- 特集 生活指導・子ども集団づくりの成果と課題〈700号記念特集〉
- 生活指導・子ども集団づくりの成果と課題〈700号記念特集〉
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- 基調論文
- 『子ども集団づくり入門』の明日
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- 各論と実践 T〈子ども論〉
- <論文> 全生研〈子ども論〉の到達点と今後にむけた研究課題
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- [実践・小]「くるしいおもいは いっしょだよ。」〜動かしようのない辛さを優しさと強さにかえて〜
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- [実践・中]2の1の話PART2―道夫とクラスの子たち
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- 各論と実践 U〈学び論〉
- <論文> 全生研〈学び論〉の現在―「対話」から豊かな〈学び〉を広げよう―
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- [実践・小]平和のとりでを築く―和解へ誘う「読み」の授業―
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- 各論と実践 V〈子ども集団づくり論〉
- <論文> アソシエーション過程としての子ども集団づくり
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- [実践・小]排除のネットを切り、支援のネットを立ち上げる―子どもと共同して地域に取り組む―
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- 700号記念に寄せて―コメント&メッセージ
- 子どもと共に歩んでいきたい
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- 「授業」における集団つくりと「生活」における集団つくり
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- 自分と社会を読み開く実践を―「痕跡」をとりだし、当事者性を獲得することとは―
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- 今、全生研運動に求めるもの
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- 今月のメッセージ
- 『生活指導』誌とともに歩み続ける
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- 私の授業づくり (第36回)
- 小学校〈道徳〉/馬ぐそ拾いをした校長先生
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- 中学校〈道徳〉/あなたは臓器を提供しますか
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- 実践の広場
- 子どもの生活・文化・居場所
- 太鼓は楽しいっ!
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- 子どもをつなぐ活動・行事
- 私の“学年激励会”
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- いきいき部活・クラブ
- しんくんが生き生き「マリオクラブ」〜1年生の学級内クラブ〜
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- 手をつなぐ―教師・親・地域の人々
- いっぱい飲んで、いっぱい語って、いっぱい笑いました!
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- 私と集団づくりとの出会い
- 私は、本当に集団づくりと出会えているのか
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- 使ってみよう!実践グッズ (第11回)
- なぜ低学年の子どもは崩れるのか
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- 〜「小1プロブレム」をチャート図で掴み、指導を楽しくする〜
- 若者の広場 (第11回)
- 発信しよう!若い教師の声
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- 〜これからの全生研へ―若者の立場からひと言〜
- 地域生活指導へのアプローチ (第13回)
- おとながつながることで、子どもの生きる場をきり開く
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- 読書案内
- 『子ども虐待という第四の発達障害』
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- 読者の声
- 1月号を読んで
- 『生活指導』誌を支えてくださった皆さんへの感謝と新機関誌への決意、協力のお願い/新機関誌の編集内容について/新機関誌の定期購読のお願い
- 二〇一一年度既刊目次
- 編集後記
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今月のメッセージ 『生活指導』誌とともに歩み続ける
全生研代表 大和久 勝
『生活指導』700号、おめでとうございます。全国に広がる会員、読者の皆さんとともに喜び合いたいと思います。全生研が誕生して50年以上が過ぎましたが、その50年の歴史は、教育研究に数多くの実績を残した戦後日本の民主教育運動と共にありました。その私たちの研究活動の中心にあったものが『生活指導』誌です。時代の変化、学校の変化、家庭・地域の変化、子どもたちの変化を敏感に受けとめ、斬新な実践提起や理論提起がなされてきました。時には激しい論争が交わされたりもしましたが、そのなかで私たちの生活指導実践も、世代間で継承され、より豊かに育ってきました。
私は実践のなかで、三つの共同をたえず大事にしてきました。子どもとの共同、教職員との共同、保護者・地域との共同です。三十数年間の教師生活を通して追究してきたものは何かと聞かれたら、迷うことなくそう答えます。それが、全生研という研究団体で学んだことであり、『生活指導』誌から学んだことでした。
子どもとの共同とは、学級集団づくりであり、学年や全校の集団づくりでした。私たちは、自治と交わりと学びの指導の中で、集団と個人の関係、個人と個人の関係を教え、集団の民主的なあり方を子どもとともに追究してきました。当初、戦後の民主主義の運動から学んだところも多くありましたが、自らが所属する様々な諸集団の実践主体として民主的集団の創造に関与したことによって得たものを何よりも大事にしました。民主主義の内実は時と共に育っていきました。民主的集団に発展するプロセスも何度も見直されました。仮説を立てては検証されて来ました。そして、現在の到達点があります。私たちが、研究的課題を自らの体験の中におけたことは幸運でした。自らが主権者として生きることと研究的課題を重ねることができたということです。子どもと共に考え試行錯誤をしながらの実践の創造は、自分自身が生き、成長することとつながっていくことだったのです。
二つ目は、教職員との共同ですが、学年や学校全体の教職員との共同抜きに、あるいは共同への展望なしには、どのような実践もひとりよがりになってしまいます。当たり前のことですが、学級の子どもたちは学校の中で育っています。学校(教師たち)が、どのような子ども像を求めて、どのような指導を進めていくかということに関心が向かないでいたとしたら、それはおかしなことです。学級・学年、全校のどの実践レベルでも、他の教職員との合意形成の発展がたえず求められます。それらのことを、教職員集団づくりとか学校づくりと言って大事にしてきました。
三つ目の共同は、保護者・地域との共同です。子どもを育てる当事者は、保護者です。そして子ども・保護者をささえる地域です。ですから、私たちは、保護者・地域との共同なしには子どもを教育していくことはできないのだと考えてきました。これも教師個人から学校という規模に発展しないと意味が低くなってしまうのですが、学級・学年・全校の実践を進めるなかで、保護者・地域との共同がいかに大切かを実感してきました。
こうした学びを育て実践を支えてくれたのが『生活指導』誌でした。
今春、従来通りの出版を維持し続けることができず、自費出版(発売元・高文研)という新たな道を歩み始めることになりましたが、会の発足以来、明治図書の協力を得て、50年という長い年月を通して月刊誌として発行し続けてきました。その間の明治図書の尽力には、本当に感謝しています。また、長きにわたって支えてくれた読者・会員の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
生活指導運動を進める上で研究機関誌の役割が大きいことは言うまでもありません。サークル、職場等の研究・実践活動と結合させ、地域・保護者と連携しながら運動を進めるための要として、701号からの新しい『生活指導』誌を、会員・読者の参加で、さらに大きく育てていってほしいと思います。
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- 明治図書