- 特集 “小1プロブレム”“中1ギャップ”対応の決定打28
- 特集のねらい
- 現場からの提言!小1プロブレム・中1ギャップの原因・対応策を探る
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- 小1プロブレム
- 保育園からみた小1プロブレム
- 逆セロトニン5が“小1プロブレム”を作る!!―教師が満足脳を作ってあげれば、子どもは安心し、クラスは落ちつくのだ!―
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- 幼稚園からみた小1プロブレム
- 小学校までのなだらかなスロープを!
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- 問題に対応するための効果的な引き継ぎ
- 入学前に児童理解ができる方法を、自主的に選択していく―幼稚園・保育園との連携と就学時健診の変革―
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- これだけは必要! 入学前の事前の準備
- 楽しい活動の中で、学習のルールを教えるために必要な物、事
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- 出会いの日で統率する
- 「やる気を起させる7箇条」を使いこなすことで、学級全体を統率する
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- 話が聞けない子にどう対応するか
- 不安要を1つ1つ取り除いて、話を聞く習慣を少しずつつけていく
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- すぐに暴力をふるう子への対応
- その場の対応と長期的に継続して行う対応の2つが必要である
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- 集まることや並ぶことができない子への対応
- 「集りなさい」では集らない。あいまいな指示をしていたことを1年生に教えられる。
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- 授業中,席に座れない子への対応
- 保護者と連携して行った『べんきょう名人カード』で見違えるほど落ち着いて学習できるようになった子どもたち
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- 何をするにも遅れる子
- 遅れる原因を探り、日常的に手を打つことで、教師のペースに巻き込もう!
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- おしゃべりがとまらない子への対応
- 楽しく緊張感のある授業を心がける
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- すぐに不安になってしまう子へのかかわり
- 「慣れ」と「信頼」で不安を和らげる
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- 食にこだわりが強い子へのかかわり
- ほめて、認めて、励まして、「躾」と「個別対応」を同時に行う
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- 気になる保護者へのアプローチ
- 信頼関係の構築に、即効性のある方法など存在しない
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- 中1ギャップ
- 中1ギャップ 小・中連携で何が必要か
- 年間を通して授業で連携せよ
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- 中学入学時学力調査から考える中1ギャップ
- 指導方法の巧拙が中1ギャップの有無を分ける
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- 中学校から見た,小学校教師に必要なこと
- 「基礎・基本」の習得を意識して指導する
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- 小6担任ができること
- 小中の枠組みの「落差」を埋めるのは授業しかない
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- 小学校から見た,中学校教師に必要なこと
- 圧倒的な勉強不足。専門家へ任せるな。あなたが教育の専門家である
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- 中1担任に必要な取り組み
- 最初が肝心 黄金の3日間に行う対応ベスト3
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- 不登校を出さない取り組み
- 長期的・多角的な指導
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- いじめを出さない取り組み
- いじめを生まない先手指導と、いじめに負けない体力を育てる
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- 教師のかかわり方のギャップ
- 学級担任制から教科担任制への移行に伴う子どもたちの不安感を和らげる3つの方法
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- 教科担任制 学習方法のギャップ
- 日々の授業で自身をもたせ、定期テストでのつまずきを防ぐ
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- 宿題・提出物のギャップ
- ここに生徒は戸惑う―中学校のここが配慮不足―
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- テスト・評価のギャップ
- ギャップを埋め、すべての生徒に優しいテストにする
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- 部活動で配慮すること
- 個への指導を保障する全体指導および、活動・競技そのものに熱中させること
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- 学習が遅れている子への対応をどうするか
- 励まし、進度の差に対応する
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- ミニ特集 “教育的リハビリ”の考えでNG場面を乗り切る
- 運動会の指導
- 子どもたちが困る3つのことに対応する
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- 学習発表会・音楽会の指導
- 個別評定で楽しく練習し、子どもの力を引き出す
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- 遠足・校外学習
- 「大まかであいまいな認知」に児童も書けるようになる作文、見学学習のまとめの方法
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- 学年集会などの長い時間
- 教師の指導に工夫や改善がなければ、リハビリどころか二次障がいをおこしかねない―「発達障がい児本人の訴え―龍馬くんの訴え―」を風化させない。繰り返し読み勉強すべきだ―
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- トラブルを起こしたとき
- トラブルを消火する教育リハビリは、トラブルの火の勢いによって異なる
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- 忘れ物をしたとき
- 忘れ物をしたら、どうしたらよいかを教える
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- 授業によく遅れる
- 授業に遅れるのには原因がある。怒鳴る指導はNG。教師が遅れさせないように具体的に教えて、ほめ続ける
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- グループ学習が苦手
- 誰にも対応できる グループ学習支援のポイント
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- 給食の指導
- 見通しをもたせ、満足脳にしてあげる
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- 授業中に立ち歩く
- まずは全体を優先し、しかるのちに個に対応せよ
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- 出し抜けにすぐおしゃべりをする
- ブレーキをかけられるようになる教育リハビリにはノルアドレナリンが必要だ
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- グラビア
- 第7回 発達障がい対応力向上セミナー in 岡山 ほか
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- 発達障がい理解 (第1回)
- 障がい歴史年表 ネアンデルタールの時代から縄文、そして現在まで
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- 〜日本の障がい理解をとりまく様々な出来事一覧〜
- 写真で見る構造化 分かりやすい情報伝達の工夫 (第7回)
- 生活習慣を向上させる「写真」を使った視覚支援
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- 〜たった1枚の写真で「説明」も「お説教」もいらなくなる〜
- 教育の新課題と特別支援教育
- 川島氏の主張を検証しよう!
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- 巻頭言
- ほめて,ほめて,ほめまくる
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- 『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第6回)
- エビデンス抜きの論議が子どもにもたらす不幸
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- 『龍馬くんの訴え』から学ぶ発達障がい指導原則 (第2回)
- 「体が勝手に動く」という子に,ストレスを感じさせない対応策を施す
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- 子どもに力をつけるTOSS教材教具
- 〈10玉そろばん〉10玉そろばん(=サポートそろばん)は,「10までの数」という局面を限定することで数の量感をつかめるようになる教材教具
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- 〈ソーシャルスキルかるた〉これならできる! 成功体験をイメージできるかるた
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- 〈輪郭英単語カード〉輪郭英単語カードは子どもに成功体験を与え,やる気を起こす教材である
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- 〈中学英語・学力補強プリント〉「英語学力補強プリント」の「なぞり書き」で教室がシーンとなる
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- 発達障がいの子に有効な手作り教材 (第2回)
- 十字スライド板とマス目見本合わせ
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- 〜自作の教材を通して、左右上下の概念を身に付けさせる。身に付けた力が日常生活に生きなければ意味がない。教師は常に教材の意図を考える必要がある。〜
- 若葉マーク必見―これだけは知っておこう 特別支援教育の基本用語 (第4回)
- 新たな障がい観と支援のシステム
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- 【最新】特別支援教育―最新用語や最新情報 (第4回)
- ストラテラの最新データとその効用
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- “あの有名人”も実は〜 教室で読み聞かせ:元気が出る実話シリーズ (第6回)
- 織田信長
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- 〜戦国時代を終わらせ,天下統一をめざした偉業〜
- 特別支援教育で学校は変わる (第16回)
- 学校教育の入り口と出口に山積する課題とその対応@
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- 学級担任に必要な「特別支援教育の基本スキル」 (第4回)
- 子どもが見えてくる22のキーワード
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- 〜子どもが見えなければ授業にならない!〜
- 教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第21回)
- 子どもの生活リズムを整え登校習慣をつける
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- 〜教師と保護者と医師で方針を共有し、大人の覚悟を示す〜
- コーディネーターのお仕事拝見 (第10回)
- 検査で担任と保護者と連携する
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- 誌上QAコーナー こんな時どうしますか
- 反応性愛着障がいの子への対応 キーワードは「信頼できる大人になること」
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- 特別支援学校・特別支援学級コーナー
- コーナー担当
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- 特別支援学校の実践
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- 〜シール貼り,線引き,色塗りの教材を3次元情報に変換して指導する〜
- 特別支援学級の実践
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- 〜アイロンビーズに取り組む〜
- 論文ランキング
- 30号/「教えてほめること」の重要性を主張した論文が人気!
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- 読者のページ
- 30号の学びや感想
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- 編集後記
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- TOSS特別支援教育イベント情報
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- どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
- 指書き・なぞり書き・写し書きのシステムで覚える『漢字スキル』。ワーキングメモリーを鍛える『うつしまるくん』。驚異の1億アクセス突破の『TOSSランド』を紹介します。
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巻頭言 ほめて,ほめて,ほめまくる
島根県奥出雲町立高尾小学校/吉川 廣二
2011年1月。箱根合宿で,「発達障がい児本人の訴え―龍馬くんの6年間―」(向山洋一監修/向山一門編著東京教育技術研究所)を買ってすぐに休憩を利用して読んだ。
一気に読んだ。読みながら,(これって,自分の小学生の頃とそっくりだ)と思った。途中からマーカーで印をつけた。ADHDの項を中心に,半分近くの内容にマーカーで印をつけた。ここに書いてあることは,小学生時代の自分のことだった。
龍馬くん冊子20頁にある,次の2つの内容について,合唱指導を例に述べる。
自分の声の大きさが分からず,音楽の合唱で自分だけ大きな声が出てしまう。
手の幅で今の声の大きさを見せてほしい。両手を広げた幅で「このくらい,このくらい」と見えるようにして知らせてください。歌を歌っているときはどうやったら大きい声で,どうやったら小さい声なのか最初に見せて教えてください
1声の状況を示す
子どもたちに,声がどの程度出ているかを分からせるために,2つの方法をとってきた。
@ここまで届いています
Aこんな大きさの声です
@は,声の届く距離を示している。また,Aは,声の大きさを示している。そのことによって,子ども自身に,自分の声の距離や大きさを知らせた。
「もっと,大きな声で」「もっと遠くまで声を届かせて」と言われても困る。歌う方は全力で歌っているつもりだし,自分の声がどこまで届いているか,どんな大きさなのかを示されないと,訳が分からない。
2どう変化させるか
子どもたちに状況を伝えた後は,次の方向(どう変化させるか)を示すことが必要だ。
@声をもっと遠くへ(もっと近くへ)
A声を小さい点に集中させる(広げる)
私の場合は,楽な方から始める。つまり,声をもっと近くへ,から。これだと,子どもたちは楽にできる。そこで,ほめる。次は,普通の状態に戻し,遠くへ,と指示する。
同じように,始めは声を広げ,ほめる。次に普通の状態に戻し,それから集中させる。
この時,何も指示しなくてもできることがあるが,うまくいかないときは,技術を教えなくてはならない。そうしないと,子どもはどうしてよいか,分からないからである。
つまり,技術を教えない(技術が分からない)と,子どもは困るのである。
3技術を教える
声を遠くに届かせるには,まず息を十分に吸わせて,息を声に変換させることも必要だ。
まずは,教師が子どもの近くに行き,声を近くに届かせ,成功したら教師が少しずつ後ろに下がり,目的の場所まで持って行く。途中で止まれば,「今は,ここまで届きました」と伝える。
次はそこから始め,(息を吸わせた後で)少しずつ後ろに下がる。
声を集中させるのは,かなり難しい。子どもたちに手の平を向け,「この手の平に声を乗せなさい」と指示する。ここでも,今どんな大きさなのかを示さないと子どもには分からない。気球くらい,サッカーボールくらい,ピンポン球くらい,ビー玉くらいになった,すごい!
4苦手な合唱だが指導は?
私は小学生の頃,教師から「音痴」の宣告(?)を受けた。元々自分でも歌が上手とは思っていなかったが,それ以来ますます歌わなくなった。そのため,教師になるまでは,もっぱら楽器を愛好していた。
しかし,教師になり音楽の授業を担当したので,合奏だけ指導するわけにはいかず,合唱指導もするようになった。
合奏指導は,多少自信があった。中学校以来,吹奏楽部やジャズバンドで楽器を演奏していたからだ。
ところが,指導となると,自分ができることと趣が違うことに気づいた。
合奏指導をすると,イライラしてストレスがたまることが多かった。「何で,こんなことができないんだ!」
合唱指導の場合は,自分が歌え(歌わ)なかったので,「こんなに頑張って歌うんだ。すごい!」となった。
また,小学生の場合,合奏よりも合唱の方が向いていると思うようになったため,合唱指導にのめり込むようになった。そして,当然のように,ほめることが増えた。
5ほめて,ほめて,ほめまくる
向山洋一氏の名言の中に,「ほめて,ほめて,ほめまくる」がある。言葉としては分かるのだが(ほめてばかりでは子どもが育たない,などと訳の分からないことを言う教師もいるが),実際にほめることは難しい。
しかし,合唱指導の場合,特に発達障がいをもつ子どもの場合,マイナス面を指摘したり叱ったりするよりも,ほめることを多くしないと,歌ってくれない。
@声そのものをほめる例
「元気な声です」「きれいな声です」「声がここまで届きました」「曲に合った声です」「見事なハーモニーです!」「みんなの声が溶け合っています」等。
A表情等をほめる例
「いい表情です」「口の開け方がいい!」「歌う姿勢が抜群!」「歌い方が格好いい!」等。
特に,歌うことが苦手な子どもには,「今の声でいいよ」と認め,安心して歌わせる。
教育現場に役立つ具体的な内容の数々・・・明日からの指導に役立つ物ばかりでした。
またドクターや大学の先生の論文も「なるほど」と勉強になりました。
小1プロブレム、中1ギャップは、深刻な問題です。
同僚の先生に広めていきます。