- 特集 国際教育をどう推進するのか
- 文部科学省が進める『国際教育』
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- 多文化共生をめざす国際教育の取り組み
- 多様性を生かし、豊かな地域文化の創造をめざして
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- 豊中における国際教育の取り組み
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- 沖縄の公立学校におけるアメラジアンについての学びの導入に向けて
- 〈違い〉と〈重なり〉をいかに学ぶか
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- グローバル時代の「学力」としての「学びあう力」
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- 資料/初等中等教育における国際教育推進検討会報告
- 国際社会を生きる人材を育成するために
- グラビアと解説
- English FEVER
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- 共生のトポス (第57回)
- ときめく学校・地域づくり②
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- ~ESDなひと~②~
- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第20回)
- ジェンダーと生物学(3)
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- 生かされて―ヒロシマから未来へ (第9回)
- 組合運動に
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- メディアリテラシーの次の一手 (第2回)
- エンパワメントとしての映像製作
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- 元気のもとはつながる仲間 (第21回)
- いま、ここでの自分にこだわって(後編)
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- ~ふたたび愛媛、第五八回全同教大会へ~
- ふくおか発 今Doki子どもたち (第18回)
- いつまでも友だち
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- だまってられへん (第21回)
- つかず離れず
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- 編集後記
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編集後記
▽二度の大戦後ユネスコが取り組んだ、知識による国際理解教育は、一九六〇年代に次々に独立したアフリカ諸国から社会問題の解決にはならないと強烈な批判を受け、一九七四年「国際教育勧告」を宣言し、人類の生存を脅かしている諸問題の解決に教育はむけられるべきだ」と大転換を図った。
他国を単に理解し、圧倒され、無力感を持つのではなく、そのことを他人事としてではなく、他者と解決法をみつけ、行動に移すよう動機つけられていく実践としての教育を打ち出した。
▽時を同じくし、日本では七四年中教審で初めて「国際」の文言が教育に取り入れられた。その後、国際理解教育として①国際交流と理解②自国文化への誇り③英会話の要素が脈々と三〇年続けられた。その結果、日本の子どもは、世界の問題、抽象的な概念の問題、価値の問題はおろか、自らを語ることができなっていった。もう六~七年も前のことだが、鶴見俊介が「日本では小学生のときから目先のことだけを見る癖をつけている。それが成績をよくする道だからだ。だが、成績は学問ではない」と紙上でのべていたことに重なった。三〇年遅れても、今回の国際教育が、目先の学力問題に振り回される事なく、他者と学びあう力としての学力を育み、ユネスコの唱えた人権を基調とした反差別ち社会変革に繋がってほしいと望まずにはいられない。
(榎井)
▼文部科学省の政策を見ていると、以前であれば共存できなかったような政策が並行して出されている。一方での日の丸・君が代強制、他方での人権教育や国際教育もその一つである。教育基本法の改悪が行われれば、この矛盾はさらに広がるだろう。国家主義的に人権教育や国際教育が展開されるおそれも大きく、閉塞感に襲われる。この際、こうした動きをさらに大きな変化の一環としてみる方がよいのではないか。トフラー夫妻著『富の未来』などを読んでそう感じる。サイバー空間で遠く離れた人とつながりながら、労働組合・町内会(自治会)など、生活の場や労働の場で幅の広い運動を組織したいものだ。
(森)
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