- はじめに ―本書の活用にあたって―
- T これからの社会科で育てる学習力とは
- 1 4年の社会科における問題解決能力
- 2 社会科で育てる学習力
- U 小単元ごとに例示する「調べ考え表現する」ワークシート
- (1) 小単元「火事から人々を守る」
- @ 「副読本の活用」シート
- A 「フィールドワーク(現地調査)」シート
- B 「デジタルカメラの活用」シート
- C 「ノートのとり方」シート
- D 「わかったことの伝え方」シート
- (2) 小単元「事故や犯罪から人々を守る」
- @ 「教科書の活用」シート
- A 「平面地図の読み方」シート
- B 「インタビュー(聞きとり調査)」シート
- C 「統計資料の読み方」シート
- D 「自分の考えの伝え方」シート
- (3) 小単元「ごみの処理と活用」
- @ 「グラフの読みとり」シート
- A 「フィールドワーク」シート
- B 「インタビュー(聞きとり調査)」シート
- C 「教育番組放送の活用」シート
- D 「考えのまとめ方」シート
- (4) 小単元「水はどこから」
- @ 「パンフレットや説明書の活用」シート
- A 「校内の資料センター(学習情報室)の利用」シート
- B 「絵やイラストの見方」シート
- C 「図表へのまとめ方」シート
- D 「絵地図へのまとめ方」シート
- (5) 小単元「地域の発展に尽くした先人」
- @ 「年表の読み方」シート
- A 「公立図書館の利用」シート
- B 「文書資料の読み方」シート
- C 「体験や見学などの感想の書き方」シート
- D 「新聞へのまとめ方」シート
- (6) 小単元「わたしたちの県と日本」
- @ 「地図帳の活用」シート
- A 「鳥かん図の読み方」シート
- B 「地理事典活用の仕方」シート
- C 「VTRやDVDの活用」シート
- D 「パンフレットへのまとめ方」シート
- (7) 小単元「県の様子」
- @ 「立体地図の読み方」シート
- A 「新聞記事の活用」シート
- B 「電子黒板の活用」シート
- C 「OHPの活用」シート
- D 「イラストを入れるまとめ方」シート
- (8) 小単元「伝統や文化を生かすまち」
- @ 「博物館(資料館)の利用」シート
- A 「写真資料の見方」シート
- B 「年表への整理」シート
- C 「自分の考えを表現する文の書き方」シート
- D 「グループでの話し合い」シート
- (9) 小単元「自然環境を生かすまち」
- @ 「学校図書館の利用」シート
- A 「インターネットの活用」シート
- B 「年表への整理」シート
- C 「レポートへのまとめ方」シート
- D 「対立討論(ディベート)」シート
- (10) 小単元「地場産業の盛んなまち」
- @ 「市役所の利用」シート
- A 「ゲストティーチャーの話の聞き方」シート
- B 「道具の見方」シート
- C 「フリーディスカッション」シート
- D 「実物投影機(OHC)の活用」シート
- (11) 小単元「他地域や世界とつながるわたしたちの県」
- @ 「インターネットの活用」シート
- A 「地球儀の活用」シート
- B 「関係図へのまとめ方」シート
- C 「調べたことを報告する文の書き方」シート
- D 「発表会での発表の仕方」シート
- V 社会科の学習力を鍛える学び方の手引き
- (1) 『問題解決』の学び方ワークシート―小単元「地域の発展に尽くした先人の業績〜上水の開発〜」―
- @ 「問題発見の仕方」シート
- A 「予想の立て方」シート
- B 「学習計画の作成の仕方」シート
- C 「自力解決の仕方」シート
- D 「問題のまとめ方」シート
- E 「振り返り方」シート
- (2) 『思考力・判断力』に必要な学び方の手引き
- @ 「比較する考え方」の手引き
- A 「分類する考え方」の手引き
- B 「関係づける考え方」の手引き
- C 「抽象化する考え方」の手引き
- D 「具体化する考え方」の手引き
- E 「自分の考えのもち方」の手引き
はじめに
―本書の活用にあたって―
1 調べる力,考える力,表現する力を育てる
新学習指導要領社会科では,社会科の授業を通して子どもたちに育てる能力について,「考えたことを表現する力」が加えられました。また,そのほかにも以下の改善策が示されています。
(1)第5学年と第6学年の能力目標に「地球儀」の活用が示された。
(2)解説において,観察,調査や資料活用の学年ごとの具体例が示された。
(3)解説において,各学年の能力目標の実現には「学習問題に即して」調べることができるようにする必要があることが記述された。
こうした改善策を通して,「調べる力(観察,調査する力,資料を効果的に活用する力)」「(社会的事象の特色や意味などを)考える力」に加えて「調べたことや考えたことを表現する力」を育てる社会科の授業を目指しています。
このことを実現していくには,教師が教材研究や発問,指示,学習問題づくりなどの力量を磨いていくことが必要不可欠です。しかし,もう一方で忘れてはならないことがあります。それは,子どもたちに自力で問題解決する力を育てていくことです。なぜなら,授業は教師が子どもとともにつくるものだからです。教師がどんなに発問や教材を工夫しても,子どもたちに自分で資料を集めて調べる力,問題に即して考える力,根拠などを示してわかりやすく表現する力などが育っていないと,授業はなかなかうまくいかないものです。すなわち「調べる力」「考える力」「表現する力」は,どれも子どもが問題解決の学習活動を通して身につける能力であり,それを意図的に育てていくことが教師の大切な指導力になります。
本書では,子どもたちの自力で問題解決する力を社会科の「学習力」と規定して,その内容を「社会的な思考力・判断力」「言語などによる表現力」「観察・資料活用の技能」の3つに分けて解説しています。いずれも新学習指導要領において大切な能力とされているものです。そして,こうした能力をワークシートの活用を通して子どもに身につけさせ高めていくことをねらっています。ワークシートを活用することで,子どもたちは,学習経験を積み,調べ方や考え方,表現の仕方などを自然と身につけ,自分の力でさらに応用したり発展させたりしていくことができるようになるからです。
これからの社会科の授業は,これまで以上に「教えること」とともに「育てること」を意識して進めていくことが大切です。本書の活用を通して,教師自身が子どもたちに育てるべき能力を意識するようになり,「育てる」ための指導力を高めていくことも大いに期待しています。
2 本書の使い方
本書は,学年ごとに編集されており,各学年の段階を踏まえた内容でまとめられています。また,「子どもの学習力」と「教師の指導力」をともに育てていく趣旨から,以下の2つの役割でページ構成されています。
(1)子ども用ワークシート型ページ【第U章と第V章(1)】
小単元ごとにワークシートを用意したページで,教師がそれらを参考にして同様のワークシートを作成したり,直接コピーしたりして子どもたちに配り,子どもたちが実際にワークシートを使って授業を進めながら,徐々に問題解決能力や情報・資料活用能力,言語などによる表現力を身につけ高めていく役割のページです。そのワークシートの活用ポイントを教師にもガイドしています。実際に子どもに使わせることで教師としての指導力も高まります。また,小単元を例にして構成していますが,「学習力」を身につけることを意図して作成していますので,その小単元だけでなく,他の小単元や学習場面にあてはめても活用できるようにヒントが書かれています。
(2)教師用手引き型ページ【第V章(2)】
教師に向けた手引きの形で,「思考力・判断力」の育て方をガイドしています。ここでは,小単元の展開例は示さず,いろいろな学習場面にあてはめて参考にできるようにしています。ワークシートや子どもの反応例なども入れ,実際の授業を思い起こしながら読み,自分の授業に生かせる内容になっています。思考力や判断力を高めるための指導は多くの先生方が課題として受け止めています。しかし,それらは教師が意図的・計画的に高めていかなければならないものです。このことをあらためて意識するための内容になっています。
本書の各巻が,各学校での社会科の授業において活用され,子どもたちに社会科で目指す問題解決能力,調べる力,考える力,表現する力が育つこと,また本書を活用することで教師が社会科の指導力を高めて,社会科の授業がより一層充実することを願っています。
終わりになりましたが,本書の出版に当たっては,明治図書出版の樋口雅子編集長をはじめとする編集部の皆様のご助言,ご支援を賜りました。こうした機会をいただいたことに対して,併せてこの場をお借りしてお礼申しあげます。
編者 /北 俊夫・澤井 陽介
-
- 明治図書
- テーマごとに、展開がわかりやすく書かれており、単元構想を考えるのに参考になった。2017/4/22久しぶりに中学年をもつ30台
- ワークシートの掲載もあり、参考になりました2017/4/22ikachan