- 特集 1年の流れを決める!黄金の3日間のシナリオ
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特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
1年の流れを決める!黄金の3日間のシナリオ
新しい学年が始まると、ベテランの教師は学年始めの3日間を大切にする。この3日間で1年間の学級の骨格ができるからである。
年度始めにきちんとした組み立てができれば、後はスムーズに流れていく。ところが、あいまいではっきりとした骨格が示されないと学級は崩れていく。
千葉大学教育学部教授の明石要一氏の講演を聞く機会があり、その中で明石氏は子どもの意欲を高める話をされた。
子どもの意欲を高める研究(文科省)が、小学生・中学生・高校生で行われた。「どうしたら学習意欲が高まるか」という研究で、次のような結果がでたという。
@ 先生にほめられる。
A 先生の授業が面白い。分かりやすい。
B 競争する相手がいる。好適手がいる。
C 何をしたいかはっきりする。
この内容は、黄金の3日間のシナリオを作成するために役立つ。体育の授業のシナリオを作る時に、第一に考えなければならないのは、子どもを肯定的に受け入れることである。
「先生は自分を受け入れてくれている」という実感を持った時、子どもは授業に参加してくる。「この先生なら安心して学習ができる」という信頼感を持たせる授業のシナリオをつくることが大切である。
そのためには、「先生にほめられる」場面を多く設定することである。先生にほめられればほめられるほど、子どもは意欲を高める。すべての子どもをほめるシナリオを作成するのである。
〇集合が速く、体育座りの姿勢がよくできている。
〇用具の準備、後片付けが協力してできる。
〇スキップ、ギャロップ、ジャンプなどの動きがよくできる。
第二には「先生の授業が面白い。分かりやすい」というシナリオにする。
楽しければ子どもは「もっとやろう」という意欲を持つ。年度の最初に刻み込まれた子どもは、ずっと同じ期待感を持って授業に臨む。黄金の3日間で子どもの心をわしづかみにする授業を行うのである。
「体育の授業は面白い、分かりやすい」という強烈な印象を持たせるシナリオにしていく。
〇跳び箱の跳べない子どもを全員跳ばせるシナリオ。
〇足の遅い子どもがリレーで1位になるシナリオ。
〇仲間に入れなかった子どもが、みんなと一緒にできるドッジボールのシナリオ。
第三には競争する相手がいるシナリオにする。友だちと競争し、磨き合っていく中で成長していくことを理解させていく。友だちと競争する中で、意欲を持って参加するシナリオにしていく。
〇鬼ごっこで鬼に捕まらないシナリオ。
〇サッカーで相手よりもたくさん得点するシナリオ。
〇バスケットボールでパスやドリブルを上手にできるシナリオ。
第四には、何をしたいかはっきりするシナリオにすることである。子どもが授業に参加するのは、目標が明確な時である。
言葉を言い換えれば、教師のビジョンがはっきりしていることである。教師のねらいが子どもの願いと一致するようなシナリオを作る。
〇遠くに跳んでみたいという願いが達成されるシナリオ。
〇25メートル泳げるようになりたい願いが実現できるシナリオ。
〇何回も連続して側方倒立回転をしたい願いが成就するシナリオ。
本特集では、以上のような黄金の3日間のシナリオが紹介されている。シナリオがあれば同じように授業ができる。シナリオがあれば、同じような感動を生み出せる。
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- 明治図書