- はじめに
- 最新の教育課題を取り入れた 中学校道徳『自作資料集』bQ
- 1 力ある資料の必要性
- 2 教師の思いを込めて…
- 3 生徒と共に創る道徳の時間
- 4 決意を胸に…
- *自分を好きになるために*
- @敵は自分自身なの? 1−(4)
- Aある日,ぼくらの教室で 2−(3)
- Bくやしさをバネに 1−(2)
- C遠い日の思い出 2−(5)・2−(2)
- *たった一つの生命への思い*
- @「ポチを家族にできたか」 3−(2)
- A母の死が教えてくれたこと 3−(2)
- B「父との別れ」 4−(6)
- C兄のドナーカード 3−(2)
- D命をつなげるために 3−(2)
- E宙に浮いた体 3−(2)
- F夢のお国 4−(10)
- G「たった一つの私の命」 3−(2)
- *私たちの生きる社会を見つめて*
- @ニートしようぜ! 1−(4)
- A山口さんの笑顔 4−(3)
- B詩「ピアス」 4−(2)
- C赤信号 4−(2)
- Dアヤと携帯電話 1−(3)
- Eみんなが動いている 4−(3)
- *自分らしい生き方を求めて*
- @「I have a dream.」(私には夢がある) 1−(4)
- A見えてきたもの 1−(5)
- B夢に向かってステップ 1−(2)
- C社会で必要とされる人になりたい 4−(5)
- D将来の夢と仕事 4−(5)
- E上手なコミュニケーション 2−(1)
はじめに
重苦しい空気の漂う道徳の時間を変えていきませんか。
道徳の時間に生徒は考えます。
「今日の授業で,きっと先生はこんなことを言いたいんだろう…。」
と。すると,生徒の反応はこんなふうに分かれるでしょう。
@教師の望ましい考えや行動に方向付けようという匂いに拒否反応を示し,重苦しい時間が流れる。
A教師が望む答えを探して,一生懸命その答えを発表する。
どちらの反応を示すかは,教師と生徒との人間関係で変わってくるのかもしれません。
生徒を取り巻く状況は大きく変わってきています。現代社会では,メディアの発達により,だれもが様々な情報を得ることができるようになりました。そうした社会に生きる中学生たちには,道徳的価値についてのイメージが,私たちが思う以上に確立されています。だから,理想とする道徳的価値を教え込むような授業では,生徒の心の奥底まで入りこむことは難しくなります。教え込みではなく,生徒が自分自身の思いと重ね合わせて,真剣に考えなければならないような授業の必要性が問われているのです。
現在社会に目を向けると,私たち大人も,どうしたらよいか判断に迷うような問題がいたるところに存在しています。どちらでもいいような表面的な葛藤ではありません。考えれば考えるほど,答えが出せなくなる問題です。こうした内容を資料化したとき,生徒は自分の知識や経験を活用し,真剣に自分自身と対話することができることでしょう。
昨今,生徒にかかわる重大事件を数多く耳にします。また,生徒の日常生活の中には,模範となれない大人たちの姿も影響を与えていることでしょう。私たち教師は,事件の後追いで,それに対応するだけの教育活動ではなく,生徒の人生にとって本当に大切なことを,今まで同様にメッセージとして送り続けていきたいと思います。
この自作資料集には,こうした思いを込めて,教師も生徒と共に悩み,一緒に考えることができるような資料を掲載しました。きっと,日々の授業の手助けとなるに違いありません。
終わりになりましたが,とっておきの自作資料と展開例をご提供くださいました先生方に心より感謝申し上げます。また,出版に当たって多大なるご尽力を賜りました明治図書出版教育書部門編集部の仁井田康義氏に厚く御礼申し上げます。
2007年1月 /笠井 善亮
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- 明治図書