- まえがき
- 本書の使い方
- T 「文字」に関する小話
- 1 平がなの歴史
- 2 片かなの由来・使い方
- 3 ローマ字の歴史
- 4 世界の文字
- U 「漢字」に関する小話
- 5 熟字訓
- 6 漢字はいくつある?
- 7 漢字のでき方@
- 8 漢字のでき方A
- 9 漢字のでき方B
- 10 どの部首が一番多い?
- 11 魚偏の漢字はいくつある?
- 12 鳥(動物)の漢字
- 13 動物の漢字図鑑
- 14 植物の漢字図鑑
- V 「外来語」に関する小話
- 15 外国地名の漢字表現
- 16 外来語の母国
- 17 外国語の翻訳
- W 「言葉」に関する小話
- 18 意外と知らない言葉の正しい使い方
- 19 あっと驚く,この言葉の語源@
- 20 あっと驚く,この言葉の語源A
- 21 あっと驚く,この言葉の語源B
- 22 漢語と和語
- 23 猫にかかわる言葉
- 24 犬にかかわる言葉
- 25 馬にかかわる言葉
- 26 助詞の使い方
- 27 「〜い」と「〜しい」の形容詞
- 28 「色」の形容詞
- X 「言葉の使い方」に関する小話
- 29 説明文の「例」はなぜ3つ?
- 30 おかしな重複表現
- 31 「体」に関する慣用句
- 32 数字の入った言葉・四字熟語
- 33 手紙の書き出しと結び
- 34 言葉の誤用「全然大丈夫!」
- Y 「ことわざ・故事成句」に関する小話
- 35 「猫」とことわざ
- 36 「石」とことわざ
- 37 似た意味のことわざ
- 38 反対の意味のことわざ
- 39 外国と日本のことわざ
- 40 故事成句@
- 41 故事成句A
- 42 歴史上の人物が遺した名言
- Z 「敬語」に関する小話
- 43 使えば使うほど嫌な感じのする敬語
- 44 敬語なんかこわくない
- [ 「国語辞典」に関する小話
- 45 国語辞典に出てくる語の数
- 46 国語辞典を選ぶときは?
- \ 「和歌・短歌・俳句」に関する小話
- 47 万葉集の秘密
- 48 芭蕉・一茶
- 49 外国の俳句
- ] 「著名作家」に関する小話
- 50 詩人・茨木のり子
- 51 夏目漱石と明治
- 52 新美南吉に関する小話
- 53 宮沢賢治に関する小話
- 54 石川啄木に関する小話
- 55 椋鳩十と動物文学
まえがき
子どもたちに「好きな教科はどれ?」とたずねれば,国語と答える子はとっても少ない.どちらかと言えば,嫌いな方にたくさん手が挙がる.国語の授業は,面白くない,楽しくない.それが昔からの決まり文句…….
そんなことはない.言葉の世界は実に広くて,深くて,不思議で,面白い.
例えば,漢字.小学校6年間で学習する漢字は,全部で1006字あります.そう聞いただけで,もうウンザリしてしまう.けれど,漢字の総数が20万を超えると知ったら,ある漢字辞典には5万語の漢字が載っていると知ったら,小学校で習う1006字が,なんて少ないんだろうと思えるかも.
漢字の部首も,とっても興味深い.「一番多い部首の漢字は?」そう聞かれたら,みんな必死に考えます.答えは「くさかんむり」で2063字もある.次は「さんずい」,3番目が「きへん」.このように部首の数を調べてみると,自然とかかわる漢字が多いことがわかります.
熟語の世界も実に面白い.「今日のテストは『かんぺき』だった」はどんな漢字を使うか.「完・壁」ではなくて,「完・璧」が正解.では,どうして,「璧」なのか.それは,「璧を完うする」という中国の故事に由来しているのです.
もし,このような漢字にかかわるさまざまな情報を子どもたちが知ったら,きっと,漢字に対する興味もわくでしょう.新しい漢字を獲得する意欲をもつでしょう.
言葉の世界は実に広くて,深くて,不思議で,面白い.
そう,子どもたちに伝えたい.だから,国語の授業は本当は楽しいよって.
そんな思いから,本書を編集しました.多くの参考文献・資料をもとに,子どもたちの興味をひくため「小話」の内容構成を工夫してみました.本書に収めた55編の小話は,16人の国語現場教師の懸命な創意に満ちたものばかりです.
楽しく言葉を学ぶ国語教室の創造に,お役に立てればとても幸いです.
最後になりましたが,出版にご尽力いただいた樋口雅子編集長に厚くお礼を申し上げます.ありがとうございました.
/二瓶 弘行
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