- はじめに
- 1章 総論編
- 1 「未来を『そうぞう』する子ども」(第4年次)
- Column
- カリキュラム開発に関わる実践研究の持続的発展を(木原 俊行)
- 「GIGAスクール」で真価が問われる平野小学校のICT活用研究(豊田 充崇)
- 2030年ターゲットのSDGsの本質を捉えたカリキュラム開発「未来そうぞう」(佐藤 真)
- 2章 「未来そうぞう科」編
- 1 未来そうぞう科 学習指導要領(案)抄
- [事例1]第1学年 だいすきじぶん すきすきクイズとすきすきトーク
- [事例2]第1学年 あこがれのヒーロー
- 〜なりたい・みつける・まねる・なってみせる〜
- [事例3]第1学年 まほうdeやってみよう!
- [事例4]第6学年 校庭キャンプde発見
- Column
- 「そうぞう」のどの部分にどんな「力」が必要なのか?(金光 靖樹)
- 近未来の先を行く(峯 明秀)
- 3章 教科・領域編
- 1 国語科 文学を愉しむ子ども
- 〜子どもの自発性を促すために必要な国語的空間の設定〜
- [事例1]第3学年 日詩を綴ろう!
- 〜自分の思ひを詠む〜
- [事例2] 第4学年 詩でリフォーム
- 〜言葉による空間の彩り〜
- [事例3]第5学年 想いをつむぐ未来への詩―LIFE生きる―
- 〜名作家の生き方にふれて〜
- 2 社会科 社会的事象をもとに考えを深め合いながら未来をそうぞうする子ども
- [事例1]第3学年 大阪市のようすのうつりかわり
- 〜大阪市の歴史と進歩,そして未来〜
- [事例2] 第4学年 AI・IoTと伝統工業
- 3 算数科 算数に感じ,未来をそうぞうする子ども
- 〜自ら「捉えなおし」することで発揮するそうぞう的実践力〜
- [事例1]第2学年 すきすきたんていだん
- 〜アンケートから こころみよう〜
- [事例2] 第3学年 かけ算の筆算(2)
- [事例3]第5学年 正多角形とプログラミング
- 4 理科 豊かな自然観に基づき,未来をそうぞうする子ども
- 〜未知なことに挑戦する探究型の授業〜
- [事例1]第4学年 ウマ(ヒメちゃん)の体のひみつ
- 〜ヒトとの相違点からさぐる〜
- 5 図画工作科 造形活動を通して育む未来そうぞうの資質・能力
- [事例1]第2学年 われら〇〇たんていだん
- 〜絵のぐにはスキがいっぱい!編〜
- [事例2] 第5学年 あれもこれも形・色
- 〜生活を彩(いろど)る造形から〜
- 6 家庭科 批判的思考力を活用し,よりよい未来の生活をそうぞうしようとする子どもの育成
- [事例1]第6学年 共に生きる生活
- 〜持続可能な社会を防災から考えよう!〜
- 7 体育科 課題の解決に向けて“運動の楽しさ”をそうぞうする子どもの育成
- 〜できる・わかるを積み重ねる授業〜
- [事例1]第5学年 私の走り方改革
- 〜短距離走〜
- [事例2] 第6学年 マット&シンクロ
- 8 道徳科 よりよい未来を『そうぞう』するための道徳科の授業づくり
- [事例1]第6学年 なりたい自分に
- 9 外国語活動・外国語科 主体的に他者と関わり,その中に楽しさや喜びを見出せる子ども
- 〜「やりたい!」「できた!」の繰り返しを通して主体的実践力を育む外国語活動の授業づくり〜
- [事例1]第4学年 自分の1日を紹介するMy Movieをつくろう
- おわりに
- 運営指導委員の先生方・研究同人
はじめに
本校では2016年度より文部科学省研究開発学校の指定を受け,新教科「未来そうぞう科」及び各教科・領域における「未来そうぞう」の研究開発に取り組んでまいりました。2019年度末で4年間の指定期間を終えましたが,今年度は教育課程特例校として,引き続き「未来そうぞう科」の研究開発を続けております。今年度から全面実施されている小学校新学習指導要領には,「これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして,明るい未来を,共に創っていきたい。」という思いが込められていますが,これは私たちが「未来そうぞう科」に込めた思いと大いに共通するところであります。今年,世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス禍は,まさしく予測困難な時代の到来ですが,そのような時代に直面しても,明るい未来を共に創っていく子どもたちが育つ礎を築いていければと思います。
さて,本書は2017年度から毎年発行している「未来を『そうぞう』する子どもを育てる探究的な授業づくり」,「未来を『そうぞう』する子どもを育てる授業づくりとカリキュラム・マネジメント」,「未来を『そうぞう』する子どもを育てる授業づくりと学習評価」に続く第4弾として,4年次の研究を中心に,4年間の研究成果を図書としてまとめたものです。3年次の研究では,「未来そうぞう科」及び各教科・領域における「未来そうぞう」の学習展開によって,未来を「そうぞう」する子どもに必要となる主体的実践力,協働的実践力,創造的実践力の3つの資質・能力が実際に高まっているか,教師側6観点,子ども側6観点からの評価を試みました。しかし,教師側の指導計画が立てやすくなった反面,観点が多いために子どもとの共有が難しく,子どもたちの自己評価がしにくいことが明らかになりました。そこで評価の観点を整理し直して,教師側の観点を@イメージ力Aクリエイト力Bレジリエンスの3観点に,子ども側の観点をそれらに対応した@考えてみるAやってみるB最後までやりぬくの3観点にまとめました。そして,ポートフォリオによる自己評価をベースにしながら,多角的・多面的な見方ができるように,教師や児童,保護者,ゲストティーチャーからの評価も取り入れた対話型評価を試みました。
2020年2月に開催した授業研究発表会では,ブースを設けて未来そうぞう科および未来そうぞうの授業を受けてきた本校卒業生や在校生,子どもたちの保護者,過去のゲストティーチャーの人たちから,この「未来そうぞう」の授業を受けた感想・関わった感想を直接聞くことのできる場を設定したのですが,卒業生の「自分たちで考えて,やりたいことを思いっきりやれたから,こんな面白いことはない」という発言に,「未来そうぞう科」の未来を感じました。残念ながら本書だけでは研究の内容を十分にお伝えしきれない点もありますので,是非本校を訪問参観していただき,ご忌憚のないご意見・ご教示を賜りますよう,お願い申し上げます。
2021年1月 大阪教育大学附属平野小学校 学校長 /出野 卓也
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- 明治図書