- 特集 自己実現としての表現活動―創造力の解放を求めて
- 美術(芸術)教育による自己実現
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- 「綴方教育」は愚直でいい―「分類カード」のすすめ
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- 子どもたちとおどり(舞踏)
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- 詩を書く子どもたち
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- 「遊び」の自発性を生かした表現活動
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- 差別をなくすのはぼくらだ!!―想いを歌に託して行動する桂中解放研
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- 出会いを紡いで―地域と連携した舞台表現の活動を通して
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- 働き学ぶ青春の短歌
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- エピグラフ
- ルールの回復
- 〜木村剛『粉飾答弁(上)』(アスキー、二〇〇二年)四四一〜四四二頁〜
- 座標
- 私たちにふさわしい世界を
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- 「いま」をつづる子どもたち (第7回)
- 想う
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- 高校から総合学習を創る (第5回)
- 地域や世界とつながる
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- 〜忘れてはいけない大人の宿題〜
- 共生のトポス (第7回)
- 国連子ども特別総会「子どもにふさわしい世界を」
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- 【資料】ちがいを豊かさに
- 〈基調報告〉多文化共生社会を切り拓く子どもたちの未来を
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- 創作 人権教育教材シリーズ「人権のポエム・暮らしのメロディ」 (第2回)
- 小学校中学年・さべつ
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- 〜図書館〜
- 【資料】青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について(答申) (第1回)
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- 編集後記
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編集後記
▽表現活動は、本来人間の生の根源的なエネルギーの表出に根差した行為で、例えば、子どもの遊びは、その典型である。人間は、感受性や好奇心を原動力として、表現活動と交感の場を通して、自己を発見し、自己実現の喜びを味わい、自らが生きていることを確かめながら暮らしている。だが、子どもの現実は、深まる情報化社会の中で、時間も空間も管理され、動機までも操作され過剰適応を強いられている。心身の疲労の果てに、自己を喪失し、無気力に陥ったりして、無表情な顔つきを見せる。孤立しがちな子どもには、携帯電話などのメディアが、ネットワークの機会を与え間接的なコミュニケーションの場を簡便に提供する。だが、仮想現実への逃避、気晴らしやストレス解消の手段にとどまる場合がほとんどであろう。意味のある使い方をするには、人が生きていく上で不可欠な心、交信に値するか否かが問われる。あらためて、育ち盛りの子どもに、生きている喜びを実感できる表現活動を学校内外に仕掛け、世界の「共通言語」である芸術文化を愉しむことができる「文化としての耳や目や口」を育てる美的表現の教育を展開したいものである。本特集は、人間的な感受性と表現力を育て、精神的なゆとりの豊かさと個のアイデンティティの確立を追求する視点から、子どもたちの創造力・想像力の解放をめざす実践的取り組みに焦点をあててみた。編集では、大人教の新保真紀子さん、大阪市同教の西口清さんのご協力を得た。資料では、伏見泰寛さんのお世話になった。
▽七月二九日、中教審は、青少年の奉仕・体験活動推進に関する答申を文科相に出した。奉仕活動を、高校・大学の単位に認定したり、入試で評価対象にするほか、学校ごとの活動状況を公表し競争を促すという。実績をポイント化して公共施設などの割引利用にも使うなど、ボランティア精神からすれば論外である。奉仕活動の義務化は、教育国民会議の提言に始まるが、青少年対策による国民教化策ではないか。
(桂)
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- 明治図書