- 特集 識字・日本語学習の課題
- アメリカのリテラシーと日本の識字をめぐる対話
- 話し手◆エリック ジェイコブソン(モントクレア州立大学)/聴き手◆森 実(編集部)
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- 【資料】「識字・日本語学習推進法(仮称)」要綱案
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- 日本語教育保障法案
- ニューカマーの第二言語学習権を保障する言語教育学・公法学的アプローチ
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- 2009年5月20日・初版 日本語教育保障法案より
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- 日本語教育振興法案の骨子例とその解説
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- 多文化な子どもたちの声にふれる (第21回)
- 0(ゼロ)
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- 子どもを見る眼 (第30回)
- 後輩にモデルを示すつながりを
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- 【コラム】ノリきれない国際開発仕事人のつぶやき (第18回)
- 「ピラミッドの底辺」ビジネス
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- 編集部の本棚
- 『エッチのまわりにあるもの 保健室の社会学』すぎうら なおみ:著/『部落史をどう教えるか』(第2版・増補改訂版)稲垣 有一、寺木 伸明、中尾 健次:著
- 映画をみる、映画でみる (第29回)
- 映画とういう追悼の旅路「バビロンの陽光」
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- 図書紹介
- 『外国にルーツをもつ子どもたち―思い・制度・展開』(アジア・太平洋人権レビュー2011)
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- ~井戸を掘ろう、つながろう~
- まいにち? マイニチ!
- 十五夜
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- おもちゃばこ (第54回)
- 「意見が違って、うれしい!と思うときあるねん。なんでだと思う?」
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- 共生のトポス (第114回)
- PARA SA AKING MGA MINAMAHAL NA ANAK(愛する子どもたちへ)
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- 編集後記
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編集後記
▼エリック・ジェイコブソンさんとの対談内容は、実際にはもっと広かったのですが、今回は、特集テーマとの関係に絞り込んで掲載しました。振り返ってみても、たとえば、アメリカ合衆国での識字関連法でいえば、一九九一年に制定の全国識字法との対比をしてもらえば、現在の法律の特徴がわかりやすかったかもしれません。要するに、現行法では産業政策に組み込まれた形で識字が推進されており、そのことによって広がった面と、内容に規制がかかって、人間の成長や自己認識の深まりという点が弱まっているということなのでしょう。また、ローカル・リテラシーといった概念が、生活的概念と科学的概念というヴィゴツキーの提唱とどのように関連づけられるかという点も面白い問題だと思います。紙面には表れていませんが、教員のもつべき境界意識、識字における教員のコンペテンシーとは何か、などなど、対談には面白いテーマが含まれていました。お願いに快く答えてくださり、実のある対話をしていただいたエリックさんに感謝しています。
▼資料に掲載させていただいた法案や要綱は、なかなか一冊の中に同時に掲載されることのなかったものなので、これを一つにまとめることは、これまで期待していたことでもありました。改めて三種類の法律案をみると、お互いの共通点をわたしは感じます。エリックさんの提案とも相まって、この三つがつながることを期待しています。急なお願いを受け止め、それぞれの法案掲載に協力くださった皆さん、どうもありがとうございました。
▼「脱原発」を唱えだした菅首相に対して、政界やマスコミの風あたりはきつく、批判の大合唱となっています。しかし、最近の首相の発言はもっともなことが多い。電力会社は節電を呼びかけていますが、そのメッセージには、福島第一原発事故以前に流れていた「原発は安全です。日本に不可欠です」というCMと同じ質を感じます。マスコミやジャーナリズム関連の方たちには、現在の状況の裏側に何があるのかという点をこそ、ぜひわかる形で明るみに出してもらいたいものです。
(森)
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