開で進んでいるものでした。その衝撃発言以来,私は「えー授業もう終わり?」と生徒が思えるくらい,知らず知らずのうちに授業に集中していたという状況を作り出すことを目標にしました。だから,生徒が「早く終わらないかな」と時計を気にするような素振りを見せたら負けだと思いながら授業をしていました。最終的にTさんは英語の先生になりたいと言って卒業していったので,授業改善への取り組みはある程度成功していたとは思うのですが,みなさんもこんな経験のひとつやふたつはあるでしょう?
その衝撃発言で奮起した私は,すぐに,隣の松前中学校のベテランの成迫先生のところへ行き相談しました。その先生が言うには,「授業の基盤となるものは生徒との信頼関係。単なる友達の延長線上にいるのでは指導できない。だから,若くても指導者として生徒に接する時には,優しい母親的な愛情と,厳しい父親的な愛情の両方をうまく使い分けて,良好な信頼関係を築き上げなさい。それから,授業の技術を磨くために,自分の授業をビデオに撮影し反省会をしよう」ということで数日後,たまたま同じ町内に英語教師として赴任した高校時代の同期の藤田祐二先生とビデオテープを持ってその先生のお宅に訪問し,お酒を飲みながら反省会をしました。
その時に見えてきた改善すべき点はこんなものでした。
@ 生徒に発表させるための指名の方法が生徒の自発的な挙手のみであった
A 授業の形態が全員個別に黒板を向いている一斉授業の形しか使っていない
B 準備不足による無駄な時間がある(活動と活動の間,CDなどの機器を操作する時間)
C 授業中の話し方が単調で,授業中の発問が明確でなく,言い直すことが多い
D 視覚にうったえる教材教具が有効に使われていない
これらのことは今でも自分の授業を振り返るポイントとして確認しながら授業を行っています。毎時間の授業を組み立てるのは今でも大変なんですよ。でも,それを悩みととらえるのか,大変だけど楽しい授業づくりの計画ととらえるのかは,結局自分次第なんですよね。ですから,今でも毎日1時間1時間の授業の流れの略案を書いて,どんな授業をするのかを組み立てて,その予定通りに進められるようにしています。やっぱり無計画な授業で成功したことはないですからね。
2008年5月 /大塚 謙二
本書p.129でご紹介しておりますホームページアドレスがサーバの関係で以下に変更になりました。
http://hien.qee.jp/ken/meiji2/print.html
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、今後はこちらを参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
主にペア活動で使える資料が豊富。さらにインターネットのサイトからデータをダウンロードできるところが超お勧めです!
私は現在北海道で中学校の教員をしていますが、全学年で追試しましたが、すべて反応は良かったです。理論と実践に分かれていて、とても勉強になりますよ!明日からすぐに使えるところが最高です。
難しい理論を簡単に、でも正確に紹介しています。
次に、授業の組み立てかた。
最初の15分間に行う数々のウオームアップ、
Q&Aや語彙・文法の力を高める活動を紹介しています。
これは活動の種類だけでなく、一斉、ペア、グループなど
様々な形態を紹介している点が、類書とはひと味違う部分です。
全部の形態にはそれぞれの目的があるんです。
後半には大塚式フラッシュカードと様々な音読練習が紹介されています。
全体を通して、授業の最初からの活動を段階を追い、
細かく、必要な用具などを詳細に説明されています。
単なる活動集とはちがうところがとっても使いやすいです。
授業の骨組みができたり、さらに授業をグレードアップしたい時に使えるバイブル的良書です。
「幸福単語集」なども使いやすいと思いましたが、何よりも「英語教師の心得」の章に書かれている内容は、日々の授業を見直すいいきっかけを与えてくれました。
大塚先生、ありがとうございます。