- 特集 器械運動のコツ習得のイメージ語100選
- 特集の解説
- 器械運動のコツ習得のイメージ語100選
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- 実践事例
- 低学年
- 〈マットを使っての運動遊び〉動物やものになりきって楽しく運動
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- 〈マットを使っての運動遊び〉前転の指導にはこのイメージ語で
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- 〈跳び箱を使っての運動遊び〉ごくごく短いイメージ語で指示して、組み合わせる
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- 〈跳び箱を使っての運動遊び〉忍者イメージでいろんな動きをさせる
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- 〈鉄棒を使っての運動遊び〉技の名前を工夫すると、合言葉が技のイメージを表す
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- 〈鉄棒を使っての運動遊び〉いろいろな運動で楽しく鉄棒に慣れる
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- 中学年
- 〈マット運動(基本的な回転技)〉前転は『ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ』と『ぱしっ、ごろん、ぐっ』
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- 〈マット運動(基本的な倒立技)〉「手・手・足・足」が側転ができない子にイメージを持たせる
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- 〈跳び箱運動(基本的な切り返し系技)〉開脚跳びは「トン、トン、ピタ」のリズムで跳ぶ
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- 〈跳び箱運動(基本的なスプリング系技)〉「トン・トン・トーン!」魔法の言葉で台上前転全員達成!
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- 〈鉄棒運動(基本的な回転技)〉大きな回転を生むポイントは「あご」にあり(回転技)
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- 〈鉄棒運動(基本的な膝かけ技)〉具体的なイメージ語までたどりつけなかった
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- 高学年
- 〈マット運動(発展技)〉かっこいい技をイメージ語で習得
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- 〈マット運動(組み合わせ技)〉「技」「つなぎ」「全体」のイメージ語を考えておく
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- 〈跳び箱運動(切り返し系発展技)〉切り返し系の発展技、ポイントは手の突き放し
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- 〈跳び箱運動(スプリング系発展技)〉はねを習得させるイメージ語
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- 〈鉄棒運動(発展技)〉発展技の八つに挑戦
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- 〈鉄棒運動(組み合わせ技)〉上がり技・支持回転技・下り技をイメージ語で指導する
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- 低学年/ゲーム化し、変化のある繰り返しで、走る力をつける
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- 高学年/「全力で走る」ことをベースに、授業を組み立てる
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- ライブで体感!TOSS体育講座
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- 授業のレベルアップの方向は子どもが教えてくれる
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- 思いこみを防ぐライフスキル
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- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- 5月号
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- 跳び箱で全員に成功体験を
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- 〜開脚跳びの指導A〜
特集の解説
器械運動のコツ習得のイメージ語100選
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
学習指導要領改訂により、器械運動の授業も大きく変わる。三木四郎氏は小学校の指導内容として、次のように述べている。(『体育科教育』2010.01)
◆低学年 「器械・器具を使っての運動遊び」 器械・器具の条件のもとに、基本的な動きができるようにしたり、動き方を工夫することが課題になる。基礎となる動きの感覚を身に付けさせる。
◆中学年 「器械運動」「基本的な技ができるようにする」ことが学習のねらいになってくる。基本的な技とは、類似する技のグループの中で、最も初歩的で易しい技でありながら、グループの発展技に対して共通の技術的課題をもっており、当該学年で確実に身に付けておきたい技のことである。
◆高学年 「基本的な技を安定して行えるとともに、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりすること」をねらいにしている。
それでは、どのように指導したら学習のねらいは達成できるのであろうか。
2009年12月12日、徳島市立加茂名南小学校で、TOSS体育フレッシュセミナー四国IN徳島が開催された。中学年「マット運動」で高橋俊子氏は、次の模擬授業を展開された。
1 授業のねらい イメージ語を使いながら、いろいろな前転を行うことができるようにする。
2 授業の流れ
@ 準備運動
A 様々な前転がりを行う。
指示1 前に転がってごらん。
指示2 手をパーにして、マットに置きます。足を伸ばして、踏ん張ります。手に足を近づけます。まだまだ我慢します。もうだめだ、というときにおへそを見るとくるんと回ります。合い言葉は「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」です。
指示3 手をパーにしてマットにぱしっとつけます。ころんと転がります。最後にぐっとがまんして足をそろえて立ち上がります。合い言葉は「ぱしっ、ころん、ぐっ」です。
指示4 連続して3回前転をします。
指示5 小さいアリを飛び越えて前転をします。
指示6 握りこぶしぐらいのテニスボールを飛び越えて前転をします。
・ドッジボール ・段ボール ・跳び箱
高橋氏の指導は、「基本的な技ができるようにする」ねらいを達成していた。高学年の動きにつながる基本的な「前転」をきちんと習得させることができた。
その指導法として、高橋氏はイメージ語を活用されていた。「なめらかに回りなさい」と指示するのではなく、「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」「ぱしっ、ころん、ぐっ」というイメージ語で指導しました。その結果、なめらかな前転ができるようになった。
「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」のイメージ語と合わせて、次の指導を行った。「手はパー、足はピン、手に近づける。おへそに近づけると1人でに回れます」。
この指導で両手に体重がかかり、腕で支持をする前転ができるようになった。「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」の言葉でイメージが膨らんだのである。
次の「ぱしっ、ごろん、ぐっ」はさらに優れていた。講師の浜井俊洋氏は、高橋氏の指導について、次のコメントをされた。
「ごろんは、マットに背中を順番に接触させる順次接触技術を習得させます。ぐっは、立ち上がりで足を引きつける回転加速技術を習得させることができます。つまり、イメージ語でスムーズに転がる能力を身に付けることができるのです」と述べられた。
具体的な学習内容を習得させる方法がされていたのである。本特集には以上のような実践例が紹介されている。
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- 明治図書