- 特集 子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣
- 特集の解説
- 子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣
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- 実践事例
- (1)多様な動きをつくる運動遊び(低学年)
- 体ほぐしの運動/変化のある繰り返しで行う氷鬼
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- 走の運動遊び/変化をつけたり、組み合わせたりする
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- 跳の運動遊び/友だちと関わり、主体的活動を生む「跳の運動遊び」
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- 固定施設を使った運動遊び/運動場の遊具を効果的に利用する
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- 鬼遊び/ルールの工夫で楽しさ倍増! 汗びっしょりの鬼遊び!
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- ボールゲーム/汗びっしょり! 子どもが夢中になる「ボール投げゲーム」
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- (2)多様な動きをつくる運動(中学年)
- 体ほぐし/ルールの工夫で運動量倍増 ジャンケンを使った体ほぐし
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- かけっこ・リレー/“体力向上の秘訣”は局面の限定にあり! 初めての周回リレー
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- マット運動/みんな楽しく参加! マット運動(前転)
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- 鉄棒運動/変化のある繰り返しでほめ続ける鉄棒運動
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- 跳び箱運動/「連続跳び」と「シンクロ跳び」で跳び箱運動でも、運動量が格段に上がる!
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- リズムダンス/子どもが多様な動きをつくりだすリズムダンス
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- (3)体力を高める運動(高学年)
- 体ほぐし/変化のある繰り返しで運動量を確保する体ほぐし 壁タッチ・ドンタッチ
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- 体力を高める運動/フラフープを使って楽しく体力を高める
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- 短距離走・リレー/トリオ学習で体力UP!
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- 走り幅跳び/教師が観点を示し個別評定をすることで子どもは成功体験を味わう
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- ボール運動/「ならべっこベースボール」でみんなで走る!
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- 表現/見た目以上の運動量“エア和太鼓”
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- ミニ特集 12月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
- 低学年/基礎感覚・基礎技能をつくる跳び箱遊び
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- 中学年/跳び箱 きれいな跳び方・回り方を指導する
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- 高学年/パーツで構成する持続走と走り幅跳びの指導
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- ライブで体感!TOSS体育講座
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- 〜第9回TOSS体育東北フレッシュセミナー(第6回杜の都のTOSS体育全国セミナー)〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
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- TOSS体育ときめき情報 (第9回)
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- なわ跳び遊び(低学年)
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- 〜できない子もできる子も、どの子も満足して取り組む『なわ跳びチャレンジカード』―向山氏の『なわ跳び級表』修正追試―〜
- なわ跳び(中学年)
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- なわ跳び(高学年)
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- 体育科における学力保障 (第105回)
- 岡麻知子氏の「体ほぐしで扱う伝承遊び」@
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- 〜ボールを操作する感覚が身に付く まりつき〜
- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第119回)
- 12月号
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- 授業の腕を上げる体育クリニック (第9回)
- お手本の示し方@
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特集の解説 子どもの歓声あがる“体力向上運動”の秘訣
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
文部科学省から「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について」報告されている。小学校は第5学年、中学校は第2学年の調査である。
男女とも、反復横とび、20メートルシャトルラン、体力合計点について、分布の広がりが大きい状況がみられたと報告されている。
昭和60年度の体力水準との比較では、昭和60年度の各種目の平均値を下回っている割合が多い。
男女ともに反復横とび以外の種目では、50%以上の児童が昭和60年度の平均値を下回っていると報告されている。
なぜ、体力は低下しているのであろうか。その理由として次の内容が考えられる。
1 学校外の学習活動や室内遊び時間の増加による、外遊びやスポーツ活動時間の減少
2 空き地や生活道路と言った子どもたちの手軽な遊び場の減少
3 少子化や、学校外の学習活動などによる仲間の減少
社会環境の影響によって、生活習慣の変化、運動を体験する場の減少
対策としては、外遊びやスポーツ活動時間の確保、遊び場の確保、仲間づくりなどがあげられている。
それでは、学校体育ではどのように対応したらよいのだろうか。
学習指導要領の改定により、体育の時数が増えた。その増えた体育の授業の中で、体力向上のために、授業をどのように工夫したらよいのであろうか。
2011年7月、TOSS体育全国セミナーIN東京が開催された。並木孝樹氏は、参加した教師がすぐに役立つ体ほぐしの模擬授業を行った。
授業のポイントとして、次の3点を挙げている。
@ テンポをよくし、リズムをつくる。
A ほめ続ける。
B 変化のある繰り返し。
並木氏の模擬授業に参加者の歓声があがった。歓声のあがる授業はよい授業である。なぜなら、それだけ授業に参加し、活動しているからである。
ジャンケンゲームで勝ったらステージにあがりガッツポーズをする。負けたら壁を触ってくる。この活動は移動が伴うので運動量が増えるのである。
変化のある繰り返しを通して、仲間づくり、体力づくりがなされていった。体育館一杯に活動させていた。
村山浩康氏は、跳び箱遊びの模擬授業であった。跳び箱運動に必要な高さ感覚、跳感覚、バランス感覚、リズム感覚、視覚調整感覚が習得できる授業であった。
跳び箱を1台、2台、3台と階段状にして、片足で踏み切り、ワン・ツー・スリー・ジャンプという運動を行った。
普通は、1台の跳び箱での踏み越し下りである。それを2台、3台連結する人によって、1台の跳び箱より、2台、3台跳ぶことで基礎感覚が高められた。同時に体力も高められていった。
空中での動きを工夫させることで、子どもの意欲化を図り、子どもが楽しく何回でもできるように行った。
場作りと動きの工夫で体力が高められていったのである。最後は、シンクロ跳びで2人での仲間づくりがなされていた。
友だちと動きを合わせることで、感覚づくりと体力づくりがなされていた。
多様な動きづくりを通して、体力づくりを行っていくことが大切である。
機械的なトレーニングではなく、楽しく活動する中で結果として体力が付くようにする。
本特集では、並木氏や村山氏のような体力づくりの実践例が紹介されている。実際に授業を通して子どもの体力を高めてほしい。
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