- 特集 シティズンシップ教育は何を提起するのか?~シティズンシップ教育にかかわる資料と解説~
- シティズンシップ教育の時代
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- シティズンシップ教育にかかわる資料
- 民主主義的シティズンシップ教育と人権教育に関する欧州評議会憲章
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- 二一世紀をめざすシティズンシップ教育
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- 児童の権利に関する条約(抜粋)
- シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会報告書(抜粋)
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- 多文化な子どもたちの声にふれる (第9回)
- ルーツは
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- アフガンに生きる子どもたち (第6回)
- 「子ども保健教育」の大切さ
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- 編集部の本棚
- 『証言 沖縄「集団自決」―慶良間諸島で何が起きたか』(岩波新書1114)/『部落問題学習の授業ネタ―5歳から18歳でやってみよう』
- おもちゃばこ (第42回)
- とことん思いを聴き合えばもっともっと理解できると思う。
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- まいど、おおきに! (第6回)
- 差別意識のインプット
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- 子どもを見る眼 (第18回)
- 自分のことは、おいといて
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- 北のおるた~北海道からの便り~ (第14回)
- 紋別の産廃施設建設計画をめぐって
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- 【コラム】ノリきれない国際開発仕事人のつぶやき (第6回)
- 言語のポリティックスと民族紛争
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- 映画をみる、映画でみる (第18回)
- 「祝い島」、記憶との対話
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- “授業を創る”ということ (第6回)
- 地域学習の授業づくり~教えねばならないことは「教えてはならない」~
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- ~キーワード:「教えてはならない」~
- まいにち? マイニチ!
- 学校=部活
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- 共生のトポス (第102回)
- 「乗り越える力」を信じて~バニア・アラジルさん
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- 編集後記
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編集後記
▼シティズンシップ教育への注目は、この二〇年ほどの間に高まっています。本文でもふれたように、現代世界でこれが注目されているのは、グローバル化や情報化を前提にして、新しいシティズンシップが求められているからです。ところが、日本社会では、シティズンシップ教育への関心は今ひとつ高まっていないように感じられます。本号で紹介した経済産業省の文書は、そんななかで重要な意味をもっています。けれども、この文書とて、国際的な動向に対比すれば、まだまだ控えめな内容に止まっているといわざるをえません。
▼日本の人権教育は、心がけや自尊感情、人間関係づくりなど、どちらかといえば情緒的なアプローチの教育に偏っているようです。社会に発信し、社会に参加し、社会を変えようとする教育は、きわめて弱いといわなければならないでしょう。しかし、本号では掲載できなかったのですが、同和教育・人権教育の文脈では、そのような性格を強くもつ実践は、全国各地に数多くあります。次回の特集では、そのような実践を各地から募りたいものです。すでに実践されている学校や教員がこの特集に注目してくださり、あるいはこれから実践しようとしている学校や教員がこの特集から情報を得てもらえれば、この特集に意味はあったといえます。
▼人権教育の文脈でシティズンシップ教育に早い時期から注目していたのは、故池田寛さんです。池田さんは、病床にあって、シティズンシップ教育の必要性を強く論じていました。池田さんは、コミュニティの教育力に一貫して注目していましたから、その延長線上にシティズンシップ教育が位置づくのは当然といえば当然です。しかし、それだけではない面も見逃すことができません。わたしは学生時代から池田さんからあれこれ話を聞いてきましたが、彼は、世界的動向に常に関心をもち、主要な英語の教育雑誌に常に注意を払ってきました。そのような行動が、常に確かで新しい方向を示唆することにつながったのでしょう。そのような姿を思い出しつつ、この特集を池田さんに捧げたいと思います。
(森)
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