- 特集 運動神経をグーンと伸ばす“運動の基本技”36
- 特集の解説
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- 実践事例
- 固定施設
- 〈すべり台〉繰り返し思考し、試行させ、総合的に感覚を育てる
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- 〈登り棒〉登り棒で体を腕で支える力をつける
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- 〈うんてい〉苦手な子も、ゲーム感覚で楽しめる基本技
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- 〈ブランコ〉ブランコを漕ぐポイント分かりやすく指導する
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- 〈ジャングルジム〉多くふれさせ、高さ感覚・逆さ感覚を育成する
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- 〈ろくぼく〉肋木上がりでばっちり習得!逆さ・腕支持・平衡感覚!
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- 簡単な用具
- 〈短なわ〉向山型短なわ指導で子どもの力をひっぱり出す
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- 〈長なわ〉2−1−0のステップで苦手な子が跳べた
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- 〈長ゴム〉長ゴムで目指す「高跳びプロ」
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- 〈棒〉3人組で楽しく遊ぼう
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- 〈輪〉転がる輪の動きに合わせてみよう
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- 〈竹馬〉初めての「竹馬」授業はこうする
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- 何も使用しない
- 〈足ジャンケン〉足ジャンケンで開脚跳びの基礎感覚を養う
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- 〈1人鬼〉心も体もポッカポカ「ひみつ鬼」
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- 〈手つなぎ鬼〉手つなぎ鬼・2対2しっぽとりで協応動作を高める
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- 〈ネコとネズミ〉ゲームの特徴を知った上で、ちょっとだけ変化を入れる
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- 〈おしくらまんじゅう〉力を合わせておしくらまんじゅうを楽しむ
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- 〈リレー〉バトンパスの練習は「ネコとネズミ」で決まり!
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- 身体の動き
- 〈立つ〉子どもの体の使い方に合わせた立ち方
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- 〈歩く〉ボディイメージをつかませることを重点にし変化のある繰り返しで歩く運動を組み立てる
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- 〈走る〉三つの意識で高まる「走る能力」
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- 〈跳ぶ〉ラップの箱を跳んで敏捷性を養おう
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- 〈回る〉運動の回数を確保する
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- 〈投げる〉投げ動作の基礎基本は、フライングディスクで
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- 〈転がる〉きれいな回転につながるゆりかご修業
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- 〈打つ〉片足ずつ振り上げることでより効果的に基礎感覚をつける足打ち
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- 〈押す〉短時間で・継続的に「押す」
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- 〈引く〉“引く運動”をゲームで楽しく取り入れる
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- 〈ぶら下がる〉ろくぼくを使って行う「ぶら下がる」動き
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- 〈泳ぐ〉「泳ぐ」の基本技は、「浮く」である
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- 器具・用具
- 〈タイヤ〉タイヤでドンジャンケン
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- 〈ボール〉体のひねりを使って投げさせる技
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- 〈平均台〉おっこちないですすめ!
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- 〈マット〉遊びの中から逆さ感覚をつかもう
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- 〈鉄棒〉バリエーション豊かな鉄棒運動
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- 〈跳び箱〉場の設定の工夫でよい動きを身に付ける
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- ミニ特集 5月の体育はこう指導する(マット遊び・マット運動)
- 低学年
- 10種類を超える前回りで活動させ、短い指示と個別評定でマット運動の基本を習熟させる
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- 中学年
- 跳び箱を使ったシンクロ側方倒立回転
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- マット運動は、個別評定が決め手!
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- 高学年
- 側方倒立回転の基礎感覚を鍛える
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- 側方倒立回転で、足の裏がみえたか、みえないかで評定する
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 立ち会い授業で授業力を鍛える
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- 〜TOSS体育近畿地区連続セミナーIN兵庫〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- いつ、何を、どのように教えるのか
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第98回)
- 根本体育直伝マンガ(速く走るためには・・・の巻)
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- 子どもが熱中!低学年体育の指導
- 「楽しい」なかに「できる」を取り込む「できるから楽しい」体育を指導する
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- 体育科の系統的指導
- マット運動2「前転のバリエーション」
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- 拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
- ポイントを知って指導に活かす
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- 新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
- ラジオ体操第1、されどラジオ体操第1!
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- テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
- バトンパスは場面を限定して練習する
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- 最新情報を盛り込んだ食の授業 (第11回)
- 唾液は健康ドリンクだ!
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- 苦手な子どもも満足する鉄棒指導
- 「できない」から「できる」へ「嫌い」から「好き」へ
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- 成功体験を保証するなわ跳び指導
- 二重跳びをクラス全員跳ばせるために、4月から継続して指導を行う
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- 体育指導でドラマをつくる
- なわ跳びがみるみる上達!
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- TOSS体育最前線
- 根本氏の「ダブルダッチ」の指導はなぜ、分かりやすいのか
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- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- マット遊び(低学年)
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- 〜マットあそびの名人への道〜
- マット運動(高学年)
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- 〜マットが苦手な子も熱中!シンクロ前転〜
- 水泳指導の秘密兵器
- 立ち方の練習からはじめよう
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- ライフスキルと健康教育 (第74回)
- 生命尊重の教育とライフスキルU
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- 授業の腕を高める論文審査 (第193回)
- 「分ち伝える」ことを意識せよ
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- 体育科における学力保障 (第62回)
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- 1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第14回)
- ジャンプシュートの足
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- 〜ハンドボールの投げ方〜
特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
運動神経をグーンと伸ばす“運動の基本技”36
2007年12月17日、NHKのクローズアップ現代で「顔面ケガ急増、子どもに異変」という放送がされました。前に転んでも手で支えることができないで、顔面をケガする子どもが増えたという。
また、体力が年々低下し、20年前に比べると外で遊ぶ時間が半分に減っている。家の中での遊びが増えて、運動の苦手な子どもに教える、体育家庭教師が現われたという。
原因としては、外遊びの減少と昔のような多様な動き作りがなされなくなったためだと解説していた。
福島大学の白石豊教授は、運動神経のよい子どもに育てればよいと『運動神経がよくなる本』(光文社)と述べている。
体力には四つの要素がある。柔軟性、敏捷性、持久力、筋力である。それらの四つの要素を上手にとりまとめ、目的にあった運動ができるように協調させるのが運動神経だと述べている。
運動神経のよさは「すばっこしさ」と「たくみさ」だとも述べている。クローズアップ現代では、昔の子どもは木登りなどの自然の遊びの中で運動神経のよくなる運動をしていたと紹介していた。
それでは運動神経をよくし、顔面にケガをさせないようにするには、どのような指導をしたらよいのであろうか。白石氏はいくつかの方法を紹介している。
@ 跳び箱を跳ぶ基本技 腕立ての姿勢、足首を持っての腕立て、足首を持ってもらい数メートル歩く。
A 速く走る基本技 地面を真下に蹴って走る。後方に蹴るのではなく、地面に対して、鉛直方向に蹴ることが大切である。
B 前方支持回転の基本技 回転力は初めは大きく、真下から小さく、最後に手を握りかえる。
九重卓著『基礎基本をおさえた発達障害児の運動指導』(明治図書)の中でも、運動能力が高まる指導法が具体的に紹介している。
@ 短距離走の基本技 スタートの位置とゴールの位置を明確にする。どこが最初でどこがおしまいなのかを意識すると効果がある。
A ボール運動の基本技@ 自分のボールは自分で管理する。投げられたらボールを捕り、元の位置に持ち帰る。
B ボール運動の基本技A ボール運動の初期指導では、キャッチング、スローインの際には下半身を動かさない。椅子に座って行う。
本特集では白石豊氏や九重卓氏のように運動神経や運動能力が高まる基本技が、次の項目で紹介されている。
@ 教材名
A 基本技
B 実際の授業
C 伸びる運動神経の内容
基本技を示した後、実際の授業の様子が紹介されている。運動の苦手な教師はどのように授業で活用するのかが分からない。
そこで、実際に行った授業の様子が発問・指示の形で紹介されている。授業のイメージがすぐに浮かぶようになっている。
最後に基本技の指導によって、どんな運動神経が伸びたのかが示されている。
運動神経のよくない子どもを指導するときに、どんな運動神経が伸びたかが示してあれば、実践するときにとても役立つ。
以上の項目に従って指導していけば、どの子どもも運動神経がよくなり、運動能力も高まっていく。実践していってほしい。
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- 明治図書