- はじめに
- T 志水式音声計算の理論
- 1 志水式音声計算練習法について
- 2 音声計算練習法の特徴
- 3 音声計算練習法を実施した子どもや教師の声
- 4 音声計算練習法と川島理論
- 5 音声計算練習法の中学校数学版について
- U 音声計算トレーニングの取り組み
- 1 音声計算練習法のよさ
- 2 音声計算練習法の特徴
- 3 音声計算練習法実施の準備
- 4 音声計算練習法の実施方法
- 5 音声計算練習法の注意事項
- 6 音声計算練習法の活用 応用例
- 7 音声計算練習法 実際の実施記録より考察
- 8 中学校3年の問題プリントを使う上での補足事項
- V 音声計算トレーニングプリント実物集
- 小学校復習
- 小学校の復習1
- 小学校の復習2
- 中学1年
- 1 正の数・負の数
- 2 正の数・負の数の加法,減法1
- 3 正の数・負の数の加法,減法2
- 4 正の数・負の数の乗法,除法1
- 5 正の数・負の数の乗法,除法2
- 6 文字の式の表し方
- 7 数量を表す式
- 8 式の値
- 9 文字式の計算 加法,減法
- 10 文字式の計算 乗法,除法
- 11 文字式の計算 総合
- 12 方程式 等式の性質1
- 13 方程式 等式の性質2
- 14 方程式 移項の練習
- 15 方程式 方程式を解く
- 16 いろいろな方程式の練習
- 17 座標を読む
- 18 比例の式とxの値に対応するyの値の表
- 19 比例のグラフの式
- 20 反比例の式とxの値に対応するyの値の表
- 21 反比例のグラフの式
- 22 yをxの式に表す
- 23 平面図形の基礎知識
- 24 円の周の長さと面積
- 25 おうぎ形の中心角と円に対する割合
- 26 いろいろな立体
- 27 立体の表面積と体積1
- 28 立体の表面積と体積2
- 中学2年
- 1 式の計算 式の加法,減法
- 2 式の計算 単項式の乗法,除法
- 3 文字式の利用
- 4 連立方程式 加減法1
- 5 連立方程式 加減法2
- 6 連立方程式 代入法
- 7 連立方程式 文章問題
- 8 一次関数の式と,xの値に対応するyの値の表
- 9 一次関数のグラフの式を読む1
- 10 一次関数のグラフの式を読む2
- 11 一次関数の応用1
- 12 一次関数の応用2
- 13 角と平行線・多角形の角
- 14 三角形の合同条件
- 15 三角形の合同1
- 16 証明で使われる根拠
- 17 三角形の合同2
- 18 証明
- 19 直角三角形の合同条件
- 20 平行四辺形になる条件
- 21 図形の学習の知識
- 22 円周角の定理
- 23 三角形の合同3
- 24 確率 場合の数
- 25 確率 確率の求め方
- 中学3年
- 1 式の乗法 単項式×多項式(分配法則)
- 2 式の乗法,除法の練習
- 3 展開 (x + a)(x + b) = x^2 + (a + b)x + ab
- 4 展開 平方の公式 (a ± b)^2 = a^2 ± 2ab + b^2
- 5 展開 輪と差の席 (a + b)(a − b) = a^2 − b^2
- 6 式の展開の練習 総合
- 7 因数分解 共通因数をとり出す Mx + My = M(x + y)
- 8 因数分解 x^2 + (a + b)x + ab = (x + a) (x + b)
- 9 因数分解 平方の公式 a^2 ± 2ab + b^2 = (a ± b)^2
- 10 因数分解 和と差の積 a^2 − b^2 = (a + b)(a − b)
- 11 式の因数分解の練習 総合
- 12 平方根 √aの形にする
- 13 平方根 √の中を簡単な数にする
- 14 平方根 基礎知識
- 15 平方根 根号を含む式の乗法,除法
- 16 平方根 根号を含む式の和と差
- 17 平方根 根号を含む式の展開
- 18 二次方程式 ax^2 = b ax^2 − b = 0
- 19 二次方程式 (x + m)^2 = k^2 (x + m)^2 = n
- 20 二次方程式と因数分解
- 21 二次方程式 総合練習
- 22 二次方程式 文章問題
- 23 関数 y = ax^2 の式と,xの値に対応する y の値の表
- 24 y = ax^2 のグラフの式
- 25 y = ax^2 の値の増減と変域
- 26 y = ax^2 の変化の割合
- 27 三角形の相似条件
- 28 相似条件と証明
- 29 平行線と線分の比
- 30 三平方の定理1
- 31 三平方の定理2
- 記録カード
- 保護者配布用プリント例
- おわりに
はじめに―1―
この本は,志水式音声計算練習法の中学校版です.音声計算は今から15年以上も前に思いつき小学校で実践していました.その後,豊田市立高嶺小学校がこの音声計算練習法に取り組み,教材開発をして,昨年(2005年)11月に『算数大好きっ子に育てる』を発刊するに至りました.この本はお陰様で好評で2か月もしないうちに再版となりました.
さて,昨年,長野県教育委員会からの指定で私の研究室に内地留学生として横田茂樹教諭が派遣されてきました.1年間私のもとで学びました.確か1学期のことです.出張に同行していた彼が,「音声計算を私も作っています」と言うのです.そこで,中学校数学の教材を見せてもらいました.これはなかなか面白いと思い,ぜひこの内地留学の間に中学校数学全学年の教材開発をすることを勧めました.
次に,明治図書の樋口雅子部長にこの教材を持ち込み,出版の許可をいただきました.それからが大変でした.なかなかできないのです.一つの教材を作るのにかなりの時間を費やすからです.時間のない中でほんとうに彼は頑張って作ってくれました.今年の1月に入ってからゼミで杉野裕子先生(愛知教育大学非常勤講師)にも検討していただき,中学校1年の娘さんに実際にやってもらいデータを取りました.結果はかなり伸びていました.また,教材の修正の指摘も受けました.ご協力ありがとうございました.
横田先生が半年以上粘り強く作業してようやく完成しました.本当にご苦労様でした.内地留学生だからこそできたことと思います.
毎日,1分間だけで計算力が伸びます.これによって中学校数学の計算処理が速くなることが期待されます.ぜひ試してみてください.
最後になりましたが,樋口部長にお礼申しあげます.
2006年7月 愛知教育大学 /志水 廣
生徒はみんな数学が「できるようになりたい」と願っています。そのためには繰り返し基礎的な問題を練習することは大切なことです。その時に,この繰り返しの練習をどうするか。一人でノートに練習問題を黙々と解かせるのか。それとも短時間で,答えを声に出して,2人ペアで協力しながら練習させるのか。様々な方法があると思います。
私は,実際に音声計算トレーニング法を実施しているクラスに見学に行ったことがあります。授業の最初に行っていましたが,生徒はとても集中して意欲的に取り組んでいました。また,声に出して答えているためか,生徒の学習に対するエネルギーの高さを感じました。また同時に,2人ペアで行うため,クラスの雰囲気がとても温かく感じられました。
このような学習の意欲を高めたり,支えあって学習を進めたりする面で,素晴らしさを感じます。
また,この音声計算トレーニング法の大きな特徴は,一人がたった1分間でおこなう練習法であるということです。1分間であれば,数学の苦手な生徒も集中して取り組めます。実際には,この1分間に60問の計算問題を解く生徒もいると聞きます。これは,単なる暗記の力であるとは考えられません。問題を読む速さ,目の動き,判断力など,いろいろな力が問題を解く力と同時に鍛えられているのだということを感じます。
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