- 特集 外国人教育の現状と課題
- 特集「外国人教育の現状と課題」にあたって
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- 「戦後」という虚構
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- 地域における多文化共生保育の取り組み
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- 国際子ども学校の歩み
- フィリピン人の子どもたちとともに
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- Bom dia からの出発
- ラテンの子どもたちと共に学んで
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- 浜松市における外国人と教育
- 中学卒業後と言語の問題から
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- 一人の渡日生として感じた日本の学校 そして教師となった今感じる日本の学校
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- カン・ザーネ・ホ?(どこへ行くの?)
- 「教育改革」の理念と現実
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- 素顔の朝鮮学校
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- 座標
- 国連「人権教育のための世界プログラム」の視座と原則
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- 第57回全国人権・同和教育研究大会開催要項
- 中国残留孤児の日本語力を規定しているものは何か (第1回)
- (前編)
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- だまってられへん (第8回)
- どてらい人
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第7回)
- 続・ジェンダー再考
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- 解放教育四一年間のさまざまな出会い (第8回)
- 誇れる柴高づくりと退学防止の取り組み(前編)
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- ふくおか発 今Doki子どもたち (第5回)
- 達成感が新たな欲求を生み出した
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- 若いせんせいに送るラブレター (第8回)
- 不登校の子どもたちとともに
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- 元気のもとはつながる仲間 (第8回)
- 生きることが軽んじられる世の中で(後編)
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- 共生のトポス (第44回)
- 14歳の私
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- メディア社会を生きる〜メディア・リテラシーのすすめ〜 (第4回)
- 学校におけるテレビ・リテラシー学習の可能性
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- 授業と学級づくりを愉しむ方法 (第8回)
- 「実践記憶」より「実践記録」が確か
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- Let's Collaborate 《金川の教育改革》 (第6回)
- はがれ落ちる学力と二極化現象を越えて
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- 編集後記
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編集後記
▽ここ数年、「外国人教育」の原稿を依頼される側にいたが、今回特集を組むにあたり考えさせられた。外国人の子どもの研究や教材の開発が進んでいるのに悲惨な出来事がなぜ繰り返されているのか? 中村一成さんが指摘する「抑圧者」と「被抑圧者」の明確な関係の、隠蔽/忘却なのだと再確認した。民族を分断し、カテゴリー化し、ステレオタイプを焼き付け、さらに複雑で多様な背景の子どもたちは「いない」存在となる。日本国民以外存在しないかのように。すべての子どもの権利を保障しなくてはならない国がそこから目を逸らせて、目の前の子どもをほってはおけない人びとが身体を張って彼らを守っている(>_<)。
▽日本から満州への棄民、戦後は残留という言葉での棄民、そして帰国後の放置という棄民。国によって三回も捨てられた中国帰国者集団訴訟の大阪地裁での請求棄却は記憶に新しいが、裁判支援に奔走し、原告の人びととの信頼関係の中で聞き取った鍛治さんの投稿は貴重である。彼らの声なき声は、ブラジル移民として帰国したヘジーナさんの聞き取りとも重なり、より弱い人の人生を奪う公権力を浮き彫りにしてくれた。こうしたことを許さないためにも、政治参加の大切さを思った。
▽明日は衆院選。日本国の構成員である外国籍の仲間たちに、この日が無縁でなくなる日はくるのか。
(縁)
▼この六月に、隣町で中国帰国者の日本語教室を他の方たちと開設した。関わってみて、いろいろなことが見えてきた。いや、正確には、わからないことがたくさん出てきたと言うべきか。幸い、留学生や日本人学生の参加も得て、毎週土曜日の学習は進んでいる。しかし、順調とは言い難い。今回の特集で執筆者の方たちが指摘している課題と重なる部分も多く、しみじみしながら読ませていただいた。
▼選挙を終えて数日。衆院選の結果はご存じの通りであった。私は、大勝した与党はむしろ慎重に物事を進めるのではないかと期待も込めて推測したが、いま見ている限りでは、勢いに乗ってやりたい放題になりそうで心配になってきている。
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