- はじめに
- T章 授業に生きる板書のアイデア
- 1 板書とは何か
- 2 よりよい板書をつくるために
- 3 板書の基本と具体例
- 4 板書の書き方の実際
- 5 色チョークの使い方
- 6 問いの見える板書
- 7 問いの発生を促す板書
- 8 かかわり合いが見える板書
- 9 子どもの活動の見える板書
- 10 動作と一体化する板書
- 11 キャラクターを使った板書
- 12 センテンスカードを利用した板書
- 13 この本の効果的な活用の仕方
- U章 1年の授業と板書のアイデア
- 4月@ 順番や位置の表し方を知ろう
- 4月A 順番や位置の表し方を知ろう
- 5月@ 数の合成・分解をしよう
- 5月A 7の合成・分解をしよう
- 6月@ えれべえたあごっこをしよう
- 6月A かたちのなかまわけをしよう
- 7月@ かずのちがいを求めよう
- 7月A のこりをしらべよう
- 8月@ じゃんけんすごろくをしよう
- 8月A 10よりおおきいかずをかぞえよう
- 9月@ ながさくらべをしよう
- 9月A ながさくらべをしよう
- 10月@ けいさんのしかたをかんがえよう
- 10月A くり上がりのあるたしざんのしかたを工夫しよう
- 11月@ けいさんのしかたをかんがえよう
- 11月A くりさがりのあるひきざんがかんたんにできるようになろう
- 12月@ もんだいをつくろう
- 12月A たすのかひくのか,かんがえよう
- 1月@ 大きいかずをかぞえよう
- 1月A かぞえかたを工夫しよう
- 2月@ 10がいくつ
- 2月A どちらがすくないか,かんがえよう
- 3月@ どちらがおおいか,かんがえよう
- 3月A 10こつかってしきをつくろう
- V章 2年の授業と板書のアイデア
- 4月@ すきなあそびしらべをしよう
- 4月A とけいをよもう
- 5月@ 長さをしらべよう
- 5月A くり上がりのあるひっ算をしよう
- 6月@ はじめはいくつ
- 6月A 数字でかいてみよう
- 7月@ いろいろな形を作ろう
- 7月A かげ絵にかくれている形をさがそう
- 8月@ 計算のじゅんじょ
- 8月A ふえたかずをまとめてかんがえよう
- 9月@ たし算のしかたをかんがえよう
- 9月A 3つの数のひっ算をしらべよう
- 10月@ あたらしい計算をかんがえよう
- 10月A かけ算の式と意味を知ろう
- 11月@ 九九をつくろう
- 11月A なんのいくつぶんかをかんがえよう
- 12月@ 形をしらべよう
- 12月A 三角形を2つに切ってみよう
- 1月@ 九九のきまり
- 1月A 九九の表のきまりをみつけよう
- 2月@ もっと大きい数をしらべよう
- 2月A 100がいくつかかんがえよう
- 3月@ 九九さがし
- 3月A 問題作りをしよう
- W章 3年の授業と板書のアイデア
- 4月@ 九九表からきまりを見つけよう
- 4月A 九九の表をしらべよう
- 5月@ 同じ数ずつ分ける計算をしらべよう
- 5月A 分け方をしらべよう
- 6月@ 水のかさをしらべよう
- 6月A 水のかさをしらべよう
- 7月@ たし算の筆算のしかたを考えよう
- 7月A ひき算の筆算のしかたを考えよう
- 8月@ 長い長さをしらべよう
- 8月A 間の数をしらべよう
- 9月@ あまりのあるわり算のしかたを考えよう
- 9月A あまりをどうするか考えよう
- 10月@ 形をしらべよう
- 10月A 長方形をつくってしらべよう
- 11月@ 一万の位をしらべよう
- 11月A かけ算の筆算のしかたを考えよう
- 12月@ 表やグラフに表そう
- 12月A 大きい数をしらべよう
- 1月@ はこの形をしらべよう
- 1月A 表やグラフに表そう
- 2月@ もっとかけ算の筆算のしかたを考えよう
- 2月A もっとかけ算の筆算のしかたを考えよう
- 3月@ 重さをしらべよう
- 3月A 重さをしらべよう
- おわりに
はじめに
板書は,教師と子どもとが授業で格闘した結果の産物である。
板書を見れば,その授業がわかると言われる。それだけ,板書は授業の内容を投影している。つまり,どんな問題が出され,どのような手だてがなされ,それに対する子どもの反応はどうだったのか等,授業の過程が現れてしまう。
ところが,板書はなかなか難しい。教師の予定路線だけの板書ならば簡単である。しかし,それではつまらない。やはり,子どもにとっての学びの足跡をしるしたいものである。さらに言えば,教師にとっての学びも足跡として残したいものだ。そう考えると,板書は事前の板書計画とともに,授業中での子どもからの瞬間の反応も位置づける必要がある。だから,難しいのである。
子どもの学びに即した板書とはどのようなものか。それがこの本にある板書である。この本のU章以下を見ていただければわかるが,授業中に現れる子どもの生の反応を再現するようになっている。特にこだわったのは,問いを生み出す発問であり,子どもの言葉の具現化である。手前味噌で申し訳ないが,かなり質の高い本となった。
さて,この本は,もともとは,月刊『楽しい算数の授業』の連載から生まれたものである。豊橋市算数・数学研究部会のメンバーが平成17年度,18年度にわたって,同誌に「授業力UP!今月の授業と板書」として全学年分を作ったものである。一月に第1学年から第6学年まで各1ぺージあるので,合計6ぺージの24か月分となった。
この連載は当初予想したよりはるかに骨の折れる仕事であった。実際の黒板はカラーであるのに対して,雑誌には白黒で示す必要がある。何度も写真を撮り直した。また,昼間は光の関係で反射してしまう。だから,夜の撮影ということも多かったと聞く。この本への思いは,加藤裕紀氏が「おわりに」で記述されている。
単行本化にあたって,T章に望ましい板書をつくるためのポイントを書いた。これは,新たに原稿を作ることになり,私も何回かにわたって直接編集にかかわった。ようやくできたというのが実感である。豊橋市算数・数学研究部会の皆さんは根気よく2年間も連載を続けてくれたこと,さらに,単行本化への企画が持ち上がったとき,快く引き受けてくださったことに感謝したい。また,単行本化にあたっては,明治図書の石塚嘉典氏にお世話になった。
読者の皆様には,ぜひともこの本を参考に,生き生きとした,アイデア豊かな板書をつくっていただきたいと願っている。
平成19年7月 愛知教育大学 /志水 廣
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- 明治図書