- 特集 総合学習サバイバル
- 明日からはじめる人権総合学習のために
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- 『タオル作り』で「集団作り」―小学校で取り組むキャリア教育
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- 人権総合学習(部落問題学習)の可能性
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- 人権を柱とした「総合学習」=「キャリア教育」の実践と「教科学習」を「総合学習」に変えた実践
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- NEW BORN (第4回)
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- 2008年度にんげんセミナーご案内
- 元気のもとはつながる仲間 (第40回)
- 同和教育は人権教育に、そして「道徳」に呑み込まれるのか
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- 〜新学習指導要領を読む〜
- 往復書簡 子どもと学級と人権文化◆WEST&EAST (第16回)
- 初めての転勤
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- 担任・教室の悩み快消◆難デモ相談室 (第16回)
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- 編集部の本棚
- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第39回)
- ポルノとフェミニズム(1)
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- 小西先生の『学級革命』を読む (第4回)
- 子どもに素直に頭を下げられる教師
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- 【コラム】ノリきれない国際公務員のつぶやき (第4回)
- 気候変動あるいは言語変動???
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- 第四回 国分一太郎「教育」と「文学」研究会 ご案内
- 共生のトポス (第76回)
- チベット難民の子どもたち
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- 学校が元気になるちょんせいこのファシリテーションDiary (第15回)
- 教育文化を育むために
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- 〜シンプルなマニュアルを作ろうA〜
- ぼくとわたしの学年日記 (第4回)
- 「崇宏は、ええやっちゃ。」
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- 北のおるた〜北海道からの便り〜 (第1回)
- さっぽろ自由学校「遊」を紹介します
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- まいにち? マイニチ!
- 新!子どもがつづる
- おもちゃばこ (第16回)
- まず、『楽しい!』があって、『わかった!』『ヤッタネ!』とつづきます。
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- 編集後記
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編集後記
▼学習指導要領は国家主義的な傾向を強めつつ改訂されました。人権に反する動きが色濃く反映しています。この評価をめぐる議論は、さらに深められるべきでしょう。
国境を越えた労働力と資本の移動が急速に進んでいます。「豊かな国」と「貧しい国」の格差という問題から、それぞれの国のなかでの貧富の格差が急激に拡大しつつあります。人権という普遍的なものさしがこれまでにもまして必要です。日本が置かれた政治・経済的状況を踏まえて、政治的な力になるよう次の方向を打ち出すべきです。
▼指導要領に対して実践的に立ち向かうというとき、焦点のひとつは「総合的な学習の時間」でしょう。新しい学習指導要領においても「総合的な学習の時間」は、時間数は削減されつつも存続することとなりました。このことは、さまざまな意味と可能性を含んでいます。第一に、現実社会と結び、子どもたちの社会への発信を応援し、
子どもたちが社会とつながりながら成長していく可能性が残されたということです。第二に、子どもたちにとっておもしろくてためになる総合学習を実践する必要性がさらに明瞭になったということです。第三に、これは、どのような学力をいかに育むかという問題と不可分です。フィンランドをはじめヨーロッパで重視されている学力と、
日本で重視されている学力のズレがハッキリしてきました。PISA型学力は、「総合的な学習の時間」が追求する学力に近いものでした。総合学習を実践的・理論的に発展させることにより、新たな方向性を打ち出せます。そのことに通じる充実した論考を寄せていただいた方々に感謝します。
▼二〇〇九年三月にブラジルで第六回国際成人教育会議が開かれます。主催のユネスコは各国政府に報告を求め、報告の五本柱の一つを識字としています。日本政府は何を報告したのでしょう。私の知る限り、日本は、識字の概念規定もなく、実態調査もせず、法律も制定せず、財政的支援もなく、報告することは何もないはずです。世界各国の識字政策は、この二〇年間に大きく前進しました。一方、日本の識字政策にとっては、まさに失われた二〇年です。
(森)
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