- 特集 《未来をきりひらく総合学習》への提案◇「国連・持続可能な開発のための教育の10年」によせて
- 特集にあたって
- 解放教育にとっての「持続可能な開発のための教育(ESD)」
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- 《持続可能な開発のための教育》と総合学習
- 「国連持続可能な開発のための教育の10年」で私たちがめざすもの
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- 総合学習サポートからコミュニティ教育の創造へ
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- 持続可能性のための「総合学習」―人材育成が鍵
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- 未来をきりひらく総合学習
- 職業体験活動から提言へ―子どもたちが社会へ発信する総合学習
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- 「地球大好き」―「世界とつながろう」(五・六年生 総合的な学習)の実践を通して
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- 「先ぱいの思いをここに」―16地蔵モニュメント作成を「平和」の誓いに
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- 「ええやろ、わたしらの町」―「マイタウンきしべ」に取り組んで
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- 仲間と支え高め合う生徒の育成―フレッシュキャンプ・エンジョイキャンプ・そしてオキナワへ
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- エピグラフ
- 民主主義と立憲主義
- 〜山口二郎著『戦後政治の崩壊―デモクラシーはどこへゆくか』(岩波新書、二〇〇四年)一五一〜一五三頁〜
- 座標
- 人権確立の社会システムを構築しよう
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- 〜いま、「虹の連合」がめざすもの〜
- こころの風向計 (第3回)
- 「スタンの民」
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- 共生のトポス (第31回)
- この多様な世界で文化の自由を
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- 「けりがつくまでつづる」ということ (第2回)
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- のぐっつぁんのモノローグ (第19回)
- のどに刺さっていたトゲがぽろり
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- つづり方便り―森の学校・発 (第18回)
- 関係をつくりなおすこと
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- 【資料】日韓文解/識字学習権宣言
- 日韓文解/識字共同体交流会
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- 編集後記
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編集後記
▼本号では、「持続可能な開発のための教育の一〇年」と結びつつ、総合学習について考える特集を組んだ。「持続可能な開発のための教育の一〇年」は、まだあまり知られていないが、解放教育にとってもこれから大きなテーマになりうる課題である。人権総合学習と関わって、さまざまなテーマが取り上げられている。その中には、この「一〇年」に関連するものが数多く含まれている。森良さんの言い方を借りれば、この「一〇年」は、《私》から出発して、《世界》へと向かい、そこから《地域》へと帰ってくる回路を築いていく学習を築くことが課題だ。《地域》の中に《世界》があり、《地域》の中に《私(たち)》がいる。《地域》に焦点を合わせることで、《私》と《世界》が強い絆で結ばれていく。
この「一〇年」を知ることにより、自分たちの行ってきた総合学習の実践を裏付ける新しい発想をえたと感じる人も少なくないだろう。人権総合学習をより広く深い枠組みの中に位置づけ直すことも可能である。もとより、総合学習だけではない。部落解放をめざしてきた教育の全体が、いわばこの「持続可能な開発のための教育」だったということもできる。
とはいえ、この概念自身が未だ発展途上であり、具体的な内容をこれから創造していかなければならない面を含んでいる。現場で積み重ねた実践と、そこで抽出された検証軸を大切にしながら、この概念そのものを鍛えていかなければならない。本号に掲載させていただいたさまざまな実践は、そのような作業の骨組みを提供してくれることだろう。特集にあたって、テーマに応じた実践報告を取り上げるために、大人教事務局、市人教事務局にお世話になった。お礼申し上げたい。
(森)
▽本誌九月号の〈座標〉(大賀正行さん執筆)の中で、森昭雄著『ゲーム脳の恐怖』が肯定的に評価されていたことに対して、平野裕二さん(子どもの人権連・代表委員)から、非科学的で、精神科医の斎藤環氏など専門家も否定的な評価をしているとのご指摘をいただいた。
(桂)
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- 明治図書