楽しい体育の授業 2010年5月号
器械運動のコツ習得のイメージ語100選

K248

«前号へ

次号へ»

楽しい体育の授業 2010年5月号器械運動のコツ習得のイメージ語100選

紙版価格: 933円(税込)

送料無料

電子版価格: 839円(税込)

Off: ¥94-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
保健・体育
刊行:
2010年4月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 器械運動のコツ習得のイメージ語100選
特集の解説
器械運動のコツ習得のイメージ語100選
根本 正雄
実践事例
低学年
〈マットを使っての運動遊び〉動物やものになりきって楽しく運動
小井戸 政宏
〈マットを使っての運動遊び〉前転の指導にはこのイメージ語で
高橋 一行
〈跳び箱を使っての運動遊び〉ごくごく短いイメージ語で指示して、組み合わせる
望月 健
〈跳び箱を使っての運動遊び〉忍者イメージでいろんな動きをさせる
小松 裕明
〈鉄棒を使っての運動遊び〉技の名前を工夫すると、合言葉が技のイメージを表す
梶野 修次郎
〈鉄棒を使っての運動遊び〉いろいろな運動で楽しく鉄棒に慣れる
折本 ちはる
中学年
〈マット運動(基本的な回転技)〉前転は『ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ』と『ぱしっ、ごろん、ぐっ』
高橋 俊子
〈マット運動(基本的な倒立技)〉「手・手・足・足」が側転ができない子にイメージを持たせる
今井 豊
〈跳び箱運動(基本的な切り返し系技)〉開脚跳びは「トン、トン、ピタ」のリズムで跳ぶ
平松 孝治郎
〈跳び箱運動(基本的なスプリング系技)〉「トン・トン・トーン!」魔法の言葉で台上前転全員達成!
篠崎 弘敬
〈鉄棒運動(基本的な回転技)〉大きな回転を生むポイントは「あご」にあり(回転技)
加藤 真一
〈鉄棒運動(基本的な膝かけ技)〉具体的なイメージ語までたどりつけなかった
冨 望
高学年
〈マット運動(発展技)〉かっこいい技をイメージ語で習得
齋藤 徳三
〈マット運動(組み合わせ技)〉「技」「つなぎ」「全体」のイメージ語を考えておく
田村 治男
〈跳び箱運動(切り返し系発展技)〉切り返し系の発展技、ポイントは手の突き放し
村山 浩康
〈跳び箱運動(スプリング系発展技)〉はねを習得させるイメージ語
夏井 圭太郎
〈鉄棒運動(発展技)〉発展技の八つに挑戦
奥田 嚴文
〈鉄棒運動(組み合わせ技)〉上がり技・支持回転技・下り技をイメージ語で指導する
辻岡 義介
ミニ特集 5月 新指導要領で体育授業はこう変わる(短距離・リレー)
低学年/ゲーム化し、変化のある繰り返しで、走る力をつける
佐藤 貴子
中学年/子どもが夢中になるバトンパスリレーゲーム
団野 晶夫
高学年/「全力で走る」ことをベースに、授業を組み立てる
村田 正樹
ライブで体感!TOSS体育講座
運動会はこれでばっちり!―第一回運動会表現セミナーin東京―
村田 斎
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
授業のレベルアップの方向は子どもが教えてくれる
浜井 俊洋
マンガで見る楽しい体育指導 (第122回)
根本体育直伝マンガ(言葉を選んで準備するの巻)
岩野 節男
体育授業が変わる把握術〜子どもをどう動かすのか (第2回)
授業を始める前からもう体育ははじまっているA
並木 孝樹
苦手な子ができるようになる、新・テクニカルポイント (第2回)
テクニカルポイントとは 倒立のテクニカルポイントその2
村田 淳
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
一緒に指導する先生方の理解を得る
大中 州明
運動会から体育倉庫整備まで〜体育主任の仕事術 (第2回)
学校一丸となった体力向上計画を作る
郡司 崇人
〜根拠を示し、数値を求める〜
初任者必見!体育授業の約束&システム (第2回)
「準備運動」は教師主体で進める!
本宮 淳平
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第35回)
ガムは噛める喜びを鍛える「健康グッズ」
齋藤 滋
「身近なモノ」ちょっとした工夫の教材教具 (第2回)
フラフープ1つで
木村 正章
特別支援の子どもも活躍!楽しい体育授業
「スモールステップ」と「一時に一事の指示」で成功体験を作る
西村 純一
学級通信から再現!学校全員達成を目指したドラマ (第2回)
全職員で効果のある指導法を共有化する
岩田 史朗
今さら聞けない体育授業のイ・ロ・ハ (第2回)
あると便利な体育教師のアイテム
東條 正興
子どものためのメンタルトレーニング (第2回)
自信を育てる
白石 豊
「習得型」教具のユースウェア&活用法 (第2回)
魔法のベルト!くるりんベルトを使った逆上がりの指導法
臼井 俊男
TOSS体育最前線
鈴木恭子氏の表現の授業はすごい!
TOSS体育中央事務局
〜日本体育技術学会東京(立川)〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
マット運動
易から難への運動の変化・マット運動
大和田 浩之
ポイントを意識して繰り返し練習できる「マット運動の達人カード」
小原 嘉夫
教科書アレンジ!保健の授業 (第2回)
新型インフルエンザの授業(その2)
戸井 和彦
〜知識を習得したあとは場面を設定してライフスキル学習〜
ライフスキルと健康教育 (第98回)
思いこみを防ぐライフスキル
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第217回)
研究とは、前提と結論を歴史的に、実証的に論証していくことである
向山 洋一
体育科における学力保障 (第86回)
こうすればいいのか!領域別!新指導要領対応の授業!【陸上運動領域】中・高学年「短距離走・リレー」浜篠信彦氏の実践
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第101回)
5月号
木村 正章
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第38回)
跳び箱で全員に成功体験を
佐藤 泰之
〜開脚跳びの指導A〜

特集の解説

器械運動のコツ習得のイメージ語100選

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 学習指導要領改訂により、器械運動の授業も大きく変わる。三木四郎氏は小学校の指導内容として、次のように述べている。(『体育科教育』2010.01)

◆低学年 「器械・器具を使っての運動遊び」 器械・器具の条件のもとに、基本的な動きができるようにしたり、動き方を工夫することが課題になる。基礎となる動きの感覚を身に付けさせる。

◆中学年 「器械運動」「基本的な技ができるようにする」ことが学習のねらいになってくる。基本的な技とは、類似する技のグループの中で、最も初歩的で易しい技でありながら、グループの発展技に対して共通の技術的課題をもっており、当該学年で確実に身に付けておきたい技のことである。

◆高学年 「基本的な技を安定して行えるとともに、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりすること」をねらいにしている。

 それでは、どのように指導したら学習のねらいは達成できるのであろうか。

 2009年12月12日、徳島市立加茂名南小学校で、TOSS体育フレッシュセミナー四国IN徳島が開催された。中学年「マット運動」で高橋俊子氏は、次の模擬授業を展開された。

1 授業のねらい イメージ語を使いながら、いろいろな前転を行うことができるようにする。

2 授業の流れ

@ 準備運動

A 様々な前転がりを行う。

指示1 前に転がってごらん。

指示2 手をパーにして、マットに置きます。足を伸ばして、踏ん張ります。手に足を近づけます。まだまだ我慢します。もうだめだ、というときにおへそを見るとくるんと回ります。合い言葉は「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」です。

指示3 手をパーにしてマットにぱしっとつけます。ころんと転がります。最後にぐっとがまんして足をそろえて立ち上がります。合い言葉は「ぱしっ、ころん、ぐっ」です。

指示4 連続して3回前転をします。

指示5 小さいアリを飛び越えて前転をします。

指示6 握りこぶしぐらいのテニスボールを飛び越えて前転をします。

    ・ドッジボール ・段ボール ・跳び箱

 高橋氏の指導は、「基本的な技ができるようにする」ねらいを達成していた。高学年の動きにつながる基本的な「前転」をきちんと習得させることができた。

 その指導法として、高橋氏はイメージ語を活用されていた。「なめらかに回りなさい」と指示するのではなく、「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」「ぱしっ、ころん、ぐっ」というイメージ語で指導しました。その結果、なめらかな前転ができるようになった。

 「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」のイメージ語と合わせて、次の指導を行った。「手はパー、足はピン、手に近づける。おへそに近づけると1人でに回れます」。

 この指導で両手に体重がかかり、腕で支持をする前転ができるようになった。「ぐっ、ぐっ、ぐっ、おへそ」の言葉でイメージが膨らんだのである。

 次の「ぱしっ、ごろん、ぐっ」はさらに優れていた。講師の浜井俊洋氏は、高橋氏の指導について、次のコメントをされた。

 「ごろんは、マットに背中を順番に接触させる順次接触技術を習得させます。ぐっは、立ち上がりで足を引きつける回転加速技術を習得させることができます。つまり、イメージ語でスムーズに転がる能力を身に付けることができるのです」と述べられた。

 具体的な学習内容を習得させる方法がされていたのである。本特集には以上のような実践例が紹介されている。

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ