- まえがき
- ひと いのち(小学校1・2年)
- 1 あそうぼうよ
- 2 こんなこと したよ
- 3 わたしらも よせて
- 4 こんにちは
- 5 じらいではなく 花をください
- 6 だんごむし
- 7 どうしたん
- 8 ひとりぼっちの ライオン
- 9 ばんごはんの したく
- 10 ぶん ぶん ぶん
- 11 とりあい じゃんけん
- 12 なにを しているの
- 13 大じしんのあった そのよるに
- 14 グループあそび
- 15 ぼくの おにいちゃん
- 16 ともだちに なるために
- 17 おばあちゃんが いるといいのにな
- 18 つづり方・おかあさんの おなか
- 19 おとうさん よんでね
- 20 おかあさんの しごと
- 21 手や ゆびで はなそう
- 22 ライオンが いなくなった どうぶつえん
- ひと ぬくもり(小学校3・4年)
- 1 ともだち
- 2 やさしい町・わたしの楽しみ
- 3 やさしい町・みんなの町
- 4 やさしい町・車いすのいろいろな動かし方
- 5 わたし・ともだち・おかあさん・おとうさん
- 6 公園
- 7 ともだちはたから物・わたしのともだち ゆめにむかって
- 8 ともだちはたから物・もやもや書き
- 9 ともだちはたから物・わかってくれるかな
- 10 ともだちはたから物・ビリーブ
- 11 ピカドン
- 12 はたらくってステキ・はたらく人たち
- 13 はたらくってステキ・いつもありがとう
- 14 はたらくってステキ・職人の技
- 15 父さん 僕の足も地雷に…
- 16 つづり方・電車の中のおじいちゃん
- 17 なぁなぁ、お母さん
- 18 じゅん子のなかま
- 19 介助犬ターシャ
- 20 心の答え合わせ
- 21 つづり方・とかげのくしざし
- 22 クレヨンは色のかたまり
- ひと つながり(小学校5・6年)
- 1 世界に一つだけの花
- 2 わたしのせいじゃない―せきにんについて―
- 3 わたしの町のいろんな国の人
- 4 コリアタウンへようこそ
- 5 みえないって どんなこと?
- 6 おじいちゃんの介護
- 7 ヒロシマには歳はないんよ
- 8 心の中の宝物
- 9 自然に、私のままで
- 10 一票の権利
- 11 物語・渋染一揆
- 12 ほんまに やさしい まごでっせ
- 13 約束の日―六年三組の阪神大震災―
- 14 あなたは わるくないよ―ひとりで なやまないで―
- 15 この子たちは?
- 16 セネガル発 地球人ネットワーク 地球を枕に夢を見よう
- 17 人がつながる町
- 18 夢を大切に
- 19 この星に生まれて
- ひと きぼう(中学生)
- 1 僕だってそこにある
- 2 ベルナのしっぽ
- 3 人間の絆
- 4 小さな手のひらに―私からできることを―
- 5 カンボジア旅日記
- 6 インターネットと人権
- 7 夕やけがうつくしい
- 8 自由の大地アイヌモシリに生きてきた人々
- 9 願いが込められた私の「名前」
- 10 ほんまの「自立」って何やろね?
- 11 始業式の朝
- 12 くらしの中の国際化
- 13 打ち明けてくれてありがとう
- 14 二人の「これから」
- 15 島人ぬ宝
- 16 神様がくれた贈り物
- 17 ぼくが出会ったおじさん
- 18 生きる者の記録―生命のバトンタッチ―
- 19 ゆきの選択
- 20 今まで出会ったすべての人にありがとう
- 21 部落史を歩く
- 22 Tomorrow
- 表紙の絵について
まえがき
人権教育読本『にんげん』新シリーズは、一九七〇年に初刊された『にんげん』の歴史を引き継ぎ、「二十一世紀を人権の世紀に」と要請されている今日的状況をふまえて、新たに編集・作成したものである。
『にんげん』が初刊された時期は、同和教育の発展期にさしかかっていた。それまでの同和教育が、ともすれば地域的に限られた学校での教育との認識から、普遍的教育の場での教育であるとの認識に大きく替わりつつあった。学校教育は言うまでもなく、社会教育において、就業前教育、啓発等における取り組みがはじまったのである。
それから今日まで、『にんげん』はその時代の動向を受けとめ何度かの改訂を重ねてきた。二十一世紀を目前にして、国連総会は「人権教育のための国連十年」を決議した。この決議を受けて、大阪府は「同・行動計画」や「人権教育推進プラン」等を作成している。これらのなかでは「同和問題、女性、障害者、子ども、外国人、HIV感染者等、犯罪被害者やその家族、野宿生活者、労働に関する問題、その他のさまざまな人権問題(IT関連の人権侵害、アイヌの人々、刑を終えて出所した人々、性的指向、古くからの慣習の問題等)」を具体的課題としてあげている。国は、人権教育・啓発推進法にもとづいて「人権教育・啓発に関する基本計画」を出している。これらで提示されている人権問題は、歴史的かつ多様なものであり、このなかから小・中学生の発達段階と家庭や地域の実態をふまえつつ、『にんげん』では学習可能な課題を教材化している。
さらに長年にわたる『にんげん』実践のなかで確かめてきた学習の系統性をふまえて教材を配置している。具体的には、
・九年間を通したものとしての「身のまわりの課題」
・主として小学校中学年からの「地域学習の課題」
・主として小学校高学年からの「歴史に学ぶ課題」
・主として中学生からの「社会生活と人権保障」
の四つの柱である。九年間にわたって、個々の課題の学習を積み重ねていくことで、人権問題に関する正しい認識が構造化され、内面化されることをめざしている。
また、人権問題をめぐる最近の状況、新しい研究の成果から学ぶことを心がけた。人権とは何か、平等とは何か、どのようなプロセスを経て現実化するのかについては、人びとのさまざまな営みがあり、研究がある。歴史的に見ると、人権は近代の概念であり、発展的な概念である。かつては必ずしも人権問題とは認知されなかったことであっても、今日では人権問題として認知されていることがある。同様のことは、将来に向かってもあり得ることである。
言われつづけてきたことであるが、『にんげん』を教えるのではなくて、『にんげん』で教えるということの意味を問い返しつつ、さらに人権教育の取り組みを広げ深めていくことを共同の営みとしたい。
二〇〇四年九月 にんげん編集委員会
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- 明治図書
- 小学生の頃、この副読本を使用していました。教育に携わる立場からもう一度読みたいと切に感じております2021/1/11
- 大阪府枚方市で小中学校を過ごしました。新学年になってはじめて目を通す教科書と共にいつも「にんげん」がありました。あのころと比べると、差別解消にむかっていることもあれば、より根深く強くなっている事象もあり、今もう一度学ばねばと感じます。復刊の節はどうぞよろしくお願いいたします。2019/8/16
- 『にんげん』は大阪府にある学校での人権教育において、現在でもなお有効な部分を持つテキストであり、今後の人権教育を展開する上でも、その長所短所共に参考にすることが可能なものであるから。2019/8/9
- 大人になってから読む必要を感じる本です。この版だけでなく、元の版(てるてるぼうずの話が載っている時代のもの)も復刊して欲しいです。2012/6/9