- はじめに
- 第1章 いじめ・不登校はコーチングで解決できる!
- 1 いじめや不登校はなくなるのか?
- 2 競争原理をやめる
- 3 コーチングとは
- 4 基本のABC
- 5 保護者のイライラ
- 6 学級崩壊を起こす子ども
- 第2章 いじめ・不登校を生まないコーチングスキル
- 1 自己イメージを高める
- 2 間違った自己イメージが怖い
- 3 苦手という思い込み
- ◆コラム「ノミのサーカス」
- 4 競争と自己イメージ
- 5 話を聴いてもらう効果
- 6 レッテルを貼らない
- 7 感情を聴く
- 8 ノンバーバルコミュニケーション
- 9 アドバイスする
- 10 自分を好きになる
- 11 質問のタイプ分け
- 12 「わからない」は当たり前
- 13 質問の力
- 14 Yes and
- 15 あこがれる人を真似る
- 16 サンドイッチで伝える
- 17 日ごろから感謝の言葉を口に出す
- 18 感動させる
- 19 MustからWantへ
- 20 子どもを主人公にする
- 21 自尊心を高く持つ
- 22 自分のやりたいことを見つける方法
- 23 承認する
- 24 「承認する」とはやる気を促すこと
- 25 叱るポイント・叱らないポイント
- 26 失敗を乗り越える
- 27 思い込みをリフレーミングする
- ◆コラム「潜在意識が3日坊主をつくる」
- 28 生活習慣の確立
- 29 点の幸せでなく、線の幸せを感じる
- 30 保護者を責めない
- 31 目標を確認する
- 32 Win−Winで生きる
- 33 相手のWinが、自分のWin
- 34 本当の競争をする
- ◆コラム「所属欲求と行動の変化」
- 第3章 授業で生きるコーチング
- 1 セルフコーチング
- 2 自分の気持ちに気づき、表現する
- 3 気持ち円グラフと感情表現リスト
- 4 自分を知る
- 5 ほめほめシート
- 6 「役割」を持てば、子どもは輝く
- 7 協力を生む学級会
- 8 言いにくいことも伝える
- 9 言いにくいことを伝える6つのステップ
- おわりに
はじめに
私はこれまで、25年間、中学生の指導をしてきました。学級担任、数学教師、部活動顧問など、いろいろな顔で子どもたちに接してきました。毎年新しい子どもたちと出会います。今までにのべ1万人以上の子どもたちと何らかの関わりを持ってきました。子どもたちそれぞれに、ほぼ2人の保護者がいるわけですから、そのような人も加えれば、何倍の人たちと「教育」という枠の中で、関係を持ってきたわけです。そのたびごとに驚かされることがあります。それは、一人として同じ人がいなかったことです。
日増しに成長していく子どもを目の前にして、励ましの言葉をかけていくのは、それは楽しいことでした。父母と真剣になって、「あの子の意欲をどう掘り起こしていったらよいか」と考え、ちょっとした声かけやアドバイスでやる気を出したり、元気な姿で物事に取り組むようになった時は、本当にうれしいものでした。その時には、「教師の仕事って、本当にいいなあ。こんなにウキウキして、楽しませてもらって。その上、給料までもらえるものなぁ」と思ったものです。
しかし、逆もあります。長い教師生活の中では、本当に苦しんだこともありました。「なりたくてなった先生だけど、自分には向かない仕事なのかなあ。もう、次の3月には退職しよう」と、何度も考え込んでしまうようなこともありました。「なんでこうなっちゃうのだろう?」「私は教師に向いていないな」と空回りの連続でした。「どうして想いが伝わらないの?」「子どもが無気力に思えてくる」何度も何度も自分が嫌になることがありました。
例えば、いじめです。子どもを注意すれば注意するほど陰湿になったり、エスカレートしたりしました。不登校も同じです。毎日家庭訪問をしても変わらない子どもたちに疲れ果ててきました。日によっては、部屋に閉じこもって鍵をかけてしまうこともありました。
今、その時の状況を思い出してみると、自分が何とかしないといけないとおごり高ぶっていたような気がします。言い換えると、子どもの立場に寄り添っていなく、教師サイドの考えで、子どもを変えようとしていたものでした。
現状から脱出するために、あらゆる自己啓発書を読みまくりました。読んで読んで読んで……といった感じです。しかし、いつしか「どの本を読んでもあまり変わらないなあ」「共通点がある」と思えてきました。
その共通点は、「言葉」でした。そして「コミュニケーション」であることを知りました。
また、その解決をもたらさせてくれるのが「コーチング」でした。
本書は、いじめや不登校を生まないために、教室にコーチングをどのように取り入れるかを書いた活用本です。本書を活用することで、子どもたちが少しでも幸せになってくれることを望んでいます。
平成19年6月吉日 /神谷 和宏
様々な書籍をよみましたが、この書籍が一番しっくりきました。
お互いのコミュニケーションのとり方しだいで、問題は解決方向になるのではないかと、また奮起しました。
ありがとうございました。