楽しい体育の授業 2012年3月号
苦手を自信に変える!プロが使う指導

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楽しい体育の授業 2012年3月号苦手を自信に変える!プロが使う指導

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2012年2月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 苦手を自信に変える!プロが使う指導
特集の解説
苦手を自信に変える!プロが使う指導
根本 正雄
低学年の実践事例
得意なもの、興味のあるものに取り組ませる
成功体験を与えることで、自信をもたせる
井戸 砂織
個別に指導する
個別指導は時間確保とスモールステップ
中山 崇
自分は何とかやれそうだと思わせる
1年生体育 できるから楽しい 「ボール投げ運動」できるためのステップ
吉川 和江
周りからほめてもらう
ほめ合いが自然に起こる!「なわとび級表」を使った指導
西田 真衣子
ぎりぎりのところでできそうな課題を与える
シンクロ平均台遊びで「できた!」体験を積み重ねる
田中 直行
一緒に喜ぶ
ダウン症の子どもとの持久走で支援ツールを活用し、一緒に喜ぶ
大恵 信昭
中学年の実践事例
得意なもの、興味のあるものに取り組ませる
得意なマット運動を行い、教師や友だちにほめてもらい、自己肯定感を高める
川上 勇人
個別に指導する
全体指導の中でも個別指導を行うから自信もつく
太田 政男
自分は何とかやれそうだと思わせる
アダプテッドエアロビックで楽しく体を動かす
河村 要和
周りからほめてもらう
上達させるためのシステムを使いこなし、教師がほめてほめてほめまくる 指導のポイントをとらえ、ほめまくることで、子どものセルフエスティームが高まる
手塚 美和
ぎりぎりのところでできそうな課題を与える
跳び箱で自信をつける
松澤 正仁
一緒に喜ぶ
喜べる場面を設定(演出)する
神山 仁
高学年の実践事例
得意なもの、興味のあるものに取り組ませる
高学年も夢中! チャレンジ運動
島田 猛
個別に指導する
マット運動「手を頭の後ろで組んで回りなさい」「手手足足」
今井 豊
自分は何とかやれそうだと思わせる
「上達の法則」からみえるもの
田代 勝巳
周りからほめてもらう
スモールステップで目標達成に近づけ、苦手を自信に変える指導法
西 良子
ぎりぎりのところでできそうな課題を与える
向山式シュートゲームの原理と長所をハンドボール、水泳に応用する
津下 哲也
一緒に喜ぶ
宝はこびリレー タイムリミットは○秒
二瓶 温子
ミニ特集 3月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
低学年/ターザンロープで基礎感覚を育てる
太田 健二
中学年/全員パスのルールから始めるソフトバレーボール
辻岡 義介
高学年/『協力なわ跳び』でクラスの一体感を高める
本吉 伸行
ライブで体感!TOSS体育講座
コメントに学ぶ
村田 斎
〜TOSS体育てんこもりセミナーin栃木〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
体育主任は、体育の授業の組み立てを熟知し実践せよ
槇田 健
マンガで見る楽しい体育指導 (第144回)
TOSS体育直伝マンガ(バスケット入門!)
石橋 健一郎
図解・単元を貫く学習の場作り (第12回)
大なわ・体育館のラインを活用する
阪下 誠
図解・運動量豊富なミニゲーム (第12回)
いつものゲームが変化するシュートボールのひと工夫
東郷 晃
私にもできた子どもを熱中させる授業 (第12回)
逆転現象が起きるみんな大好き「変わりドッジボール」
原田 朋哉
初任者必見!体育授業ちょっとしたコツ (第12回)
できるようにする指導
上川 晃
〜6年生「なわとび運動」〜
体育Q&A・体育授業の悩み解決します! (第12回)
最後の体育の授業について考える
大谷 智士
私の失敗体験記 (第12回)
体育の授業が不登校のきっかけになる 大切なのは、苦手な子どもへの配慮
糸木 佳奈子
プロスポーツから学ぶ最新の体育指導 (第12回)
「当たり前」を教える指導者を目指す
越智 敏洋
子どもの体力向上!運動の日常化 (第12回)
遊具を使った遊び 登り棒編
大中 州明
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第56回)
運動能力を支える生体内物質
木村 修一
ライフスキルと健康教育 (第120回)
沈黙と眼差しのコミュニケーション
武田 敏
特別支援に対応した体育授業 (第12回)
教師の基礎体力
間嶋 祐樹
短時間にできる「運動会種目」 (第12回)
組体操サボテン指導を細分化する
岡麻 知子
体育主任の部屋・仕事チェックリスト (第12回)
来年度へ生かす体育主任チェックリスト・体育アンケート
濱田 謙
TOSS体育ときめき情報 (第12回)
新「学習指導要領」の授業が行われていない!?
TOSS体育中央事務局
〜体育授業は「教材化」から〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
ボールけり遊び(低学年)
伊藤 道海
〜どのレベルまで進めたか明確にし、次時への意欲につなげる〜
セストボール(中学年)
前島 康志
〜スペースを見つけ、動く!〜
サッカー(高学年)
稲嶺 保
〜個に合わせた課題で自らの伸びが見える学習カード〜
授業の腕を高める論文審査 (第239回)
「分かち伝えられる」文章を
向山 洋一
体育科における学力保障 (第108回)
井戸砂織氏の「体ほぐし運動」A授業分析
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第122回)
3月号
東條 正興
授業の腕を上げる体育クリニック (第12回)
この1年を振り返る
佐藤 泰之

特集の解説 苦手を自信に変える!プロが使う指導

TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄


 千葉大学名誉教授の武田敏氏から、自己肯定感と自己肯定力のご指導を頂く機会があった。

 自己肯定感とは、自分自身が自信を持って生きていく気持ちのことであり、自己肯定力とは、行動として示すことであり、行動に移すことであるとのお話であった。

 行動に移すためには、どのようにしたらよいか、それがライフスキルである。トータルとして自信を持ち、行動できるようにするための指導を行うことが、大切なのである。

 自己肯定力を高めるには、教師がほめたことを子どもに書かせていく。ケアサポートしていく。行動する技術を指導していく。それらが、行動化につながっていくのである。

 武田氏は、行動化するためには次の指導が効果的であると話された。

@ 得意なもの、興味のあるものに取り組ませる。

A 失敗を気にしなくてもよい。やり直しさせる。

B 個別に指導する。

C 自分は何とかやれそうだと思わせる。

D 周りからほめてもらう。

E ぎりぎりのところでできそうな課題を与える。

F 一緒に喜ぶ。

G とにかくやってみる。

 竹田氏は、リフレイミングということも指導してくれた。リフレイミングとは、認知を変えることである。経験がプラスになり、合理化されていく。解釈によって、またやってみようという気持ちになることであると話された。

 10月22日、出雲市で「根本正雄直伝講座in出雲」が開催された。その中で、参加された三島麻美氏は、次のような感想を書かれた。

 「憧れの立ち幅跳びの指導を受けることができた。本当に記録が伸びるのだろうかと、さすがに半信半疑。でも、根本先生のご指導ならあるいは…。と思い、指示通り、本気でやった。そり跳びはうまくはできなかったけど、一生懸命やった。

 そして結果は、136pから156pへ。グループのメンバーで歓声をあげて喜んだ。根本先生は、にこにこしてそれを見ておられた。

 信じられない。たった数十分の指導である。TOSSの指導はセルフエスティームが上がるけれど、私にとって「体育的セルフエスティーム」が上がるというのは特別な意味をもつ。それは、自分のコンプレックスが取り除かれることだから」

 三島氏は、見事にリフレイミングされたのである。実際に記録を伸ばすことができ、認知を変えることができたのである。

 体験によって、コンプレックスが取り除かれ、「自分もできる」という自己肯定力を持つことができた。

 自己肯定力を育成するには、共感することも大切であると武田氏は話された。理屈ではなく、感情的にも信じ込めることであると述べられた。

 どう解決したらよいのか、本人の感情が大切であり、共感してあげることである。そのためには、話をよく聞いてあげる。一緒に解決してあげることが大切になる。

 共感スキルを育てていく。そのためには、やりやすいものから入っていく。興味のあるものから入っていく。それが行動化につながっていく。ほめるスキルが大切な理由である。

 三島氏が体験したように、「グループのメンバーで歓声をあげて喜んだ。根本先生はにこにこしてそれを見ておられた」ように、グループでの共感スキルを育てることが有効である。

 仲間との雰囲気づくりをしていく。グループダイナミックスを目指す。本特集では、実践例のような自己肯定力を育成する方法が紹介されている。

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