- 特集 算数授業でやるべきこと&やってはいけないこと
- 算数授業でやるべきこと&やってはいけないこと
- /
- 総論
- 1 子どもの信頼に応える教師を目指そう!
- /
- 2 子どもの視点に立った算数の授業づくり
- /
- 3 教師だからやるべきこと!できること!
- /
- 学年別実践事例
- [1年]互いの数感覚を共有する
- /
- [2年]言われた通りにできる子 と 創りだすことができる子
- /
- [3年]できる!からつなげよう!!
- /
- [4年]やるべき発問・やってはいけない発問
- /
- [5年]数学的な考え方や表現力をはぐくむために
- /
- [6年]計算の意味と方法の指導
- /
- 算数科教育―私の提案 (第2回)
- ものづくりの算数
- /
- 自著を語る
- 『3分間の一斉練習で学力アップ!中学校数学科「適用問題定着法」』
- /
- 算数教育ホットニュース (第110回)
- 割合に関連する学習内容
- /
- ここが知りたい!算数授業何でもQ&A (第2回)
- 問題解決型授業と説明型授業で成功するコツ
- /
- どの子も伸ばす!特別支援教育のツボ&今月の算数授業チェック (第2回)
- 個に応じた学習機会を作ろう!
- /
- 授業力アップ!今月の授業と発問
- 【1年】いくつといくつ
- /
- 〜いくつといくつで7〜
- 【2年】長さ
- /
- 〜線の長さは何p何o? また、何o?〜
- 【3年】円と球
- /
- 〜円の中心をみつけよう〜
- 【4年】一億をこえる数
- /
- 〜千万をこえる数のしくみを調べよう〜
- 【5年】小数×小数
- /
- 〜(小数)×(小数)の筆算の仕方を考えよう〜
- 【6年】分数÷分数
- /
- 〜分数でわる計算〜
- わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第14回)
- 算数科における言語活動の充実―八郷小学校―
- /
- 算数授業奮闘記 (第108回)
- 子供に興味をもたせる、もう1人の先生
- /
- 算数が好きになる問題
- [1年]どんな“むし”ができるかな?
- /
- [2年]ひき算ビンゴ
- /
- [3年]コンパスでえがこう
- /
- [4年]何度になるかな?
- /
- [5年]何方式で求めたでしょう
- /
- [6年]分数カードでゲームをしよう
- /
- 「足場」のある算数授業の新展開 (第2回)
- 読解問題を用いた算数授業事例(1)
- /
- 〜5年 分数+分数の授業から〜
- 子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第14回)
- 5月のノート指導と朱書き
- /
- イチオシ! 板書紹介 (第14回)
- 思考の過程が見える板書
- /
- 〜第1学年 40+30、70−20の計算〜
- 算数の玉手箱―授業,教材,ゲームアイディア集 (第2回)
- 国旗で学ぼう 垂直と平行
- /
- 〜4年【いろいろな四角形】〜
- 子どもと楽しむ12か月 算数面白小話 (第2回)
- 2位数の2乗の答えを求めよう
- /
- 編集後記
- /
- 数検問題にチャレンジ! (第2回)
- 数の並び方の規則を見つけよう!
- /
- 〜級:7級 単元:数の列 学年:5年・4年〜
算数授業でやるべきこと&やってはいけないこと
最近,若手の教師が本当に増えてきました。毎年,300人近くの授業を参観しコンサルティングしていますが,その中で「あれれ? 本当にこんなことも知らないの?」と思うことに遭遇します。若手教師に算数の授業でやるべきこととやってはいけないことの知識が欠けているということです。いや若手だけでなくベテラン教師の中にも私が話した内容を初めて知ったという方もおられます。
さて,私は授業力を次のように定義しています。
授業力={(教材把握力)×(子ども把握力)×(指導技術力)}×(精神エネルギー)
これらの4観点に沿えば,算数の授業でやるべきこと&やってはいけないことが明確になってきます。では本当にあったことを紹介しましょう。
例えば,教材把握力で言えば,0.6÷3の小数のわり算の第一時の場面では,「式はどうなるの?」と発問してもよいのですが,子どもが「0.6÷3になります。」と答えたときに「本当にそうですか?」と応答したことがあります。演算が初めて拡張されたときにはこういう切り返しはナンセンスです。子どもにとって整数のわり算の立式はできますが小数まではできるとは限りません。これも式を立てることの意味を教師が知っていないからです。
指導技術力で言えば,黒板に学習のめあてを書かずに進む授業を見かけます。また,板書を書いては消し書いては消す授業もありました。机間指導で言えば,できない子どもの指導をしていないだけでなく,机間指導において子どもの実態を把握しようとしない教師もいました。練り上げのときに不用意に子どもを指名し,予想外の考えが出て混乱している教師も見かけました。
精神エネルギーを,私は受容と肯定の心と定義していますが,自分の考えだけを押しつける授業も見かけます。1m÷2の答えをmと答えた子どもに対していやな顔をした教師もいました。0.5mと言ってほしかったからです。授業はどの子の考えも包み込んでいくようにしたいものです。これらは「やってはいけないこと」です。この裏返しのことをやると授業はうまく進みます。
本号では,授業での原則を明確に示し,原則を実行できるコツを具体的な実践事例とともにご紹介します。
(志水 廣)
-
- 明治図書