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特集の解説
学級崩壊しない授業技術の基礎基本
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
TOSS体育セミナーのQ&Aで「クラスが荒れていて、体育の授業が成り立たない。どうしたらよいか」という次のような質問があった。
「すっかりクラスが荒れてしまっているので、うまくいかないことも多い。A君とB君が授業に参加しません。『先生の体育つまんねえ』というのが理由です。前回の体育で、導入からつまずき1時間ずっとだめでした」
こういう学級は多く見受けられる。一部の子どもが授業を妨害し、全体の子どもも崩れていく。私も若い頃に経験したことがある。
質問をされた教師は次のように分析している。
@ この2人は、体育開始に2・3分必ず遅れて来ます。
A 来ているのに、ステージに上がっていたり、用具室に隠れていたりします。
B 「集合」になっても整列しないため、ゲームなどのルールも全く聞きません
C 結局、全体の活動に乗り遅れるため、できなくなってしまっています。
D そしてつまらなくなるのです。
そこには学級崩壊の方程式がある。
@ 一部の子どもが教師の指示を聞かない。
A 学習のルールや約束が学級全体に徹底していない。
B 子どもの興味・関心のある授業づくりができていない。
学級崩壊といっても全員の子どもが荒れているのではない。最初は1人、2人の子どもが騒いでいるのである。教師の指示を聞かず、自分勝手な行動をしている。
すると、その子どもに引きずられて、他の子どもも同じような行動を取り始める。教師が強く指導すると反発し、言葉や体の暴力をふるうようになってくる。
教師の指示や指導は全体に徹底しないので、学級のルールと秩序は崩壊していく。体育の授業はこのような影響を受けやすく、崩壊していくことが多い。
質問をされた教師が書かれていたように、「ステージに上がっていたり、用具室に隠れていたりします」という状態になる。
学級崩壊のクラスの体育授業を飛び込みで行ったことがある。リズム太鼓を叩きながら「リズム太鼓に合わせて、自由に走りなさい」と指示した。
子どもたちの行動に驚いた。ステージに上がって走るのはいい方である。何と入り口のドアから飛び出し、運動場を走っている。2階のギャラリーを走っている。重ねてあるマットや跳び箱の上を跳んでいる。
すさまじい動きにあわてた思い出がある。教室とは異なり、体育館や運動場は空間が大きく、机と椅子がなく場所が限定されていない。
教室であれば座る場所があり、空間も限られている。ところが体育館や運動場は自由な空間が多く、子どもを統率することが難しいのである。
前述した教師は解決策として次のような実践をされた。
「@楽しく Aだれにでもできて B説明がいらないものにしようと思います。いろいろ試しています。風船を使った教材は、みんな喜んでやりました。フラフープを使って2人組で入るやつもみんないろいろな跳び方を考えました」
特に説明のいらない教材はとてもよくできる。説明がくどく分かりにくいと子どもは飽きてしまう。
子どもが興味をもち、楽しくできる風船の学習はうまくできたと報告されている。よい体育授業の方法の一つが示されている。
本特集では、「学級崩壊しない体育授業」の指導法を紹介くださるようにお願いいたします。自分の学級での体験でなされている。
@ 学級崩壊の原因と学級と子どもの状態
A 崩壊しないための体育指導の方法
B 指導によって、学級はどのように変化したか。
学級崩壊していなくても役立つ情報が示されている。活用して、楽しい体育の授業づくりをしてほしい。
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- 明治図書