- はじめに
- 第1章 中2の指導方法Q&A
- Q1 中学2年生です。教科書の本文をどのように授業で扱いますか。
- Q2 教科書の会話文をどのように場面設定し,本文の導入に結びつけますか。アイデアを下さい。
- Q3 ピクチャーカードを見せながら,指導案に書いてあるような言葉を話していますが,子どもたちを引きつける,そして新出単語を学ぶ必要性を感じさせる提示の仕方ができていません。先生方はどんな工夫をしていらっしゃいますか?
- Q4 中学2年生の2学期です。50分の授業をどのように展開していますか。
- Q5 中学2年生です。昨年までの先生はあまりクラスルームイングリッシュを使わずに授業をしていました。どのようにしてオールイングリッシュの授業を進めていったらいいでしょうか。
- Q6 「できる子」と「できない子」の差がつきすぎて,早く終えた子が退屈になっておしゃべりをしてしまいます。おしゃべりをさせないためにはどうしたらよいでしょうか。
- Q7 中学2年生です。生徒が騒々しくて授業になりません。何とか落ち着いて授業をしてくれればいいのですが…。教室が落ち着く効果的な方法はないでしょうか。
- Q8 進度が遅れて困ります。どのようにしたらよいでしょうか。
- Q9 教科書を忘れる生徒がいます。どのように対処しますか。
- Q10 コミュニケーション活動が盛り上がりません。どうしたらいいのでしょうか。
- Q11 ライティング力をつけたいのですが,生徒が飽きないで取り組める練習方法があったら教えてください。
- Q12 中学2年生です。準備が簡単で生徒が熱中するゲームはありますか。
- Q13 スキットの授業をしたいと思います。よい指導手順を教えてください。
- Q14 中学2年生です。教科書にスピーチ教材があり,生徒にスピーチをさせたいと思います。どのように指導し,実施しますか。
- Q15 英語のリスニングの指導はどのように行っていますか。
- Q16 選択英語授業(基礎コース/発展コース)での取り組みアイデアを何か教えてください。
- Q17 教科書の下の方にQ&Aがあります。生徒はその英問英答が苦手だと言います。どのように教えますか。
- Q18 1学期最後の授業では何をしますか。
- Q19 英問英答のテストはどのように作りますか。
- Q20 クラスで遅れがちな生徒にどのように接し,どのように指導していきますか。
- Q21 英語の歌がマンネリ化してきました。「英語の歌」はどのように取り組んだらいいのでしょうか。
- Q22 授業で使えるちょっと便利なグッズがあったら教えてください。
- Q23 授業で使ってよかった小物があったら教えてください。
- Q24 生徒に何か活動させるときにBGMがある方が何となく楽しい雰囲気になります。どのようなBGMがおすすめですか。
- 第2章 基礎基本! 英語の「読み書き」指導Q&A
- Q1 生徒が楽しんでやる音読指導のやり方を教えてください。
- Q2 音読指導のパターンを教えてください。
- Q3 英語の暗唱指導についてどのようにされていますか。教えてください。
- Q4 中学2年生です。新出単語の導入をどのようにしていますか。
- Q5 単語の綴りを覚えるために,どのように工夫をされていますか。
- Q6 単語が読めない,教科書が読めない生徒を授業時間だけで音読できるようにすることは可能ですか。
- Q7 中学2年生の1学期です。生徒は覚えた文型をすぐに忘れてしまいます。新出文型の定着のためにどのような工夫をされていますか。
- Q8 中学2年生の1学期です。新出文型の導入をどのようにしていますか。
- Q9 中学2年生にスペリングテスト(100題)の勉強の仕方をどのように教えますか。
- 第3章 中2の授業内容Q&A
- Q1 比較級をどのように教えたらよいでしょうか。
- Q2 中学2年生です。文法指導をした際の板書例を教えてください。
- Q3 発音記号は授業で扱っていますか。
- 第4章 中2の学習習慣&学び方Q&A
- Q1 教科書準拠のワークをどのように扱っていますか。
- Q2 宿題を出します。宿題を集め,チェックする効果的な方法を教えてください。
- Q3 授業のウォームアップとしてビンゴをしています。ビンゴの表の中に語彙を書きこんでくるのは宿題にしているのですが,最近その宿題をやってこない生徒がいます。どうしたらいいでしょうか。
- Q4 宿題のチェックの仕方について質問があります。チェックするのは授業始めが一番理にかなっていると思われますが,TOSSでは授業開始をことのほか重要視します。一方で授業始めにチェックしなかったら宿題をみる時期を失いそうです。先生は,やってきた宿題を授業のどのタイミングでチェックされますか。教えてください。
- Q5 生徒に配布した授業プリントはどのようにファイリングさせていますか。
- Q6 中学2年生の夏休みの宿題はどのようなものを出しますか。
- Q7 テストの返却後,テスト直しはさせますか。もしさせる場合にどのようにしていますか。また,していなければ,なぜしないのか,さらにその残った時間で何をするのかを教えてください。
- Q8 中学2年生です。英検の指導はどうされていますか。
- 第5章 中2のテスト・評価評定Q&A
- Q1 中学2年生の話すことの評価はどのようにしていますか。
- Q2 中学2年生です。書くことの評価はどのようにしていますか。
- Q3 「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」は,どのように評価していますか。
- Q4 英語のテストはどのような配分でテストを作られますか。教えてください。
- Q5 中学2年生の音読の評価はされていますか。
- おわりに
はじめに
英語授業マネージメントの第2巻です。
私が英語授業をトータルで考え始めたのは,英語教師になって5年が過ぎた頃です。
それまでは1時間1時間の授業を考え,大事にしてきましたが,生徒の英語力のことを考えると,どうしても年間をトータルで考える必要性を感じたのです。
例えば,単語。
1時間1時間では,なかなか生徒に習得させることのできない単語でも,毎回の英単語ビンゴ(25単語)で単語を書かせ,そして1レッスンが終わったら,単語25問テストをして,それが4回分集まると,だいたい長期休暇が来ます。その休みに100題テストを宿題にして,学期あけにスペリングコンテストを行います。このように単語指導のマネージメントを考えるようになったのです。
そこには3つのステップがあるのがおわかりでしょう。
1つ目は,ビンゴで単語練習。
2つ目は,1レッスンが終わった後の25問テスト。
3つ目は,100題テスト。
このように,そのときそのときにきちんと習得させるという趣ではなく,年間を通して身につけさせていく,いわゆる点ではなく,線で習得させるようにしています。
では,文法はどうでしょうか。
文法指導のポイントはずばり,
使い方を教える
ということです。
とりあえず文法を教えます。
その後,その文法が日常会話で…また,現実社会ではどのように使われるのか実際にQ&A方式で何回も何回も繰り返しながら覚えさせます。
例えば,過去進行形なら…
1. Hi, how are you ?
2. Where were you last night ?
3. What did you do there ?
4. Did you study last night ?
5. What did you study ?
6. What were you doing at about 9 ?
7. How was it ?
8. What were you doing at about 11 ?
9. Oh, really ?
10. ……
15. ……
1. I'm fine.
2. I was at my grandmother's house.
3. I played with my cousin.
4. Of course, I did !
5. I studied English and math.
6. I was reading Harry Potter.
7. It was very interesting.
8. I was sleeping.
9. Yes, I was a little bit tired.
10. ……
15. ……
のようなQ&A集を作成します。
それを2人ペアで行います。
机は向かい合わせにします。
40秒ほどすると席をずらし,今度は違う人と行います。
この繰り返しで,生徒は非常に英語をしゃべるのが上手になります。
授業の最初の10分間を使って行います。
だから,多少,文法指導が雑であっても,このQ&Aが待ちかまえていると思えば,そんなには怖くはないのです。
点でなく線で指導していくシステムを持っているからです。
さて,「英語授業を創る」と言った場合,どうしてもネックになるのが,1時間1時間の授業を「越えた」授業マネージメント技術です。
研究授業や公開授業では,1時間1時間の授業はそこから学ぶことができます。
しかし,その授業の裏側の部分は見ることができません。
例えば,
提出物はどうしているのか。
評価評定はどのようにつけているのか。
宿題は出しているのか。
スピーチの指導はどうしているのか…。
だから研究協議の際に,授業とは関係ないところの質問が出てくるのです。
それだけ必要感に迫られているのです。
指導法にだけ目が向き,マネージメントの部分だけが我流なのです。
私たちTOSS中学英語では,1時間1時間の授業は当然ですが,年間を通してみたときの,安定した英語授業づくりに必要なマネージメントについて考えてみました。
その一部が,本書により,垣間見られるかと思います。
なお,中2となっていますが,十分,他学年でも利用可能なことは承知です。ただ,一応学年別ということで分けさせていただきました。
どうぞ本書を最後までお読みいただき,先生方の新しいアイデアの源となれれば幸いにと思います。
平成14年9月28日(土) /瀧沢 広人
机上に置いていつでも読めることができるととても心強い1冊である。