- 特集 “黄金の3日間”でつくる体育授業システム
- 特集の解説
- “黄金の3日間”でつくる体育授業システム
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- 実践事例
- 集団行動のマネージメント
- 低学年/授業成立に欠かせない3分の腕
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- 中学年/黄金の3日間で必ず指導したい集団行動三つのこと「授業開始までのシステム」「集合」「友だちとの交流」
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- 中学年/「安全に」「仲良く」「汗をかくほど」を保障するためにマネージメントが必要である
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- 高学年/運動しながら教える授業で必要な集団行動
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- 学習場面の雰囲気作りのマネージメント
- 低学年/笑って笑って明るい雰囲気の学習集団をつくる
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- 中学年/楽しさと緊張感で学習の雰囲気を作る
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- 高学年/鬼ごっこでほめて統率する授業を
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- 高学年/先生に教われば何でもできる雰囲気を作り、努力する方向性を示す
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- 学習場面の構成のマネージメント
- 〈体つくり運動〉体つくりは毎時間継続的に行う
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- 〈器械運動〉2年生「とびばこあそび」の学習場面をマネージメントする
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- 〈陸上運動〉補助活動は楽しくゲーム化して行う
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- 〈ボール運動〉第1時に授業の見通しを示すことが肝要
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- 〈表現運動〉リズムダンスで楽しく授業開きする!
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- 技能を定着させるマネージメント
- 〈体つくり運動〉授業最初に体力の向上を図る運動を、毎時間「帯」として入れる
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- 〈器械運動〉趣意説明・システム・成功体験を意識する(跳び箱運動)
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- 〈陸上運動〉基礎技能から主運動につなげるシステムをつくる
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- 〈ボール運動〉誰ができて、誰ができていないのかがはっきり分かるシステムこそが技能の定着に必要である
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- 〈表現運動〉組体操はまず、実態調査から始めよ。次に、組体操通信で学年を巻き込め
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- ミニ特集 4月 新指導要領で体育授業はこう変わる(体つくり)
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- 中学年/ペアストレッチで体ほぐし
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- 高学年/集団化して、友だちと関わらせる
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特集の解説
“黄金の3日間”でつくる
体育授業システム
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
元筑波大学附属小学校の山本悟氏の飛び込みの授業を参観したことがある。
運動名は@長なわとび(10回跳び、2人跳び、8の字跳び)Aダルマ回りに挑戦(前回り下り、ふとんほし、ダルマ回り)である。
山本悟氏の授業を参観して感じたことは、マネージメントがしっかりとなされていることであった。
授業の始まりと終わり、導入の板書の活用、ねらいの持たせ方、発問・指示などのマネージメントがきちんとされていた。それが安定した授業を生み出していた。
山本氏は、どのような授業がよいのかのイメージをしっかりと持ち、自信を持って展開されていた。
自由な伸び伸びとした学習の中に、きちんとした内容が押さえられていた。それが明るい雰囲気を醸しだし、楽しい授業づくりにつながっていた。
初めて出会った子どもと違和感なく授業を展開できたのは、根底にマネージメントがなされていたからである。
山本悟氏の学習指導案の中に「体育の授業に関する指導技術のポイント」が示されていた。実際に授業を参観して、「体育の授業に関する指導技術のポイント」が見事になされていた。
指導技術のポイントはそのままマネージメントに置き換えると分かりやすい。次のような内容である。
1 集団行動のマネージメント
・先生の話し方や声量
・約束や規律の確立(集まる場所、合図、他)
2 学習場面の雰囲気作りのマネージメント
・明るさと楽しさ (適切なユーモアや冗談)
・フレンドリーで、自由さがあり、でも規律のある→(固い、しめつけ過ぎは×)
・先生の声のかけ方、演技力、ほめ言葉、表情(笑顔と目の力)
※オーバーアクションと声による盛り上げ
・仲間を認められる大切さ
3 学習場面の構成のマネージメント
・運動のポイントやコツの提示(示範や発問のしかた)
・学習活動に評価の場面を組み込む(測定や数える/観察〜比較と同一視)
・補助活動の確立(やり方の理解と意識づけ)
4 技能を定着させるマネージメント
・授業中に子どもが動く量を増やすこと 用具や活動場所の工夫
・知的な振り返りの場面を授業に組み込むこと
・発表する場面を適切に活用すること、みんなに見てもらう
・先生の積極的な補助や言葉かけ
・授業と受業をつなぐ内容
山本氏のようなマネージメントを学年始めの黄金の3日間で指導しておくと、その後の指導がしやすい。大事なことは、何をどのように指導するかである。
本特集では「黄金の3日間」で、体育授業に必要なマネージメントをどのように指導したらよいかを具体的に紹介してある。
全部を3日間で指導することは無理である。学級の実態に応じて、必要なマネージメントを選択してほしい。あるいは、「黄金の3日間」の中でこれだけはという内容を絞ってほしい。
教師の願いや思いに照らして、年間指導していく柱となるマネージメントを指導してほしい。教師がどんな考えで指導していくかを明確にすることは、子どもにとっても大切である。
教師の主張を明確にすることによって、子どももめあてがはっきりする。そういう意味で、「黄金の3日間」は大切なのである。
本特集をもとに組み立ててほしい。
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- 明治図書