- 特集 解放教育のフロンティアを拓く 池田寛の世界
- 特集にあたって
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- 学校文化に関する理論的研究
- 学校文化論・再生産論の受容と展開
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- マイノリティ研究と同和問題との接合
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- 青年文化論の展開
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- エスノグラフィーへの着目
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- 同和地区の教育達成に関する経験的研究
- 学力生活実態調査の実施
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- 自尊感情概念の導入
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- 学校でのフィールドワークの試み
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- 地域教育システムに関する実践的研究
- 地域教育改革へのかかわり
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- 「教育コミュニティ」概念の創出
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- 市民性教育にかける思い
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- 今後の課題
- 「どこでどうまちがったのか」という問いからの出発
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- 池田寛先生 主要著作リスト
- エピグラフ
- 「ゆとり教育」の落とし穴
- 〜岩木秀夫著『ゆとり教育から個性浪費社会へ』(ちくま新書、二〇〇四年)二三〇〜二三一頁〜
- 座標
- 〈遺稿〉市民(citizen)をつくる
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- 追悼・故池田寛先生への痛惜のことば
- 池田先生を偲んで
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- 池田先生の思い出
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- 池田寛先生のご逝去を悼む
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- 先生との対話
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- 二一分間の池田塾
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- 生きている池田先生
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- 英国・リーズ便り (第3回)
- イギリスの平和教育
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- のぐっつぁんのモノローグ (第15回)
- 「破れ窓理論」と学校づくり
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- 共生のトポス (第27回)
- 「本当にダブルでよかった」
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- 倫敦学力事情―大阪訪英団が見たイギリス教育改革 (第4回)
- 学校効果の大合唱の中で
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- つづり方便り―森の学校・発 (第14回)
- ありのままを書くこと
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- 編集後記
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編集後記
▽覚悟をしていたとはいえ、池田寛さんが逝った後、心の底が抜けたような虚脱感に襲われている。解放教育の理論的構築に真正面から挑む気迫が感じられ、信頼と共に大いに期待を寄せていたからであろうか。一九八八年頃の箕面市学力・生活実態調査からのつきあいであったが、本研究所のメンバーとして春夏の合宿研究会で、幾度も調査報告をしていただいた。二〇〇〇年八月一一日、たまたま高知県教委の研修講座の講師として、高知市内で出会い、午前中の仕事をすませた後、ひろめ市場に案内してもらい、呼び出した弟さんと三人で昼食をいただいた。その後、折よくよさこい祭りの最中で、全国各地から参集した踊り子チームの迫力あるパフォーマンスに見とれて、二人で一時間あまり行列の後を追って歩き回った記憶が鮮明に残っている。本特集は、大阪大学の志水宏吉さんを中心に、木村涼子さん(阪大)、高田一宏さん(兵庫県立大)、西田芳正さん(大阪府大)のご協力を得て、池田寛さんの研究成果を継承・発展させるために、とりあえず、研究業績を整理しておくことを目途に、企画したものである。主要著作リストの作成では、研究室の戸田香さんのご尽力をいただいた。お世話になった皆様に、心よりお礼を申し上げたい。
▽巻頭言・座標は、病床の池田寛さんが渾身の力を振り絞って書かれたメモ書きを、木村涼子さんがまとめられた遺稿である。なお、この三月末、美原中学校校長職を定年退職された矢野洋先生の連載は、都合により、次号回しとなった。
▽イラクは、ゲリラ戦の様相を呈し始めている。日本政府は、なりふり構わず、ブッシュの戦争に協力するのであろうか。国内では、連日マスメディアで児童虐待死事件が報じられている。家庭の崩壊と地域の解体が、子どもたちを襲い、生命と人権を奪っている。二一世紀は人権と平和の世紀にという願いもむなしく、戦乱と災害の世界になろうとしている。
(桂)
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- 明治図書