楽しい算数の授業 2011年7月号
伝え合い学び合う「グループ学習」のすすめ

S324

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楽しい算数の授業 2011年7月号伝え合い学び合う「グループ学習」のすすめ

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2011年6月6日
対象:
小学校
仕様:
B5判 74頁
状態:
絶版
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目次

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特集 伝え合い学び合う「グループ学習」のすすめ
伝え合い学び合う「グループ学習」のすすめ
志水 廣
総論
考え表現する能力を高める「グループ学習」
熊倉 啓之
相互作用を育む授業デザイン
池田 誠
意図をもって、まずは二人組から!
深井 文雄
学年別実践事例
[1年]ジュースを同じになるように分けよう~グループ学習で算数的活動を~
服部 真一
[2年]低学年におけるペア学習のススメ
白井 健元
[3年]子どもたちの思いに応えるグループ学習
髙橋 司
[4年]話し合うことで考えを高めよう!
ト藏 昌史
[5年]ねらいを明確にした伝え合い活動を
閏井 研司
[6年]グループ内でも関連付けあう学習を!
長島 寛和
算数科教育―私の提案 (第4回)
「算数する」学習を創ろう
池野 正晴
自著を語る
『算数科「問題解決の授業」に生きる「問題」集』
相馬 一彦
算数教育ホットニュース (第112回)
算数のことばを身に付けること
銀島 文
~割合の学習に関連して~
ここが知りたい!算数授業何でもQ&A (第4回)
机間指導の力をつける
志水 廣
どの子も伸ばす!特別支援教育のツボ&今月の算数授業チェック (第4回)
失敗に学ぶ!失敗を生かして、成功しよう!!
大羽 沢子
授業力アップ!今月の授業と発問
【1年】ひきざん
長谷川 濃里
~しきになるおはなしをしよう~
【2年】かさ
大島 純子
~かさをはかろう~
【3年】1億までの数
加藤 裕己
~大きな数の大きさをくらべよう~
【4年】小数
加藤 晶子
~小数のしくみを考えよう~
【5年】四角形の角
山内 良仁
~四角形の4つの角の大きさの和を求めよう~
【6年】図形の拡大と縮小
牧野 憲光
~縮図を利用して距離を求めよう~
わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第16回)
まず子どもたちに認められている実感を!―妻里小学校―
桐原 峰男
算数授業奮闘記 (第110回)
授業から飛び出す脳トレ算数ゲーム
雁金 隆
算数が好きになる問題
[1年]えと しきを むすびつけよう
吉田 衆一
[2年]水とうの中みが一ばんおおいペアは?
岸田 初美
[3年]さかさま数字をひき算すると?
兼石 淳一郎
[4年]どちらが見やすい?
秋山 泰孝
[5年]ふたごパズル
板倉 豊
[6年]歩はばから身長がわかる!?
山口 貴久
「足場」のある算数授業の新展開 (第4回)
子どもが足場をつくる算数授業事例(2)
石田 淳一
~6年 分数÷分数の授業から~
子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第16回)
7月のノート指導と朱書き
井出 誠一
イチオシ! 板書紹介 (第16回)
きめ細かく工夫された板書
志水 廣
~第5学年 分数のかけ算~
算数の玉手箱―授業,教材,ゲームアイディア集 (第4回)
大きさ比べで「きまり」を発見
斎藤 秀樹
~4年【分数】~
子どもと楽しむ12か月 算数面白小話 (第4回)
子どもの誤答から深める分数の指導
小畑 壽
編集後記
志水 廣
数検問題にチャレンジ! (第4回)
最も大きな面積はどれかな?
東原 正二郎
~級:6級 単元:量と測定 学年:6年~

伝え合い学び合う「グループ学習」のすすめ

 グループ学習とは,学級の子どもを数人ずつのグループに分け,各集団の成員の協力によって進められる学習方法,一斉学習と個別学習の間に位置する形態です。

 そこで,算数の学習でグループ学習について考えてみましょう。

 子どもは問題解決のとき,いろいろと悩んだりアイデアを思いついたりします。問題把握のときには,問題文の意味理解において悩んだり思いついたりします。また,解決の見通しを立てるときにも,どのように解けばよいのかについて悩んだり思いついたりします。さらに,解決したときには本当にこの解決方法でよいかを悩みます。

 これらの悩みや思いつきは個人での思考ですが,算数の授業では一人で悩んでいても,一斉学習のもとでは個人の悩みをうち明けることができません。また,アイデアが出ても一斉学習のときに発表するのは恥ずかしいという気持ちがあります。そんなとき,身近な友達がいれば相談しやすくなります。これがグループ学習のメリットです。

 「伝え合い学び合う」という授業を実現しようとするとき,また,一斉学習ではなかなか発言しにくい雰囲気のときには,グループ学習が向いているといえます。

 ただし,グループ学習にはデメリットもあります。例えば,リーダーが固定化してしまうと,悩みやアイデアは共有されずに,リーダーいわゆるよくできる子どもの考えの伝達機関として終わってしまうことになりますし,本来は悩みの共有が前提なのに,式と答えの出し方の伝達に終わってしまうことにもなります。

 本来のグループ学習のメリットは,悩みやアイデアの共有がベースで「伝え合い学び合う」ことを通して,子ども相互に考えが触発されて新しいアイデアを生み出すことにあると考えたいと思います。そこにはグループでの達成感・充実感も生まれます。

 そこで本号では,そのような授業を実現するため,伝え合い学び合うためのグループ学習の基盤となることについて理論的に述べるとともに,グループ学習の構成の仕方について焦点を当てて具体的な実践事例をご紹介します。

志水 廣

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