- 特集 人間関係づくりの現在
- 教師になって二年目のあなたへ―学校が元気になるファシリテーター入門のススメ
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- 人間関係づくりファシリテーター集団『なっとうきなーぜ』
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- 「人間関係づくり」から「人間づくり」へ
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- ピア・サポートプログラムと人権教育
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- 教室にアドベンチャーを
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- 【資料1】『わたし出会い発見Part6』より
- 集団づくりがめざしてきたもの・めざすもの
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- 【資料2】『OSAKA人権教育ABCPart3』より
- 集団づくりの必要性と集団づくりの意義
- 多文化な子どもたちの声にふれる (第1回)
- 見て見て!
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- おもちゃばこ (第34回)
- 「きもち」をわかりあうことの大切さを知ったね
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第56回)
- DVの現状とその認識をめぐって
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- 編集部の本棚
- 子どもを見る眼 (第10回)
- 静かな授業から生まれる立ち止まる力
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- 映画をみる、映画でみる (第10回)
- 根源にある問い「私たちはナチと同じではないのか?」
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- 北のおるた〜北海道からの便り〜 (第10回)
- サケの大地、北海道
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- 小西先生の『学級革命』を読む (第22回)
- 教師の感情の起伏のはざまで子どもが育つ
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- まいにち? マイニチ!
- 共生のトポス (第94回)
- ユキミ「見てきたのは、自分のお母さん」
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- 編集後記
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編集後記
▼家庭・地域の教育力の低下や少子化等、社会の複合的な変化の中で、人間関係づくりの苦手な子どもが増えています。自他を尊重する態度や共感力、適切に自己主張をする力は、人権教育の基礎体力といえる重要な課題です。文科省が「指導方法等の在り方について【第三次とりまとめ】」にもとづいて行った調査でも、人権教育の指導内容として、「多様性肯定感」、「想像力や感受性」、「自己肯定感」、「コミュニケーション技能」など、いわゆる人間関係づくりに相当する内容が多く取り組まれていることがわかりました。
▼しかしながら、その指導方法については、「共同的」「参加的」「体験的」な教育方法が不可欠であるとされているにもかかわらず、「よく行っている」と答えている学校はまだ二割程度で広がりに欠けるのが実態です。また、指導内容についても、「対立・問題解決技能」の学習状況が極めて低位であることが明らかになり、人間関係づくりの指導内容が内面的な価値的・態度的側面、情緒的な側面に偏り、子どもたちが現実社会で生きる力を育むための系統性に欠けることが窺えます。
▼そこで本号では、人間関係づくりに関する学習について、今後、系統的体系的なプログラムや指導者(ファシリテーター)の養成がのぞまれると考え、学校教育におけるファシリテーション活用の取り組みや系統的体系的プログラムな実践を紹介することによって、今後につながる問題提起をお願いしました。
▼「子どもが変わった」という声を私が初めて聞いたのは、一九九五年頃でした。それ以前から、学級崩壊という言葉はありましたが、「子どもが変わった」といういい方を聴いたときに、学級崩壊の問題性も実感としてわいてきたことを記憶しています。その後、「小一プロブレム」にも焦点があたるようになりました。従来の「集団づくり」という言葉に加えて「人間関係づくり」という概念が押し出され、位置づけられ直して、取り組みが広がりました。
▼いま、全国調査も踏まえて、何が求められているのかを、現場の実態や取り組みから考えてみることは、重要です。貴重な原稿をお寄せくださった皆さんに感謝しています。
(森)
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