楽しい体育の授業 2006年4月号
学級崩壊しない 授業技術の基礎基本

K199

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楽しい体育の授業 2006年4月号学級崩壊しない 授業技術の基礎基本

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2006年3月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 学級崩壊しない授業技術の基礎基本
特集の解説
根本 正雄
実践事例
基本の運動
〈鬼遊び〉「ドラキュラと雪女」で楽しく授業開き
柴田 泰士
〈幅跳び遊び〉「待たない、システム化、変化のある繰り返し」が楽しい授業につながる
家根内 興一
〈高跳び遊び〉ミニハードルを使った高跳び遊び
満石 大輔
器械運動
〈鉄棒〉授業をシステム化し、的確に評価する
熊谷 壽
〈マット〉「楽しい」「指示を通す」「できるようにさせる」を踏まえよ
望月 健
〈跳び箱〉みんなで「できた!」を味わう集団連続跳び箱
市川 武
〈跳び箱〉技能差を前提に授業を組織する
西田 幸二
ボール運動
〈ドッジボール〉楽しく体育の授業を行う三つの条件
南 惠介
〈ポートボール〉崩壊させない授業の始まり
三好 保雄
〈バスケットボール〉システム・ルール・趣意説明
高橋 恒久
〈サッカー〉サッカーでも「子どもを動かす法則」と「5つの補則」を外さずに指導する
高橋 真
陸上運動
〈短距離走・リレー〉みんなが活躍できる『ワープリレー』
後藤 一則
〈ハードル走〉シンプルに、そして関わりを多く
寺本 聡
〈走り幅跳び〉やる気を失わせない走り幅跳び
松澤 正仁
〈走り高跳び〉「空白禁止の原則」を意識する
辻 和彦
表現運動
〈リズムダンス〉パワー全開! ロックのリズムにのって
関家 千恵
〈表現〉『追試』『授業の原則十カ条』で全員が動く
斉藤 奈美子
体操
〈体ほぐし〉説明なし「なべなべそこぬけ」で一体感
太田 健二
ミニ特集 4月の体育はこう指導する
低学年
体育の時間を確保する【着替え】をしっかり指導しよう
鈴木 恭子
中学年
体育館でも汗びっしょり「タッチリレー」
石田 寛明
一年間の体育を安定させるために、絶対にやりたい三つのこと
松崎 力
高学年
運動の基礎を保障し、成功体験を入れる授業をつくる
雨宮 久
一年間を貫くコンセプトを理解させる
浜井 俊洋
ライブで体感!TOSS体育講座
スモールステップでできる・できるを体感させる
村田 斎
レベルアップ!体育の授業を変える
難しさに挑戦する意味・その必要性
山本 貞美
マンガで見る楽しい体育指導 (第73回)
根本体育直伝マンガ(指示・説明の巻)
岩野 節男岩野 紀子
新卒教師の陥りやすい体育指導 (第1回)
構えからきちんと指導する
桑原 和彦
集合・整列・グループ分けの微細技術 (第1回)
授業開きで「徹底して」指導する!
田代 光章
学校と地域をつなぐYOSAKOIソーランの新展開 (第1回)
YOSAKOIソーラン祭り 組織委員会との連携
割石 隆浩
“ボクとわたしのからだとスポーツ”質問・疑問・悩み大集合! (第1回)
骨や筋肉って、何のためにあるの?
長谷川 亜弓
ライブで学ぶ体育指導技術 (第1回)
できない原因を追及する
渡辺 喜男
一目瞭然!教師の個別評定 (第1回)
個別評定は誰でもできる
並木 孝樹
知らなかった!技の数々!なわ跳びの世界 (第1回)
背面交差跳び、サイドクロス、ドンキー
藤澤 芳昭
子ども熱中!鉄棒の新ドリル (第1回)
くるりんベルトの使い方をシステム化
辻岡 義介
1枚の写真で示す陸上運動のテクニカルポイント (第1回)
短距離はスーパーヒーローの武器
竹森 正人
TOSS体育最前線
障害児がなわ跳びができた!
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
鬼ごっこ
柳 研二
〜走る、逃げる、考える鬼ごっこ〜
短距離走・リレー
町田 和弘
〜目標タイムを目指せ!ペアリレー〜
最新情報を盛り込んだボール運動 (第1回)
ボール運動が苦手な子のために
根津 盛吾
ライフスキルと健康教育 (第49回)
説明スキル(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第168回)
骨太な研究論文を!
向山 洋一
体育科における学力保障 (第37回)
加藤真一氏の「段差のあるマット」を通したこうもり振り下りの指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第52回)
テクニカルポイントはここだ! (第13回)
サッカー
横浜YMCA
〜フェイントA〜

特集の解説

学級崩壊しない授業技術の基礎基本

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 TOSS体育セミナーのQ&Aで「クラスが荒れていて、体育の授業が成り立たない。どうしたらよいか」という次のような質問があった。

 「すっかりクラスが荒れてしまっているので、うまくいかないことも多い。A君とB君が授業に参加しません。『先生の体育つまんねえ』というのが理由です。前回の体育で、導入からつまずき1時間ずっとだめでした」

 こういう学級は多く見受けられる。一部の子どもが授業を妨害し、全体の子どもも崩れていく。私も若い頃に経験したことがある。

 質問をされた教師は次のように分析している。

@ この2人は、体育開始に2・3分必ず遅れて来ます。

A 来ているのに、ステージに上がっていたり、用具室に隠れていたりします。

B 「集合」になっても整列しないため、ゲームなどのルールも全く聞きません

C 結局、全体の活動に乗り遅れるため、できなくなってしまっています。

D そしてつまらなくなるのです。

 そこには学級崩壊の方程式がある。

@ 一部の子どもが教師の指示を聞かない。

A 学習のルールや約束が学級全体に徹底していない。

B 子どもの興味・関心のある授業づくりができていない。

 学級崩壊といっても全員の子どもが荒れているのではない。最初は1人、2人の子どもが騒いでいるのである。教師の指示を聞かず、自分勝手な行動をしている。

 すると、その子どもに引きずられて、他の子どもも同じような行動を取り始める。教師が強く指導すると反発し、言葉や体の暴力をふるうようになってくる。

 教師の指示や指導は全体に徹底しないので、学級のルールと秩序は崩壊していく。体育の授業はこのような影響を受けやすく、崩壊していくことが多い。

 質問をされた教師が書かれていたように、「ステージに上がっていたり、用具室に隠れていたりします」という状態になる。

 学級崩壊のクラスの体育授業を飛び込みで行ったことがある。リズム太鼓を叩きながら「リズム太鼓に合わせて、自由に走りなさい」と指示した。

 子どもたちの行動に驚いた。ステージに上がって走るのはいい方である。何と入り口のドアから飛び出し、運動場を走っている。2階のギャラリーを走っている。重ねてあるマットや跳び箱の上を跳んでいる。

 すさまじい動きにあわてた思い出がある。教室とは異なり、体育館や運動場は空間が大きく、机と椅子がなく場所が限定されていない。

 教室であれば座る場所があり、空間も限られている。ところが体育館や運動場は自由な空間が多く、子どもを統率することが難しいのである。

 前述した教師は解決策として次のような実践をされた。

「@楽しく Aだれにでもできて B説明がいらないものにしようと思います。いろいろ試しています。風船を使った教材は、みんな喜んでやりました。フラフープを使って2人組で入るやつもみんないろいろな跳び方を考えました」

 特に説明のいらない教材はとてもよくできる。説明がくどく分かりにくいと子どもは飽きてしまう。

 子どもが興味をもち、楽しくできる風船の学習はうまくできたと報告されている。よい体育授業の方法の一つが示されている。

 本特集では、「学級崩壊しない体育授業」の指導法を紹介くださるようにお願いいたします。自分の学級での体験でなされている。

@ 学級崩壊の原因と学級と子どもの状態

A 崩壊しないための体育指導の方法

B 指導によって、学級はどのように変化したか。

 学級崩壊していなくても役立つ情報が示されている。活用して、楽しい体育の授業づくりをしてほしい。

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