- はじめに
- 第1章 「アシスティブ・テクノロジー・小ネタ集」とは
- 第2章 「ちょいテク」支援グッズ・アラカルト
- ◆「100均(100円ショップ)」は教材の宝庫!
- (1)100円ショップ&ホームセンターで購入可能なアシスティブ・テクノロジー・デバイス
- (2)100円竹トングがゴロ卓球のラケットに変身!
- (3)100円グッズで作るスケジュールボード
- (4)カゴを使って,手軽に「ワークシステム」
- 「これからすること」「できた」がわかりやすい教材の用意
- コラム 子ども理解の方法にK−ABCはいかが?
- ◆教材提示にプレゼンテーションソフトはいかが?
- (5)全校集会にプレゼンテーションはいかが?
- (6)PowerPointとプロジェクタでお化け屋敷
- (7)みんなで使うPowerPoint活用のアイディア
- どこに映す?テレビ紙芝居ってなに?
- (8)プレゼンde調理!
- (9)タッチセンサーつきボードを用いた英語の授業
- さわって,きいて,はなしてみよう
- コラム ネット上の「巨匠たち」
- ◆道具をちょっと工夫して学習や生活を支援!
- (10)パソコンは自作のオプションをつけて
- (11)漢字を書いてみよう
- (12)ちょっとした工夫で楽しく工作
- (13)脳性まひ児のパソコン快適環境づくり
- (14)これは使える!らくらくスイッチ情報
- (15)ホームセンターでも意外とおもちゃが手に入る
- (16)指先で太鼓を叩く,トーンチャイムを鳴らす
- (17)ビールサーバでかき氷
- (18)コード1本で脳性まひ児のパソコン入力が向上する
- コラム ともだちいっぱい!ネットワークの教室
- ◆ニーズに応じて教材製作!
- (19)ペーパーカップダンク
- (20)芯紙でクーゲルバーン
- (21)1対1対応・量対量対応 モンスターをゲットせよ!!
- (22)10までの数の合成 機関車で合(ゴー)
- (23)目指せ,ストライク!!
- (24)プラボールのバズーカ
- (25)シュレッダーにかけた紙を使って紙粘土づくり
- コラム メールを使うことで,会話が広がったA君
- ◆パソコン教材を活用しよう!
- (26)webと自立活動 くるくるクリック!
- (27)今すぐ使えるインターネット上のことば・かず教材
- (28)オンライン学習ソフト「KanzaSoft」の製作と授業実践
- (29)インタラクティブ絵本の製作
- 一人でも見れる紙芝居
- (30)重度の子どもたちへの学習支援のKeywordは,Virtual Reality
- コラム チャレンジキッズ 様々な出会いと交流と協働学習
- ◆VOCA・タイムエイド・コミュニケーションカードを活用しよう!
- (31)わかるように伝えよう! シンボル・VOCAの活用
- (32)話そう,Go!Go! こんな,あんなVOCAを使って
- (33)タイムエイドを自分のものに
- (34)ゆるやかに使うタイムエイド
- (35)PDAの教育的利用 触って音が出て,アニメが動いて楽しく学習!
- (36)名刺作成ソフトでコミュニケーションカードづくり
はじめに
本書は特殊教育現場のよい実践を「アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)」という観点からまとめたものです。
「アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)」って何でしょう? なにやら難しそうな言葉ですが,実はそんなに難しいものではありません。
世の中にある様々な機器を障害のある子どもの支援に使おうというものです。機器といっても,コンピュータみたいなたいそうな機器だけをさすのではありません。歯磨きが上手にできない子どもには電動歯ブラシを使うと上手に磨けるかもしれません。ナイフで鉛筆が上手に削れない子どもには鉛筆削り機を使うといいかもしれません。ほうきが上手に使えない子どもは電気掃除機を使えば隅々のほこりをそうじできるかもしれません。火を使うのが危ない子どもは電磁調理器を使えばいいかもしれません。「あれっ,これって一般の大人や子どもも使ってるじゃないの」と思われたかもしれませんね。そうです。世の中にある様々な道具(デバイス)は全ての人の生活や学習を支援してくれるものなのです。その中で,特に障害のある人の学習や生活を支援するものを「アシスティブ・テクノロジー・デバイス」と呼んでいるのです。だから,身近な道具もおもちゃも,その目的で使えば「アシスティブ・テクノロジー・デバイス」に含まれると考えていいでしょう。
本書は「アシスティブ・テクノロジー」に「ちょいテク・小ネタ集」という語を加えました。「ちょいと使えるテクノロジー(ちょいテク)」「簡単でちょっと笑えるアイディア(小ネタ)」という観点から編集してみました。
もちろん,コンピュータを使った手間のかかる「正統派」の教材製作・実践も掲載していますが,使う人は難しいことは考えなくても大丈夫です。インターネットを通じて,よい教材を容易に入手することができます。
第1章では「アシスティブ・テクノロジー」についてやさしく解説しました。もちろん,あんまり難しいことは考えないで,「子どもにいいもの」をめざしていけばいいと思います。「ちょいテク・小ネタの背景にはこんな理屈があるのだな」と心のどこかにとどめておいていただけたら充分です。
第2章は全国の様々な実践を紹介しています。いい実践はどんどん応用していただけたら幸いです。そして,そのアイディアの元となった実践者に「こうした方がうまくいったよ」と報告していただけたら幸いです。「いい実践」はいっしょに育てていくものだと思います。
/大杉 成喜(独立行政法人国立特殊教育総合研究所)
先生は当時から、私たち児童がゲーム感覚で学習できるようなグッズを、よく教室に持って来られたのを覚えています。
その先生がまとめられた本ということで読ませていただきました。
この本の中には子ども達が楽しみながら学ぶ為の様々なアイディアと工夫が満載で、学校の先生方へ是非おすすめの一冊です。
結構通っていたはずなのに思いつかなかったアイデアが満載されている1冊。
以前に何かの研究会で編著者の大杉先生をお見かけしたことがある。
子どもの興味を引く仕掛けつきエプロンを自ら着用され、熱心に支援グッズを紹介されていた。
そんなグッズ大好きな方がまとめられたから「いいね、コレ」となるのだろう。
わたしは次の指導を考えるときにパラパラめくって小ネタをいただいている。