- 特集 生活つづり方 このよきものを未来へ
- プロローグ 展開的過去形とは
- 展開的過去形の文章
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- 座談会
- 生活のつづり方で子どもが育つ
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- 実践から生まれる生活つづり方
- 自分を見つめるつづり方へ
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- 「つづり方」の授業―関係の再構築
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- つづること、読み合うこと
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- くらしをとらえる
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- エピローグ
- 生活つづりかたとなかま
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- グラビアと解説
- Every child is gifted with play
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- 授業と学級づくりを愉しむ方法 (第14回)
- 「健全な自尊感情」を呼び覚ます言葉
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- 共生のトポス (第50回)
- 「移動時代」と女性への二重基準(ダブルスタンダード)
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- 元気のもとはつながる仲間 (第14回)
- 心をひとつにしたとき夢はかなう
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- 〜CD制作編〜
- ふくおか発 今Doki子どもたち (第11回)
- 子どもの多面性
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- 〜忘れ物の水筒〜
- 君は君の人生をうたえ―若い教職員からのメッセージ (第1回)
- 未来塾で学んだこと
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第13回)
- 伝統とジェンダー(1)
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- だまってられへん (第14回)
- シソーノーローに気をつけて
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- メディア社会を生きる〜メディア・リテラシーのすすめ〜 (第9回)
- メディアリテラシーをどうすすめるか
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- 〜象徴的貧困を再生産しないために〜
- 生かされて―ヒロシマから未来へ (第2回)
- 太平洋戦争(第二次世界大戦)教育の中で
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- 倫敦マイノリティ事情 (第2回)
- 移民へのアプローチ
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- 〜比較的視点からみるイギリスの独自性〜
- 編集後記
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編集後記
▼生活つづり方は日本の教育の大きな財産の一つです。第二次世界大戦の東北地方で生み出され、戦後は『山びこ学級』などで広く知られるようになりました。一九六〇年代には、さまざまな方向に発展していきました。解放教育運動も、この流れを受け継いで発展させてきました。一九七〇年代になると、生活つづり方運動を担ってきたひとり、国分一太郎さんが解放教育運動のなかの生活つづり方をさして、「人間つづり方」と呼びました。東北の生活つづり方運動が大切に守ってきた精神が、解放教育運動のなかで息づいているという意味だったといえるでしょう。
▼ところが、生活つづり方は、解放教育運動の現場でつねにメジャーであったわけではありません。地道にかつ熱心に取り組む活動は各地にあったものの、解放教育・同和教育・人権教育に取り組んでいる人が必ずしも生活つづり方の基本についてくわしく知っているとは限りませんでした。今回の特集では、生活つづり方の基本を押さえつつ、その現代的意味が伝えられることをめざしました。詳しくは本文に譲りますが、情報社会のいまこそ、生活つづり方の精神と方法論が広がってほしいものです。
▼本号から、若い教職員による連載が始まりました。「君は君の人生をうたえ」というタイトルは、本誌の編集長だった故中村拡三さんからいただいたものです。全文は次の通りです。
この山にのぼり
この畑を耕し
君は君の
人生をうたえ
一九八八年一月
これは、中村拡三さんと、本誌編集業務にあたっていた辻玄子さんが設立した生活教育研究所宿舎の玄関にあった言葉です。以前から、この精神はどこかで引き継ぎたいと思っていました。私はこの言葉に、映画「サウンドオブミュージック」に出てくる「すべての山に登れ」という歌に通じる《何か》を感じます。執筆くださる方たちの力で、この連載が未来を生み出す《何か》につがなることを期待します。
(森)
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