授業力アップ!算数科:授業と板書のアイデア12か月 1〜3年編

授業力アップ!算数科:授業と板書のアイデア12か月 1〜3年編

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板書は緻密な計画と、瞬間の閃きが作り上げる作品である

板書は教師と子どもが授業で格闘した結果の産物である。板書を見ればその授業がわかる。板書には事前の板書計画とともに授業中の子どもの反応も位置づけたい。教師にとっての学びの足跡も残したい。子どもの学びに即した1〜3学年の算数の板書の仕方を示す。


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ISBN:
978-4-18-567617-5
ジャンル:
算数・数学
刊行:
9刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はじめに
T章 授業に生きる板書のアイデア
1 板書とは何か
2 よりよい板書をつくるために
3 板書の基本と具体例
4 板書の書き方の実際
5 色チョークの使い方
6 問いの見える板書
7 問いの発生を促す板書
8 かかわり合いが見える板書
9 子どもの活動の見える板書
10 動作と一体化する板書
11 キャラクターを使った板書
12 センテンスカードを利用した板書
13 この本の効果的な活用の仕方
U章 1年の授業と板書のアイデア
4月@ 順番や位置の表し方を知ろう
4月A 順番や位置の表し方を知ろう
5月@ 数の合成・分解をしよう
5月A 7の合成・分解をしよう
6月@ えれべえたあごっこをしよう
6月A かたちのなかまわけをしよう
7月@ かずのちがいを求めよう
7月A のこりをしらべよう
8月@ じゃんけんすごろくをしよう
8月A 10よりおおきいかずをかぞえよう
9月@ ながさくらべをしよう
9月A ながさくらべをしよう
10月@ けいさんのしかたをかんがえよう
10月A くり上がりのあるたしざんのしかたを工夫しよう
11月@ けいさんのしかたをかんがえよう
11月A くりさがりのあるひきざんがかんたんにできるようになろう
12月@ もんだいをつくろう
12月A たすのかひくのか,かんがえよう
1月@ 大きいかずをかぞえよう
1月A かぞえかたを工夫しよう
2月@ 10がいくつ
2月A どちらがすくないか,かんがえよう
3月@ どちらがおおいか,かんがえよう
3月A 10こつかってしきをつくろう
V章 2年の授業と板書のアイデア
4月@ すきなあそびしらべをしよう
4月A とけいをよもう
5月@ 長さをしらべよう
5月A くり上がりのあるひっ算をしよう
6月@ はじめはいくつ
6月A 数字でかいてみよう
7月@ いろいろな形を作ろう
7月A かげ絵にかくれている形をさがそう
8月@ 計算のじゅんじょ
8月A ふえたかずをまとめてかんがえよう
9月@ たし算のしかたをかんがえよう
9月A 3つの数のひっ算をしらべよう
10月@ あたらしい計算をかんがえよう
10月A かけ算の式と意味を知ろう
11月@ 九九をつくろう
11月A なんのいくつぶんかをかんがえよう
12月@ 形をしらべよう
12月A 三角形を2つに切ってみよう
1月@ 九九のきまり
1月A 九九の表のきまりをみつけよう
2月@ もっと大きい数をしらべよう
2月A 100がいくつかかんがえよう
3月@ 九九さがし
3月A 問題作りをしよう
W章 3年の授業と板書のアイデア
4月@ 九九表からきまりを見つけよう
4月A 九九の表をしらべよう
5月@ 同じ数ずつ分ける計算をしらべよう
5月A 分け方をしらべよう
6月@ 水のかさをしらべよう
6月A 水のかさをしらべよう
7月@ たし算の筆算のしかたを考えよう
7月A ひき算の筆算のしかたを考えよう
8月@ 長い長さをしらべよう
8月A 間の数をしらべよう
9月@ あまりのあるわり算のしかたを考えよう
9月A あまりをどうするか考えよう
10月@ 形をしらべよう
10月A 長方形をつくってしらべよう
11月@ 一万の位をしらべよう
11月A かけ算の筆算のしかたを考えよう
12月@ 表やグラフに表そう
12月A 大きい数をしらべよう
1月@ はこの形をしらべよう
1月A 表やグラフに表そう
2月@ もっとかけ算の筆算のしかたを考えよう
2月A もっとかけ算の筆算のしかたを考えよう
3月@ 重さをしらべよう
3月A 重さをしらべよう
おわりに

はじめに

 板書は,教師と子どもとが授業で格闘した結果の産物である。

 板書を見れば,その授業がわかると言われる。それだけ,板書は授業の内容を投影している。つまり,どんな問題が出され,どのような手だてがなされ,それに対する子どもの反応はどうだったのか等,授業の過程が現れてしまう。

 ところが,板書はなかなか難しい。教師の予定路線だけの板書ならば簡単である。しかし,それではつまらない。やはり,子どもにとっての学びの足跡をしるしたいものである。さらに言えば,教師にとっての学びも足跡として残したいものだ。そう考えると,板書は事前の板書計画とともに,授業中での子どもからの瞬間の反応も位置づける必要がある。だから,難しいのである。

 子どもの学びに即した板書とはどのようなものか。それがこの本にある板書である。この本のU章以下を見ていただければわかるが,授業中に現れる子どもの生の反応を再現するようになっている。特にこだわったのは,問いを生み出す発問であり,子どもの言葉の具現化である。手前味噌で申し訳ないが,かなり質の高い本となった。

 さて,この本は,もともとは,月刊『楽しい算数の授業』の連載から生まれたものである。豊橋市算数・数学研究部会のメンバーが平成17年度,18年度にわたって,同誌に「授業力UP!今月の授業と板書」として全学年分を作ったものである。一月に第1学年から第6学年まで各1ぺージあるので,合計6ぺージの24か月分となった。

 この連載は当初予想したよりはるかに骨の折れる仕事であった。実際の黒板はカラーであるのに対して,雑誌には白黒で示す必要がある。何度も写真を撮り直した。また,昼間は光の関係で反射してしまう。だから,夜の撮影ということも多かったと聞く。この本への思いは,加藤裕紀氏が「おわりに」で記述されている。

 単行本化にあたって,T章に望ましい板書をつくるためのポイントを書いた。これは,新たに原稿を作ることになり,私も何回かにわたって直接編集にかかわった。ようやくできたというのが実感である。豊橋市算数・数学研究部会の皆さんは根気よく2年間も連載を続けてくれたこと,さらに,単行本化への企画が持ち上がったとき,快く引き受けてくださったことに感謝したい。また,単行本化にあたっては,明治図書の石塚嘉典氏にお世話になった。

 読者の皆様には,ぜひともこの本を参考に,生き生きとした,アイデア豊かな板書をつくっていただきたいと願っている。


  平成19年7月   愛知教育大学 /志水 廣

著者紹介

志水 廣(しみず ひろし)著書を検索»

 1952年神戸市生まれ。1974年大阪教育大学卒業。同年,神戸市立小学校に勤務。1983年兵庫教育大学大学院修了(数学教育学専攻)。再び,神戸市立小学校に勤務。1985年筑波大学附属小学校教諭。1992年愛知教育大学助教授,2001年同大学数学教育学講座教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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