- 特集 ポスト《人権教育10年》を展望する
- 人権教育の一〇年
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- 日教組運動にとってのこの一〇年
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- ひろがりとつながりは、うねりとなりえたのか―同和教育運動にとってのこの《一〇年》
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- 受け継ぐもの・創り出すもの―同和教育を人権教育として再構築する(再提言)
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- 多民族/多文化共生をめざす在日外国人教育の展望―在日朝鮮人教育の何を継承するか
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- 子どもの権利とこの一〇年
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- 【資料】大阪宣言・21世紀に向けた人権教育の挑戦
- 緊急小特集 故・蔵本穂積先生への哀悼のことば
- 月例会の思い出
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- 焼酎と辛子と綴り方と
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- 蔵本さんとの思い出
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- 今もなお新鮮で輝くことばを心に刻んで
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- ありがとう蔵本先生!
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- エピグラフ
- 診断とは何か
- 〜高岡健著『人格障害論の虚像』(雲母書房、二〇〇二年)五二〜六七頁〜
- 座標
- ソフトパス(ほどほど路線)へ転換しよう
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- 共生のトポス (第33回)
- 変わる? 在留特別許可の未来
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- こころの風向計 (第5回)
- 「彷徨」
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- のぐっつぁんのモノローグ (第21回)
- 古田はヨン様を超えた
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- つづり方便り―森の学校・発 (第20回)
- 子どもの元気が生み出すもの
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- 2004年度にんげんセミナー
- 基調報告 人権教育読本『にんげん』の編集方針について
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- コンサート 渡辺千賀子の小さな手のひらコンサート
- トーク 子ども虐待 その現状と課題
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- 編集後記
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編集後記
▼「人権教育一〇年」が終わろうとしているいま、その影響はプラスばかりとは言えませんし、その全体像は、十分に見えてきているわけではありません。国連の動きに対する日本政府の反応は、「機敏」でした。しかし、同和対策事業にかかわる法切れに連動する形で進みました。全体としてみれば、教育政策は右傾化し、人権教育に関連する動きは、あだ花だとうつる場合もあったでしょう。各地の同和教育研究協議会が人権教育研究協議会など、人権を名称に含む形に変わっていきました。しかし、存続に困難が生まれている場合があります。
いずれにせよ、この「一〇年」が終わろうとしているいま、新しい時代に向けて何らかの提案が必要とされていることに間違いはないでしょう。いまの時代をどのようにとらえ、それに答えてどのような提案をするかが問われているのです。特集では、世界と日本のさまざまな視点で、「人権教育一〇年」の意味をとらえ直そうとしました。難しい時期に原稿を寄せてくださった執筆者の皆さんに感謝しています。
▼各地で熊が山を下りて人里に現れています。熊は森の生態系の頂点にいる、だから、熊が住めなくなった森は滅びると言われます。熊がこんなに人里に降りてきているということは、今夏の暑さや度重なる台風という今年独自の要因はありますが、森の生態系全体が壊れつつあることを示していると見るべきです。それぞれの地域で熊が出たことに対応するだけではなく、日本の森全体をチェックし直し、今後の森に関する政策を根本的に考え直すべき時期なのではないでしょうか。教育においても、重要なテーマとして取り上げるべきです。(森)
▽緊急小特集として、故・蔵本穂積先生の追悼文を五名の方からお寄せいただいた。ありし日の蔵本先生のお姿を見せていただいたような気がする。この特集にあたって、大阪市の西口清先生、松原市の天野里子先生のご協力をいただいた。
▽七月に開催された「にんげんセミナー」の報告を掲載した。人権教育読本『にんげん』として装いも新たになった「ひとシリーズ」のこれからの実践展開に期待したい。
(山本)
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- 明治図書