- まえがき /影山 清四郎
- 第T章 NIEの意義とアイデンティティ
- 1 NIEの基本的性格
- (1) NIEの意味するもの
- (2) NIEの特質と今後の課題
- 2 学校教育におけるNIEの今日的意義
- (1) 学習活動の成立とNIE
- (2) NIEの今日的意義
- 3 NIEの教育的効果
- 4 「NIE学」構築の課題
- (1) 問題の所在
- (2) 短期的な研究課題
- (3) 「NIE学」構築の中・長期的な研究課題
- 第U章 NIEの歴史と展開
- 1 戦前における新聞活用
- (1) 明治・大正期における新聞活用
- (2) 昭和初期における新聞活用
- 2 戦後初期における新聞学習
- (1) 国語科における新聞学習
- (2) 社会科における新聞学習
- 3 NIEの成立と展開
- (1) NIE実践の成立と展開
- (2) NIE研究の成立と展開
- 4 諸外国のNIE
- (1) 世界のNIEの動向
- (2) アメリカ合衆国におけるNIE
- 5 NIEの展望
- (1) 教育界から見たNIEの展望
- (2) 新聞界から見たNIEの展望
- 第V章 NIEの目標
- 1 「読解力」を育成するNIE学習
- (1) 「読解力」とは何か
- (2) 新聞を活用した新しい「読解力」育成
- (3) 新聞で育成した「読解力」は多くの教科で生きる
- (4) 新聞は「読解力」育成の「宝の山」
- 2 「情報活用能力」を育成するNIE学習
- (1) 目標としての「情報活用能力」の重要性
- (2) 「情報活用能力」の育成とは
- (3) NIE学習における「情報活用能力」の育成
- 3 「メディアリテラシー」を育成するNIE学習
- (1) メディアリテラシーとは
- (2) まとめ
- 4 「自己学習力」を育成するNIE学習
- (1)「自己学習力」の構造
- (2) 自己学習力とNIE
- (3) 自己学習力を育成するNIEへの視点
- 5 「シティズンシップ」を育成するNIE学習
- (1) シティズンシップとは
- (2) イギリスにおける教科シティズンシップ
- (3) わが国におけるシティズンシップ育成の課題
- (4) シティズンシップ育成とNIE
- 6 「問題発見力」を育成するNIE学習
- (1)「問題発見力」育成の今日的意義
- (2) 新聞を通した問題発見の可能性
- (3) 新聞を活用した問題発見力の育成
- 第W NIEのカリキュラムと授業
- 1 小学校におけるNIE
- (1) 国語科:比べて読んで考えよう
- (2) 国語科:テーマ性のあるオリジナル新聞を作ろう
- (3) 社会科:情報と新聞社の役割――5年「情報と社会」の学習を通して――
- (4) 社会科:くらしを支える情報――新聞づくりを通して情報を発信する力を育てる――
- (5) 算数科:理解と表現を育むグラフ指導での新聞の活用とその効果
- (6) 道徳・特別活動:道徳・特別活動におけるNIE
- (7) 総合的な学習:新聞をまるごと学ぼう
- 2 中学校におけるNIE
- (1) 国語科:情報を読み解く力を育てる
- (2) 社会科:新聞記事をディベートに活用
- (3) 技術・家庭科:KJ法を応用した技術分野でのNIE
- (4) 道徳:生き方を問い考えるNIE
- (5) 特別活動:人権の大切さを学ぶ
- (6) 総合的な学習:NIE導入による「職場体験活動」の改善
- 3 高等学校におけるNIE
- (1) 国語科:批判的読解力育成の中核としてのNIE
- (2) 地理歴史科:新聞記事で学ぶ東アジアの歴史教科書記述とアジア太平洋戦争
- (3) 地歴公民科:新聞リテラシーと社会認識を育てるNIE授業
- (4) 公民科(倫理):現代の社会を考える
- (5) 公民科(現代社会):「公正」な,「美しい」経済行為とは何か? を考察する
- (6) 数学科:数学と社会問題
- (7) 芸術科(美術):新聞記事による美術作品の解読と鑑賞
- (8) 英語科:Presentation in English
- (9) 総合的な学習の時間:情報収集と編集・発信能力の育成
- (10) 進路指導:キャリア教育を支える新聞の役割
- 4 大学におけるNIE
- (1) 教員養成:附属学校との連携によるNIE入門講座
- (2) 教員養成:「道徳教育の理論と実践」における新聞活用
- (3) 教員養成:「総合教養(時事問題)」の新設と「必勝塾」
- (4) 情報読解教育NIE:新聞で社会と向き合うために
- (5) 情報読解教育NIE:経営系大学におけるNIEのあり方
- (6) 情報読解教育NIE:教員養成学部「ゼロ免課程」社会科学系コースの場合
- 5 生涯学習におけるNIE
- (1) ファミリーフォーカス
- (2) 「第三のNIE」の可能性について
- 6 新聞社におけるNIE
- (1) 新聞を育てるNIE
- (2) 協調を重視した「日本型」
- 第X章 学習材としての新聞紙面の活用
- 1 社説・コラム欄の活用
- (1) 社説・コラム内容理解型
- (2) 社説・コラム内容批判型
- (3) 社説・コラム批判型
- 2 ニュース記事の活用
- (1) ニュース記事活用上の留意事項
- (2) ニュース記事活用事例
- (3) 実践段階に応じた実践例(中学校)
- 3 特集記事の活用
- (1) 特集とは
- (2) 特集の機能
- (3) 特集記事の生かし方
- (4) 「特集記事」活用を通じてのねらい
- 4 連載記事の活用
- (1) NIEと連載記事
- (2) 連載記事を活用した事例
- 5 株式欄の活用
- (1) 活用のねらい
- (2) 株式学習ゲームの概要とルール
- (3) 学習方法
- (4) 授業計画
- 6 広告欄の活用
- (1) なぜ新聞広告を使うのか
- (2) 教材として新聞広告を考える
- (3) 「広告」を使ったNIEの授業の紹介
- 7 漫画・写真の活用
- (1) はじめに
- (2) 具体的実践
- (3) 考 察
- 8 スポーツ・テレビ・天気予報欄の活用
- (1) スポーツ欄の活用
- (2) テレビ欄の活用
- (3) 天気予報欄の活用
- 第Y章 新しいNIEの学習活動と評価
- 1 情報を批判的に読み解く学習活動
- (1) 小学校:メディアリテラシーを育成する社会科の授業
- (2) 中学校:価値判断や比較を通した読み解き
- (3) 高等学校:憲法記念日における社説比較ランキング学習――生徒が「憲法改正」について合理的意思決定するための一方略として――
- 2 情報を創造的に生み出す学習活動
- (1) 小学校:インフォメーションとしての情報発信
- (2) 中学校:講座「新聞社をつくろう」の実践
- (3) 中学校:ディベートを取り入れた学習活動
- (4) 高等学校:情報をもとに新たな情報を――スピーチと小論文――
- 3 多様なメディアとの関連を図った学習活動
- (1) メディアの特性を活用した授業構成
- (2) インターネットとの関連を図ったNIE活動
- 4 NIEの評価
- (1) NIEにおける学び研究の必要性
- (2) 新聞全紙面を学習材とする実践における評価のポイント
- (3) 新聞活用を取り入れた教科指導における評価のポイント
- (4) 態度形成を評価するポイント
- (5) さいごに
- あとがき /小原 友行
- NIE関連図書
- 日本NIE学会規約
- NIE関連年表
まえがき
本書は,20年近くの歴史をもつわが国のNIEの理論と実践を集大成したものである。
NIE(エヌ・アイ・イー)は, Newspaper in Education (教育に新聞を)の略称で,全紙面を学習材として活用する教育活動である。その実践については本書を参照していただくことにして,ここでは新学習指導要領(2008年3月告示)のねらいを現実化するためには,NIEが有効であることを強調しておきたい。
新学習指導要領は,@基礎的な知識・技能の習得,A思考力・判断力,表現力等の能力の育成,B学習意欲の確立とその基盤となる言語活動の充実を求めている。新聞は,「社会の縮図」「生きた教科書」といわれる。新聞を学習材とすることによって,いつの間にか,上記の力が身についてくる。本書の内容はそのことを示していると思う。
NIEに取り組むことによって,目標管理・組織管理等で窮屈な教育現場にさわやかな風が吹くことを期待したい。
本書が出版できたのは学会の研究委員会の小原友行委員長のリーダーシップとそれを支えていただいた朝倉淳会員をはじめとする研究委員の献身的なサポートによることを強調しておきたい。今日の超多忙な大学の現状を思い浮かべると,お二人の献身的なご尽力なくして,本書は今ここにないであろう。
最後になりましたが,既存の制度化された教育研究書と異なり販路が見えない,しかも多くの執筆者による本書を短期間で出版することを快諾され,バックアップしていただいた明治図書に厚く感謝いたします。
平成20年10月 日本NIE学会会長 /影山 清四郎
頂きました。自分の手持ちもある先生に請われてお譲りしたほどで、この本が出れば確実に売れると思います。出版社にはもう少し頑張ってもらいやすくして普及させてほしいですね。今後の全国大会・学会の地方回りを考えると数万部の単位で売れると思います。税込み送料負担で3000円がいいですね。
わかりやすく記されています。
大変ためになり、参考になります。お薦めです。