- 特集 「読みの力」を確かに育てよう
- 提言・学力の基礎「読みの力」の育て方
- 「ひとり読み」の態勢をつくれ
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- 読み方のトレーニングと多読の経験を重ねる
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- 日本の読むことの授業の三つの不幸
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- 「読むための方法」についての具体の解明が鍵である
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- 「読むこと」の実力をつける授業づくりの視点
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- 低学年の「読みの力」はこうして育てよう
- 物語の「読み方」の基礎・基本から発信へ
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- 読みの力をつけるには、まず机の上の整理から始める
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- 変化のある繰り返しで「読みの力」を育てる
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- 中学年の「読みの力」はこうして育てよう
- 読もうとする心と読む力を育てる
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- 本が読める「読みの力」を「再話」で育てる
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- 読みの基本技術を育てる物語の指導
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- 高学年の「読みの力」はこうして育てよう
- 「読みのストラテジー」を育む
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- 自ら作品を読み進める力を獲得させる「自力読み25の観点」と「作品の星座」
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- 作品全体の構造を分析する力をつける
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- 中学生の「読みの力」はこうして育てよう
- 三×三の視点で迫る
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- 「読み方」を知れば「読みの力」がつく
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- 音読・視写・論理・心情・形象・朗読
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- 「勝負発問」で行こう
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- 説明文・写真・グラフの「読みの力」をつける
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- 「読みの力」が到達目標に達しない子への支援策
- 「向山型一字読解指導」には明確なロジックがある
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- 『読解力を育てるマスターカード』を開発し、「読みの力」を育てよう
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- 「これならできる」学習法の獲得を
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- 到達目標の追求に「挫折させない子どもたち」を
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- 読み取りの交流をコーディネートする
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第26回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第26回)
- 読み聞かせから読書の楽しさを知らせる
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- 書評
- 『「参加型板書」で集団思考を深める1国語科編』(平松孝治郎著)
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- 『子どもが熱中する国語の授業』(伴一孝著)
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- 国語教育人物誌 (第170回)
- 佐賀県
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- 長崎県
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- 熊本県
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- 大分県
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- 国語教育時評
- 大学教師は「小学校の授業」ができなくともいいのか
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第86回)
- 人間関係力を育てる言語環境の構成
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- 国語の授業力の向上 (第2回)
- 教材研究にのめりこむ
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- 国語学力を高める基本実践技法 (第2回)
- 授業者としての根本的自覚
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- 国語科教育が言葉の教育になる日は来るのか (第2回)
- 「言語編」(中学校用)、「現代語」(高校用)の無残なる末路
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- 到達目標としての言語技術 (第2回)
- 求められている授業力の構造
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- 学力保障の説明責任・結果責任 (第2回)
- 誰が「学力保障の説明責任・結果責任」を担うか
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- 編集後記
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編集後記
「国語力は国力である」と喝破されたのは藤原正彦氏(お茶の水女子大)ですが、今やすべての教科を支える基礎教科としての国語科の学力向上は、最重要課題となっています。本号は特に「読みの力」に絞って特集を組みました。
「読みの力」が劣っている根本的な原因の中に、教師の指導意識、態度、指導法のあいまいさ・不十分さがあるとの指摘があります。そこからまずは「読書への興味・関心」を取り上げることが大切だ、とする提案があります。読書量は読解力の土台でもあるとの提言です。「読解」以前の多読の指導を、という呼びかけです。しかし「読んだらよいのだ」(宇佐美寛氏)という主張だけでは、「読みの力」が確かにならないことも実証的研究で明らかになっています。
ではどうするか。これまでにもさまざまな実践提案が出されています。まずはその子に適した「自由読書」の指導があげられています。個に即した特別指導の必要性です。次に技能指導を主とした手だてがあげられています。「読みの力」を確かにするための読み取り方、考え方、味わい方の指導です。そのための練習学習も必要となるでしょう。しかし指導目標の明確化、焦点化の不徹底から逆効果になる場合もあるようです。
練習学習では、思い切って目標を明確化し、その到達目標のために指導目標を一つにしぼり、基礎的な考え方から確実に育てようという提案も出ています。焦点化した目標による指導であれば、評価も容易でしょう。そのためには、教師手作りのワーク作りも期待されるでしょう。教師の一方的な指導になることも考えられますが、指導の徹底によって「読めない子」を救う手だてが必要とされていることも事実です。
(江部 満)
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