海外名著選105
幾何学入門(第2版)

海外名著選105幾何学入門(第2版)

カナダのトロント大学の数学教授であるコクセターの世界的名著の翻訳。幾何学というものにたいする理解と関心をこれほど高める著は他にない。


紙版価格: 7,049円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-504829-7
ジャンル:
算数・数学
刊行:
5刷
対象:
中・他
仕様:
A5判 512頁
状態:
絶版
出荷:
予定なし

もくじ

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T部
1.三角形
1.1 ユークリッド
1.2 原始的概念と公理
1.3 ロバの橋
1.4 中線と重心
1.5 内接円と外接円
1.6 オイラー線と垂心
1.7 九点円
1.8 2つの最大最小問題
1.9 モーレイの定理
2.正多角形
2.1 円周等分
2.2 角の3等分
2.3 等長変換
2.4 シンメトリー
2.5 群
2.6 2つの鏡映の積
2.7 万華鏡
2.8 星形多角形
3.ユークリッド平面の等長変換
3.1 正格等長変換と変格等長変換
3.2 併進
3.3 併進鏡映
3.4 鏡映と半回転
3.5 等長変換についてのまとめ
3.6 ヒェルムスレフの定理
3.7 帯状模様
4.2次元結晶学
4.1 格子とその基本領域
4.2 一般格子の対称変換群
4.3 エッシャーの芸術
4.4 煉瓦壁の6つのパターン
4.5 結晶学的制約
4.6 正則なタイル張り
4.7 共線点に関するシルヴェスターの問題
5.ユークリッド平面上の相似変換
5.1 ホモセティ
5.2 相似の中心
5.3 九点円の中心
5.4 回転拡大と拡大鏡映
5.5 正格相似変換
5.6 変格相似変換
6.円と球
6.1 円に関する反転
6.2 直交円
6.3 直線および円の反転
6.4 反転平面
6.5 共軸円
6.6 アポロニウスの円
6.7 円円変換
6.8 球に関する反転
6.9 楕円的平面
7.ユークリッド空間の等長変換と相似変換
7.1 正格等長変換と変格等長変換
7.2 点対称変換
7.3 回転と併進
7.4 3つの鏡映の積
7.5 回転併進
7.6 回転拡大
7.7 球球変換
U部
8.座標
8.1 デカルト座標
8.2 極座標
8.3 円
8.4 円錐曲線
8.5 接線・弧長・面積
8.6 双曲線関数
8.7 対数螺線
8.8 3次元の場合
9.複素数
9.1 有理数
9.2 実数
9.3 複素数の幾何学的表示
9.4 絶対値と偏角
9.5 公式 e^(πi)+1=0
9.6 方程式の根
9.7 共形変換
10.5つの正多面体
10.1 角錐,角柱,疑角柱
10.2 見取り図と模型
10.3 オイラーの公式
10.4 半径と二面角
10.5 双対多面体
11.黄金分割と葉序
11.1 黄金比
11.2 神聖な比例
11.3 黄金螺線
11.4 フィボナッチ数
11.5 葉序
V部
12.順序の幾何学
12.1 ユークリッドから抽出された2つの幾何学
12.2 順序
12.3 共線点に関するシルヴェスターの問題
12.4 平面の領域への分割
12.5 連続性
12.6 平行性
13.アフィン幾何学
13.1 平行線公理と《デザルグ》の公理
13.2 ホモセティ
13.3 アフィン座標
13.4 面積
13.5 2次元格子
13.6 ベクトルと重心
13.7 重心座標
13.8 アフィン空間
13.9 3次元格子
14.射影幾何学
14.1 一般射影平面の公理
14.2 射影座標
14.3 デザルグの定理
14.4 完全6点列と調和点列
14.5 配景的と射影的
14.6 共線変換と相反変換
14.7 円錐曲線
14.8 射影空間
14.9 ユークリッド空間
15.絶対幾何学
15.1 合同
15.2 平行性
15.3 等長変換
15.4 有限回転群
15.5 等長変換の有限群
15.6 幾何学的結晶学
15.7 多面体万華鏡
15.8 反転から生成される離散群
16.双曲的幾何学
16.1 平行線に関するユークリッドの公理と双曲的公理
16.2 無矛盾性の問題
16.3 平行角
16.4 三角形の有限性
16.5 面積と角不足
16.6 円,界線,等距離線
16.7 ポアンカレの《半平面》モデル
16.8 界面とユークリッド平面
W部
17.曲線の微分幾何学
17.1 ユークリッド空間のベクトル
17.2 ベクトル関数とその導関数
17.3 曲率,縮閉線,伸開線
17.4 カテナリー(懸垂線)
17.5 トラクトリックス(追跡線)
17.6 空間曲線
17.7 円状つるまき線
17.8 一般つるまき線
17.9 貝殼つるまき線
18.テンソル記法
18.1 双対基底
18.2 基本テンソル
18.3 双対格子
18.4 球面の臨界格子
18.5 一般座標
18.6 交代記号
19.曲面の微分幾何学
19.1 曲面上の2つの媒介変数
19.2 曲面上での方向
19.3 法曲率
19.4 主曲率
19.5 主方向と曲率線
19.6 せい点
19.7 デュパンの定理とリューヴィルの定理
19.8 デュパンの標形
20.測地線
20.1 大定理
20.2 測地線の微分方程式
20.3 測地的三角形の総曲率
20.4 オイラー・ポアンカレの標数
20.5 定曲率曲面
20.6 平行角
20.7 疑球面
21.曲面のトポロジー
21.1 可符号曲面
21.2 不可符号曲面
21.3 正則地図
21.4 4色問題
21.5 6色定理
21.6 任意の曲面を塗るに十分の色数
21.7 4色をすべて必要とする曲面
22.4次元の幾何学
22.1 もっとも単純な4次元図形
22.2 {p,q,r}が存在するための必要条件
22.3 正則胞体の作図
22.4 等球のパッキング
22.5 統計的蜂の巣
参考文献
問題の解答
さくいん
写真
1.群pg(2つの平行な併進鏡映で生成される群)
2.群cm(1つの鏡映と,これに平行する1つの併進鏡映で生成される群)
3.正則120胞体{5,3,3}の線的模型
4.ユークリッド平面上の最密円パッキング

再版に際しての覚え書

 本書の原書の初版は1961年,本訳書のそれは1965年であったが,そのいずれの時点においても,各節末にあった問題の解答は別売であったために,訳書に盛り込むことはできなかった.原著初版の巻末には略解,というよりもほんの断片的ヒントが載っているのみで,訳書には,それしか収録できなかった.

 訳書刊行のときから,完全な問題解答を要望する声が多かったのであるが,別売という事情のため,すぐに応ずるということもむずかしかった.

 ところが1969年原著の改訂版が出た際に,本文の若干の修正とともに,別売であった解答が巻末に収録された.

 本文の改訂は,(1)§1.5のソディの理論をデカルトの結果を考慮してふくらませ,(2)§5.5〜5.6の相似の取扱いを新しくし,(3)§7.6の空間での相似を連続性なしに再編成し,(4)§13.4の等積アフィン変換の説明をくわしくし,(5)§14.2の最後に,有限幾何の発見についての脚注を追加した程度のもので,比較的軽微であったので,訳書の改訂に際しては,要望の多かった問題解答を収録することに主眼を注いだ.

 そうはいっても,原著改訂版の解答も本当に完全なものとはいえず,もともと解答のないもの,および改訂に際して除かれた問題(§1.5の6,9,§5.5の2,§6.3の4,§8.7の2,§12.6の2,§13.3の全部,§13.4のほとんど全部)もあるので,それらについては,訳者の責任において補充したり,改変したりした.したがって,それらの当否の責任は訳者にあることをお断りしておく.

 正しく解答できたものと確信はしているが,思いがけない見落とし,感違いはありうるので,読者の追試とご教示を斯待する次第である.


  1982年3月   訳 者

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