- 特集 子どもと暴力―暴力からの回復
- 「暴力」を考察する
- /
- 子どもに対する暴力をめぐる国際動向―広がりつつある「体罰全面禁止」
- /
- 児童虐待と貧困―スクールソーシャルワークの現場から
- /
- 子どもと向きあって―児童家庭支援センターの現場から
- /
- 貧困とこども(へ)の暴力
- /
- ドメスティック・バイオレンスと子ども
- /
- 【資料】子どもの権利委員会 一般的意見8号(2006年)抜粋
- 体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利
- NEW BORN (第11回)
- /
- 小西先生の『学級革命』を読む (第11回)
- 教師は面倒見の良過ぎるお節介人ではなく
- /
- 担任・教室の悩み快消◆難デモ相談室 (第23回)
- /・
- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第46回)
- やおい/BL入門のために(1)
- /
- 学校が元気になるちょんせいこのファシリテーションDiary (第22回)
- 現場のリアルな課題を解決する研修(4)
- /
- 【コラム】ノリきれない国際公務員のつぶやき (第11回)
- モルディブにも新しい風
- /
- 元気のもとはつながる仲間 (第47回)
- 大切に思うからこそ論議を尽くしたい
- /
- 〜全同教へのラブレター〜
- 沖縄散歩 (第6回)
- アメラジアンスクール・イン・オキナワ
- /
- おもちゃばこ (第23回)
- ここちいい表現スタイル、み〜つけた!
- /
- まいにち? マイニチ!
- ぼくとわたしの学年日記 (第11回)
- 一枚文集を続けてきて……
- /・
- 〜ヒロにとって書くことの意味〜
- 編集部の本棚
- 共生のトポス (第83回)
- 小学校「外国語活動」が地域をかえる(後編)
- /
- 〜出会いとエンパワメント〜
- 編集後記
- /・
編集後記
▽教育のもつ暴力性を容赦なく抉り出し、世界にその名を轟かせた元精神分析家であるアリス・ミラーは、子どもへの暴力と虐待は、何千年も昔から幾世代にも渡る恐ろしい連鎖により続けられ、それが伝統やしつけ、「お前のため」というレッテルでかばわれてきた事実を訴えている。子どもに手をあげた経験のある大人は少なくない。そこにもっともらしい道徳的社会的な理由が付けられてはいないか。「いい子になりなさい」と次世代にも強要する大人の心の中に、実は、沈黙の高い壁と、その向こうに押し殺してきた子ども時代があるという。
▽子どもが大人に依存し、愛し愛されたいという無限の憧憬をもつ故にこの抑圧を受け入れ、それが放置されることにより次の世代へと悪循環が起きるという。暴力の本質を見極め、今こそ無意識に容認している暴力に立ち向かい、この連鎖を断ち切ることがわたしたちに求められている。
(縁)
▼二〇〇八年十一月にブラジルで開催された「第三回子どもと若者の性的搾取反対世界会議」は、成功裏に幕を閉じた。はるばるこの会議に参加した友人たちは、元気になって帰ってきた。日本の報道では、取り締まり強化ばかりが強調されたが、さまざまな成果があったようだ。この会議の報告は、次号に掲載される。
▼今日、わたしの住む地域の識字学級にアフリカから十二人のお客さんがきた。「北国の春」の替え歌「読み書きの春」の合唱で歓迎し、平和を願いたたえるアフリカの一民族の歌で応えるところから交流は始まった。当該国の「基礎教育・識字省」の人も何人かいる。口々に、「ふるさとと同じ」「懐かしい雰囲気がある」と言っていた。「アフリカ人と会うのは初めて」がほとんどの学級生に「アフリカ人の第一印象は?」と尋ね、「はじめ見たときは怖かったけど、とても温かいとわかった」と返る言葉に、おもわず笑いが起こった。お一人は、「母親が読み書きがあまりできず、文字を教えて孝行したいと思っているうちに亡くなってしまった。だから皆さんの姿を見て格別な思いがある」と語った。言葉の壁など全く問題にならない、何かがあった。
(森)
-
- 明治図書