- 特集 新学習指導要領「算数」の重点課題C「算数的活動」の実践とアイデア「D 数量関係」
- 総論
- 関係を事象の動きで実感させる算数的活動
- /
- 算数的活動の趣旨を理解し、算数科学習指導の改善に生かす
- /
- 思考を重視した算数的活動
- /
- 学年別実践事例
- 1年/日常生活と結ぶ算数的活動の教材開発
- /
- 2年/テープ図でお話問題作り・仲間分け
- /
- 3年/算数的活動を通して、よりよい学校生活を創る
- /
- 4年/変化の決まりを見つける過程を楽しむ算数的活動
- /
- 5年/広告作りを通して、理解を深める割合
- /
- 6年/見つけ出す活動から理解を深める活動へ
- /
- 算数Short story (第82回)
- 暦は繰り返す
- /
- 自著を語る
- 『数学的な思考力・表現力を伸ばす算数授業』
- /
- 授業力アップ! 今月の授業と発問
- 【1年】ひょうのきまりを見つけよう
- /
- 〜大きい数〜
- 【2年】同じ答えの九九を整理しよう
- /
- 〜九九のきまり〜
- 【3年】筆算のしかたを説明しよう
- /
- 〜2けたをかけるかけ算の筆算〜
- 【4年】二次元の表の欄の意味を考えて問題を解こう
- /
- 〜調べ方と整理のしかた〜
- 【5年】くらべ方を考えよう
- /
- 〜割合〜
- 【6年】等しい比の考えを使って解こう
- /
- 〜2つの数で割合を表そう〜
- 算数が好きになる問題
- 1年/かたちじゃんけん
- /
- 2年/いろいろなものの長さをはかってみよう!!
- /
- 3年/ひみつの言葉をさがせ!
- /
- 4年/どんな式になるかな?
- /
- 5年/整数分解方陣
- /
- 6年/変わり方を考えよう
- /
- 算数授業奮闘記 (第81回)
- 学びとなり,学級みんなで楽しめる授業を
- /
- 算数教育ホットニュース (第82回)
- 全国学力・学習状況調査に見る記述式の問題の類型
- /
- 学力テスト予想問題にチャレンジ! (第10回)
- 情報の読み取りと組み立て
- /
- 新教育課程で算数科はどう変わるのか (第22回)
- 算数の新学習指導要領
- /
- 〜第6学年の概要〜
- 算数好きの子どもを育てる授業の改善 (第10回)
- 算数好きな子どもと感動詞
- /
- 移行期:算数授業の課題と実践の展開 (第4回)
- 図形についての指導
- /
- 指導と評価と支援の一体化 (第10回)
- 割合の学習から支援の在り方を考える
- /
- 活用力を育成する教材開発 (第4回)
- どんな場合が考えられるかな(5・6年)
- /
- 編集後記
- /
- 今月の楽しい問題 チャレンジコーナー
- 正方形を並べて作る図形を考える
- /
編集後記
算数的活動について,「数量関係」の領域にかかわるものを見てみると,低学年では,式についての算数的活動,中学年・高学年では統計的な教材,関数的な教材についての活動が想定されている。そこでは,式,図,表,グラフにかかわる活動が想定されている。
小西氏は,加法と減法の相互関係を形式的な処理に頼るのではなく,具体的な事象に基づいて考えさせる「事象処理」として理解させることを提案されている。これは,数量の動きの関係性を子どもが「見える」形にして考えさせることを意図されており,賛成である。中川氏は,算数的活動についての位置づけと変遷,及び「見付ける」「表す」「調べる」「用いる」などのキーワードを紹介されている。活動の意義と内容が明確にわかり,大いに参考になる。「これらの記述が,『教師の説明』や『計算練習』そのものを否定するものではない」と触れておられるが,この指摘は算数指導のベースであり,大事なことである。清水氏は,ひごの問題の事例をもとに依存関係の明確化,式表示における数値の意味を考えさせることが算数的活動で大切であると述べておられる。わかりやすい事例である。
いずれにせよ,第1学年から第6学年まで「数量関係」の内容が整備されたことにより,系統的な算数的活動を通した指導が求められてくる。今回の企画が,現場の指導の方向へと示唆となれば幸いである。
(志水 廣)
-
- 明治図書