- 刊行のことば
- はじめに
- T 教育課程の意義・編宗
- 1 単位時間
- 2 課外活動
- 3 活動カリキュラム
- 4 活動分析法
- 5 課程主義と年数(年齢)主義
- 6 カリキュラム開発
- 7 カリキュラムと教育課程
- 8 カリキュラムの類型
- 9 教育課程
- 10 教育課程の自主編成
- 11 教育課程の編成
- 12 教育課程編成の一般原則
- 13 教育課程編成の特例
- 14 教科カリキュラム
- 15 共通必修と選択(共通課程と選択課程)
- 16 クロス・カリキュラム
- 17 経験カリキュラム
- 18 コア・カリキュラム
- 19 広域カリキュラム
- 20 工学的アプローチと羅生門的アプローチ
- 21 授業時数・日数・週数
- 22 小学校低学年のカリキュラム
- 23 スコープとシークェンス
- 24 スパイラル・カリキュラム
- 25 かくれたカリキュラム
- 26 相関カリキュラム
- 27 単元
- 28 地域の実態把握
- 29 特殊教育諸学校の教育課程
- 30 特殊学級の教育課程
- 31 日課表の作成
- 32 年間指導計画
- 33 発達
- 34 発達段階
- 35 分化と統合
- 36 保育所のカリキュラム
- 37 ゆとりの時間
- 38 幼稚園の教育課程
- 39 領域
- U 教育目標論
- 1 生きる力
- 2 意欲
- 3 学校文化
- 4 学力
- 5 学校知
- 6 感性
- 7 基礎学力
- 8 基礎(的)・基本(的)
- 9 教育の目的・目標
- 10 教育目標の分類学
- 11 教養(科目)と専門(科目)
- 12 基本的生活習慣
- 13 高等学校教育の目標・内容
- 14 個性
- 15 コミュニケーション能力
- 16 コンピュータ・リテラシー
- 17 思考力
- 18 自己教育力
- 19 しつけ
- 20 就学前教育の目的・目標
- 21 小学校教育の目的・目標
- 22 新学力観
- 23 情報処理能力
- 24 人格の形成
- 25 スリー・アールズ(3R’S)
- 26 全人教育
- 27 創造性
- 28 態度(教育目標としての)
- 29 知識
- 30 中学校教育の目標・内容
- 31 到達目標と方向目標
- 32 能力
- 33 発達課題
- 34 表現力
- 35 自ら学ぶ意欲
- 36 ミニマム・エッセンシャルズ
- 37 問題解決能力
- 38 理解力
- V 教科の領域
- 1 遊び
- 2 英語科教育
- 3 小学校家庭科 中学校技術・家庭科
- 4 教科
- 5 教科書
- 6 教科書研究
- 7 教科の論理と生活の論理
- 8 教科と教科外活動
- 9 経験
- 10 公民科
- 11 国語能力の形成と教科
- 12 社会科
- 13 生涯体育・生涯スポーツ
- 14 職業陶冶
- 15 情報基礎
- 16 情報とは何か
- 17 自立への基礎
- 18 準教科書・副読本
- 19 数量認識の形成と教科(算数・数学)
- 20 スポーツ
- 21 図画工作科教育
- 22 生活科
- 23 総合理科
- 24 体育・保健体育
- 25 体験(体験的活動)
- 26 地理歴史科
- 27 同心円拡大方式
- 28 内容・指導の系統性
- 29 パイ型とザブトン型
- 30 美術科教育
- 31 普通科における職業教育
- 32 理科教育(高等学校)
- 33 理科教育(小・中学校)
- 34 歴史学習
- W 道徳・特別活動の領域
- 1 愛国心の教育
- 2 学級会・学級活動
- 3 学校行事
- 4 儀式
- 5 クラブ活動
- 6 国旗・国歌の取り扱い
- 7 児童会・生徒会活動
- 8 生命に対する畏敬の念
- 9 徳目主義
- 10 道徳教育
- 11 道徳教育の全体計画
- 12 道徳性
- 13 道徳的実践力(道徳教育の目標として)
- 14 道徳の時間
- 15 部活動
- 16 ホームルーム活動
- 17 ボランティア活動
- X 教育課程の展開
- 1 アルゴリズム
- 2 暗記・暗唱(暗誦)
- 3 いじめ
- 4 一斉指導と個別指導
- 5 オープンスペースの活用
- 6 落ちこぼれ
- 7 ガイダンス
- 8 学習指導案(教案)
- 9 学習,学び
- 10 学級
- 11 学級編成
- 12 学校カウンセリング,学校カウンセラー
- 13 教育実践
- 14 教科内容・教材の構造,構造化
- 15 教育内容の精選・厳選
- 16 教具
- 17 教材
- 18 教材研究
- 19 業者テスト
- 20 経験学習・系統学習
- 21 啓発的経験
- 22 心(こころ)の教育
- 23 心の居場所(づくり)
- 24 個別指導
- 25 合科・合科的学習
- 26 実験・実習
- 27 指導・援助・支援
- 28 習熟
- 29 習熟度別学級編成
- 30 授業
- 31 授業研究
- 32 進路指導
- 33 生徒指導
- 34 生徒理解と自己理解
- 35 総合学習・総合的学習
- 36 体罰
- 37 地域の教材化
- 38 ティーム・ティーチング(T・T)
- 39 ディベート
- 40 発見(的)学習
- 41 不登校
- 42 補助教材
- 43 マスタリー・ラーニング
- 44 モジュール・システム
- 45 問題行動
- 46 養護・訓練
- 47 わかる授業とたのしい授業
- Y 教育課程の評価
- 1 IEA
- 2 アセスメントとエヴァリュエイション
- 3 学業不振(児)
- 4 学力調査
- 5 学校調査
- 6 関心・意欲・態度の評価
- 7 観点別学習状況
- 8 教育課程評価
- 9 形成的評価
- 10 高校入試選抜方法
- 11 個人内評価
- 12 指導と評価
- 13 指導要録と内申書
- 14 診断的評価
- 15 自己評価
- 16 性格・行動の評価
- 17 絶対評価・相対評価
- 18 総括的評価
- 19 大学入試選抜方法
- 20 通知表
- 21 テスト
- 22 到達度評価
- 23 到達度評価システム
- 24 評価・教育評価
- 25 フィードバック情報
- 26 偏差値
- 27 補助簿
- 28 ポートフォリオ法
- Z 教育課程行政
- 1 学習指導要領
- 2 学習指導要領の変遷
- 3 学校教育法及び同法施行規則
- 4 学校5日制
- 5 規制緩和
- 6 教育課程行政
- 7 教育課程審議会
- 8 教育課程審議会の答申
- 9 教育課程の管理・運営
- 10 教育課程の届出,承認
- 11 教育基本法
- 12 教育の中立性
- 13 教科書検定制
- 14 教科書検定訴訟(教科書裁判)
- 15 教科書採択制度
- 16 研究指定校,研究開発学校
- 17 高校三原則
- 18 高校教育の多様化
- 19 総合学科
- 20 単位制高校
- 21 地方(教育委員会)の教育課程基準
- 22 中央教育審議会
- 23 中・高一貫教育
- 24 マンパワー・ポリシー
- 25 文部省・指導書
- [ 教育課程改革
- 1 明石プラン
- 2 インテグレイテッド・カリキュラム
- 3 オープン・エデュケーション
- 4 及川平治のカリキュラム論
- 5 仮説実験授業
- 6 カリキュラム改革運動(戦後)
- 7 学歴社会
- 8 木下竹次の合科学習
- 9 教育(内容)の現代化
- 10 教育内容のスリム化
- 11 コモン・カリキュラム
- 12 コンプリヘンシブ・スクール
- 13 三層四領域のカリキュラム
- 14 シュタイナー学校
- 15 児童の村小学校のカリキュラム
- 16 水道方式
- 17 成城小学校のカリキュラム
- 18 ダルトン・プラン
- 19 デューイ・スクール
- 20 トピック学習
- 21 長野師範付属小学校の「研究学級」
- 22 ナショナル・カリキュラム(英国)
- 23 ニイルのサマーヒル・スクール
- 24 8年研究
- 25 プラウデン・リポート
- 26 本郷プラン
- 27 モリソン・プラン
- \ 教育課程の歴史
- 1 ヴァージニア・プラン
- 2 開発主義の教授法
- 3 「学制」の教育課程
- 4 国民学校の教育課程
- 5 コメニウスのカリキュラム論
- 6 合科教授
- 7 修身科
- 8 新教育指針
- 9 進歩主義教育(アメリカ合衆国・特に教育内容面)
- 10 自由研究
- 11 ストリーミング
- 12 スペンサーのカリキュラム論
- 13 生活単元学習
- 14 生活綴方
- 15 世界図絵
- 16 第一次米国教育使節団報告書
- 17 中学校の選択履修幅の拡大
- 18 中心統合法
- 19 寺子屋の教育内容
- 20 等級制
- 21 ドモランの学校
- 22 七自由科(セブン・リベラル・アーツ)
- 23 藩校の教育内容
- 24 ヘルバルト(派)のカリキュラム論
- 25 ペスタロッチーの教育内容論
- 26 ポストモダンとカリキュラム
- 27 モニトリアル・システム(助教法)
- 28 問答
- 29 労作教育
- ] 現代の教育課題
- 1 環境教育のカリキュラム
- 2 学校と家庭・地域社会との連携
- 3 教員養成のカリキュラム
- 4 教科再編の動向
- 5 現職教育のカリキュラム
- 6 国際理解教育のカリキュラム
- 7 人権教育の充実をめざすカリキュラム
- 8 生涯教育のカリキュラム
- 9 少子化と教育問題
- 10 情報教育のカリキュラム
- 11 性教育の教育内容
- 12 地域に開かれた学校
- 13 統合教育・交流教育
はじめに
わが国の教育界は,いま,教育課程改革に向けて大きく動いている。ここ数年来,戦後の教育実践を問い直す試みが多角的に行われ,21世紀へ向けての教育改革論議が繰り広げられてきた。戦後50年とか21世紀とかが問われるのは,単なる形式的区切りのゆえんではなく,戦後50年の現在にあって,日本の教育,学校が,かつて経験したことのない程の大きな転換期にあるということである。社会の急激な変化に対応した教育改革,学校改革が求められているのである。
教育の理念を現実化するのに中心的位置を占めているものが教育課程(カリキュラム)であるから,教育改革の論議は教育課程編成(カリキュラム開発)に集約化され焦点化されるのである。
時代と社会のパイオニアとしての教師に求められる資質・能力は何であろうか。換言すれば,教師がプロと言われる条件は何であろうか。授業がうまいということ,生徒指導に熱心だということは言うまでもなく重要である。しかし,なによりも,それらの前提に求められるものは,「なんのために,なにを,どのように」学ばせることが望ましいのかと,関連的に,総合的に問いつつ自己を形成していくところに,その専門職性が求められよう。
子どもの学びと育ちの実態を踏まえ,学力と人格の統一的形成のための構想をねり,プランとプログラムを作り,指導と援助の活動を展開する。そして自らの活動を振り返って,プランやプログラムを改善していくこと,つまり教育課程編成の力量こそ,いまもっとも求められているのである。
子どもの心身ともに豊かな発達を保障する教育課程をどのように編成するかという問題は,現場の教師はもちろん,教育行政担当者,父母・地域住民,教育研究者などが協力し,叡智を結集してとり組まねばならない国民的課題である。教育課程とその編成にかかわる研究は,現代の教育研究のなかでも中心的部分を占めている。
新しい学習指導要領が公示された。各学校での新しい教育課程の編成・実施をひかえて,教育課程に対する教育界の関心は高まってきている。創意・工夫をこらした,特色ある教育課程づくりが求められている。この期に本書が企画・刊行された意義は大きい。
この用語集は,次のような特徴をもっている。
@教師を目指す人々,既に教師として教育実践に情熱を燃やしている人々をはじめ多くの教育関係者が,教育課程編成をめぐるさまざまな理論的研究及び実践的研究を進めていく際の一助たらんことを願って企画・刊行されたものである。
A教育課程の編成と実施にかかわる約300の重要事項を選び,その実践的,理論的意義や定義,その歴史的背景,課題などを基礎的・基本的部分を押さえて解説している。
B執筆の労をとられた方々は,教育方法学なかでも教育課程・カリキュラム研究の領域で目下活躍中の若い教育学者,教育実践者である。
本書は,教育実践や教育研究にかかわる多くの方々にご利用いただけることを期待しつつ,一層よいものにしていくために,読者からの忌憚のないご批判,ご批正を寄せられるようお願いしたい。
執筆の労をとられた50名の方々に厚く御礼申しあげるとともに,本書の刊行をご支援下さった明治図書出版株式会社の江部満氏,樋口雅子氏に謝して御礼申し上げます。
1998.11.1 編者 /天野 正輝
「教育課程とは」「教育課程では」などという言葉が日常茶飯事に飛び交う中で、その言葉を正確に、詳細に学ばなければならないと思いいろいろな本を探してみました。
どれもある意味マニアックに、ある意味専門的過ぎてまだまだ未熟な者の自分には手が届かないものが多かったのですが、この本は誰でも気軽に、そして基本的なものを学べる本だと思い購入しました。
教職教養として身につけておくべき事柄も入っていますが、改めて「教育課程とは」を学ぶにはよい1冊だと思います。そして、この本にある事柄を理解した上で教育課程をさらに深めていけます。特に教職経験の浅い人には教育課程を学ぶためのすすめの本となると思います。