- 特集 学び合う授業の創造と展開
- 学び合う授業の創造と展開
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- 総論
- 学び合いの授業の様相と教材研究
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- 学び合いを築く教師の『技』
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- 学び合う授業の起源とその意義
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- 実践
- 1年/「聞き合うこと」と「まねし合うこと」を大切にして
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- 2年/操作を通して学び合おう
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- 3年/カード遊びを取り入れたわり算の学習
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- 4年/算数を創る学び合い
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- 5年/学び合う授業を支える「教材研究」
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- 6年/学び合う授業は「問い」を持つことからはじまる
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- イチオシ! 板書紹介 (第2回)
- 何をもとにして考えるがわかる板書
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- 〜第3学年 23×30〜
- 自著を語る
- 『地域を育てる算数の学力―小規模校・複式の授業に学ぶ―』
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- 早わかり! 算数の用語・記号 (第14回)
- 「式」、「筆算」、「暗算」
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- 学力テスト予想問題にチャレンジ! (第26回)
- 記述する〜事実・方法・理由
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- 算数教育ホットニュース (第98回)
- 「学ぶ喜びを味わわせる」指導法の研究
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- 授業力アップ! 今月の授業とつまずき指導
- 【1年】いくつと いくつ
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- 〜いすとりゲームをして 6をわけよう〜
- 【2年】ひき算
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- 〜フラッシュカードと図で考えよう〜
- 【3年】わり算
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- 〜場面を絵や図にかいて考えよう〜
- 【4年】変わり方をグラフに表そう
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- 〜かたむきを意識させよう〜
- 【5年】合同な図形
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- 〜対応する頂点、辺、角の意味を理解しよう〜
- 【6年】平均とその利用
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- 〜平均をすばやく求めよう〜
- 算数授業奮闘記 (第96回)
- あたりまえがあたりまえでないとき
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- 算数が好きになる問題
- 1年/10にしましょう!
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- 2年/せつめい名人になろう!
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- 3年/わり算サッカー
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- 4年/どんな数が入るかな?
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- 5年/チェッカーフラッグをつくろう
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- 6年/分数魔方陣
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- 「ふきだし法」から見た新しい算数指導 (第2回)
- 「ふきだし法」で「とらえる」こと
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- 〜教育的瞬間と「ふきだし法」〜
- 子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第2回)
- 「B量と測定」領域での朱書き
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- わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第2回)
- 指導順序の工夫と「○つけ法」で学力アップ―佐山小学校―
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- 新算数科授業のICTラクラク活用アイデア (第2回)
- 簡易デジタル教科書を作ってみよう(1)
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- すぐできる! 自作教材教具の作り方・使い方 (第2回)
- 数の概念を広げる 数図カードの一工夫
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- 編集後記
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- 今月の楽しい問題 チャレンジコーナー
- 正方形は何個できますか。
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学び合う授業の創造と展開
中村 享史
算数のねらいには,数学的な思考力・表現力の育成があります。中央教育審議会の答申では,思考力・判断力・表現力の育成について次の6点の学習活動を挙げています。 体験から感じ取ったことを表現する。A事実を正確に理解し伝達する。B概念・法則・意図などを解釈し,説明したり活用したりする。C情報を分析・評価し,論述する。D課題について,構想を立て実践し,評価・改善する。E互いの考えを伝え合い,自らの考えや集団の考えを発展させる。この中で6番目の学習活動に注目したいと思います。それは,思考力・表現力を育成するために,学び合いの学習活動を行うことが大事であることを提言しているからです。集団で学ぶことの意味は,自分一人で考えるだけでなく,互いの考えを伝え合うことに意味があります。そこで,算数科の学び合う授業に焦点を当てて特集を組むことにしました。学び合いの授業は,集団で集まって一緒にいればできるという簡単なものではありません。教材の本質を踏まえた提示の仕方,比較検討における発問,評価の方法などと様々な場で工夫が必要です。
また,学び合いは,学年によってもその様相は違ってくると考えられます。小学校1年生の学び合いで大事なことは聞き合うことであり,真似し合うことではないでしょうか。自己中心性がまだまだ強い1年生では,自分の考えを発表するだけで終わるのではなく,他の人の考えを聞くことが大事でしょう。そのための指導法の工夫が必要になってきます。小学校6年生では,比較検討段階での話し合いの仕方がポイントになってくるでしょう。自分の考えと比較しながら共通点や相違点を見つけ出したり,今までの学習との整合性を考えたりします。そこに焦点化するためには,教師の発問が重要なキーポイントになると思います。学び合いを活性化するための発問のあり方を考える必要があります。
号では,学び合う授業のあり方や学び合いを活性化させる教材・問題について,また,各学年の特徴的な学び合いの授業例をご紹介します。
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