- はじめに
- 序章 数学的活動を楽しむ心を育てる
- 第1部 課題学習・選択数学の課題集
- §1 創る数学を味わう学習課題
- 1 分数と小数を橋渡しする学習課題(中1〜中3)
- 2 実空間と数学を橋渡しする学習課題(中1,中2)
- 3 無限小数と有限操作を橋渡しする学習課題(中3)
- 4 平面と空間を橋渡しする学習課題(中3)
- §2 人の営みを味わう学習課題
- 1 古代エジプトの数学に挑戦しよう(中1〜中3)
- 2 計算する機械の仕組みを探求しよう(中1,中2)
- 3 透視図のしくみを解明しよう(中2,中3)
- 4 角の三等分に挑戦しよう(中2,中3)
- 5 古代インドの数学を追体験しよう(中3)
- 6 アポロニウスの作図題に挑戦しよう(中3)
- 7 和算の円理の問題とパッポスの円環問題に挑戦しよう(中3)
- 第2部 選択・総合の指導計画と評価
- §1 数学フェスティバルによる数学文化の創造
- 1 あきた算数・数学フェスティバルによる文化創造
- 2 数学フェスティバルへ向けての選択学習の指導
- §2 ポートフォリオによる選択数学・総合学習の学習と評価
- 1 ポートフォリオによる学習と評価のねらい
- 2 ポートフォリオによる学習と評価の方法
- 3 ポートフォリオの課題例とその評価
はじめに
週5日制に対応した平成10年12月改訂学習指導要領では,数学科において数学的活動を楽しむ心を育てること,課題学習を全学年で実施すること,選択数学を1年次より設けてよいこと,各学年において問題解決力・自己学習力育成を視野にした総合的な学習の時間を設けるべきことが盛り込まれた。さらに文部科学省は,平成13年3月,学習指導要領が最低基準であることを確認し,先生方が高い教育目標を定めることへの強い期待感を表した。他方,それぞれの学校では,学力の極端な二極分化傾向の中での評価規準・指導要録開示や学校選択制に対応する特色ある学校づくりという諸課題に対して,生徒が選択したくなる,そして選択する価値ある教育内容の工夫が求められることとなった。
これら今日的課題に応える教材書として本書は企画された。序章では,数学的活動を楽しむ心を育てる手がかりを述べた。課題学習・選択数学の課題例を提案する第1部では,課題を発展的に探究することを楽しむ活動事例を第1章で示し,歴史原典を手がかりに数学者の営みに共感し,数学を歴史・文化として楽しむ事例を第2章で示した。選択数学・総合学習の指導と評価を提案する第2部では,第1章において,数学フェスティバル参加へ向けての数学創造体験,レポート学習を示し,第2章において,ポートフォリオ評価による選択数学,総合学習などの評価法の潮流を示した。本書が提供するオリジナルな課題が,数学する心を育てる先生方の授業づくりを支援できれば,たいへん幸いである。
平成14年4月 /礒田 正美
-
- 明治図書