国語教育 2005年5月号
「読みの力」を確かに育てよう

B656

«前号へ

次号へ»

国語教育 2005年5月号「読みの力」を確かに育てよう

紙版価格: 765円(税込)

送料無料

電子版価格: 688円(税込)

Off: ¥77-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
国語
刊行:
2005年4月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 「読みの力」を確かに育てよう
提言・学力の基礎「読みの力」の育て方
「ひとり読み」の態勢をつくれ
井上 尚美
読み方のトレーニングと多読の経験を重ねる
鶴田 清司
日本の読むことの授業の三つの不幸
難波 博孝
「読むための方法」についての具体の解明が鍵である
阿部 昇
「読むこと」の実力をつける授業づくりの視点
上谷 順三郎
低学年の「読みの力」はこうして育てよう
物語の「読み方」の基礎・基本から発信へ
松木 尚美
読みの力をつけるには、まず机の上の整理から始める
東原 希代子
変化のある繰り返しで「読みの力」を育てる
漆山 仁志
中学年の「読みの力」はこうして育てよう
読もうとする心と読む力を育てる
井関 和代
本が読める「読みの力」を「再話」で育てる
長谷川 みどり
読みの基本技術を育てる物語の指導
鈴木 悟志
高学年の「読みの力」はこうして育てよう
「読みのストラテジー」を育む
服部 英雄
自ら作品を読み進める力を獲得させる「自力読み25の観点」と「作品の星座」
二瓶 弘行
作品全体の構造を分析する力をつける
田口 忠博
中学生の「読みの力」はこうして育てよう
三×三の視点で迫る
兵藤 伸彦
「読み方」を知れば「読みの力」がつく
長谷川 祥子
音読・視写・論理・心情・形象・朗読
小木 恵子
「勝負発問」で行こう
小田 和也
説明文・写真・グラフの「読みの力」をつける
左近 妙子
「読みの力」が到達目標に達しない子への支援策
「向山型一字読解指導」には明確なロジックがある
椿原 正和
『読解力を育てるマスターカード』を開発し、「読みの力」を育てよう
柳谷 直明
「これならできる」学習法の獲得を
吉本 清久
到達目標の追求に「挫折させない子どもたち」を
須田 実
読み取りの交流をコーディネートする
西田 拓郎
「伝え合う力」を育てる教室づくり (第26回)
野口 澄
「読書に親しむ」授業づくり (第26回)
読み聞かせから読書の楽しさを知らせる
細羽 朋恵
書評
『「参加型板書」で集団思考を深める1国語科編』(平松孝治郎著)
石黒 修
『子どもが熱中する国語の授業』(伴一孝著)
相澤 秀夫
国語教育人物誌 (第170回)
佐賀県
宇都宮 紀雄
長崎県
鈴木 慶子
熊本県
杉 哲
大分県
後藤 惣一
国語教育時評
大学教師は「小学校の授業」ができなくともいいのか
市毛 勝雄
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第86回)
人間関係力を育てる言語環境の構成
瀬川 榮志
国語の授業力の向上 (第2回)
教材研究にのめりこむ
師尾 喜代子
国語学力を高める基本実践技法 (第2回)
授業者としての根本的自覚
野口 芳宏
国語科教育が言葉の教育になる日は来るのか (第2回)
「言語編」(中学校用)、「現代語」(高校用)の無残なる末路
渋谷 孝
到達目標としての言語技術 (第2回)
求められている授業力の構造
佐藤 洋一
学力保障の説明責任・結果責任 (第2回)
誰が「学力保障の説明責任・結果責任」を担うか
小森 茂
編集後記
江部 満

編集後記

 「国語力は国力である」と喝破されたのは藤原正彦氏(お茶の水女子大)ですが、今やすべての教科を支える基礎教科としての国語科の学力向上は、最重要課題となっています。本号は特に「読みの力」に絞って特集を組みました。

 「読みの力」が劣っている根本的な原因の中に、教師の指導意識、態度、指導法のあいまいさ・不十分さがあるとの指摘があります。そこからまずは「読書への興味・関心」を取り上げることが大切だ、とする提案があります。読書量は読解力の土台でもあるとの提言です。「読解」以前の多読の指導を、という呼びかけです。しかし「読んだらよいのだ」(宇佐美寛氏)という主張だけでは、「読みの力」が確かにならないことも実証的研究で明らかになっています。

 ではどうするか。これまでにもさまざまな実践提案が出されています。まずはその子に適した「自由読書」の指導があげられています。個に即した特別指導の必要性です。次に技能指導を主とした手だてがあげられています。「読みの力」を確かにするための読み取り方、考え方、味わい方の指導です。そのための練習学習も必要となるでしょう。しかし指導目標の明確化、焦点化の不徹底から逆効果になる場合もあるようです。

 練習学習では、思い切って目標を明確化し、その到達目標のために指導目標を一つにしぼり、基礎的な考え方から確実に育てようという提案も出ています。焦点化した目標による指導であれば、評価も容易でしょう。そのためには、教師手作りのワーク作りも期待されるでしょう。教師の一方的な指導になることも考えられますが、指導の徹底によって「読めない子」を救う手だてが必要とされていることも事実です。

(江部 満)

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ