- 特集 特別支援教育の実践用語辞典=保存版
- 特集のねらい
- 発達障がいの子どもたちを幼児期から青年期まで育てるために必要な知識・技能と課題がある
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- A 全ての教師が学ぶべき重要事項・重要課題
- (1)教えてほめる
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- (2)自立と自律
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- (3)特別支援教育の教材群
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- (4)医療と教育の連携
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- (5)自尊感情
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- (6)自己肯定感
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- (7)セロトニン5
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- (8)バークレー博士の12の原則
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- (9)教室環境の配慮事項
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- (10)障害者手帳
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- (11)就労問題
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- (12)虐待(第4の障がい)
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- B 多種多様な子どもたちの障がい
- (1)軽度発達障がい
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- (2)広汎性発達障がい
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- (3)ADHD
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- (4)LD(学習障がい)
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- (5)アスペルガー症候群
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- (6)自閉症と高機能自閉症
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- (7)ダウン症
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- (8)ディスレクシア
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- (9)高次脳機能障がい
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- (10)反抗挑戦性障がい
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- (11)解離性障がい
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- (12)微細運動障がい
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- (13)協応動作
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- (14)知的障がい
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- (15)情緒障がい
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- (16)重複障がい
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- (17)筋ジストロフィー
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- (18)境界領域知能の子
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- (19)感覚過敏
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- (20)反応性愛着障がい
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- (21)発達凸凹
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- (22)ギフテッド
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- C 様々な検査方法や教育方法
- (1)WISC−V
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- (2)田中ビネー知能検査
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- (3)K−ABC
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- (4)太田ステージ
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- (5)就学時検診
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- (6)応用行動分析
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- (7)ICF/ICF−CY
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- (8)個別の支援計画
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- (9)ソーシャルスキルトレーニング
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- (10)ビジョントレーニング
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- (11)音楽療法
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- (12)感覚統合療法
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- (13)TEACCHプログラム
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- (14)PDCA(Plan Do Check Action)
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- (15)ムーブメント教育
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- (16)インクルーシブ教育
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- (17)モンテッソーリ教育
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- (18)アセスメント
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- D 発達障がいの子どもたちにかかわる様々な存在
- (1)臨床発達心理士と臨床心理士
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- (2)PT(理学療法士)とST(言語聴覚士)
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- (3)OT(作業療法士)
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- (4)特別支援コーディネーター
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- ミニ特集 保護者とのかかわり方・成功事例集
- 【特別寄稿】今,なぜ親学が必要とされているのか
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- 子どもの事実を示し,子育てを認める
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- 保護者とともに歩もうとする肯定的な姿勢が大事である
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- 教師として知っておくべき保護者への「説明責任7」
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- 保護者を受け入れ,子どもの立場に立って話をすること
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- 背景を看取り,原則を使いこなすこと
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- 保護者会と学級通信で「親学」のスキルを伝える
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- 「誠実さ」の積み重ねが保護者の信頼を得る
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- グラビア
- 第10回 TOSS全国1000会場一斉セミナー 2012.3.17〜5.27/第2回 埼玉特別支援教育セミナー
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- 発達障がい理解 (第4回)
- (最終回)古代ローマ、そして日本に古くからある障がいへの負の意識。これらを医学的・科学的知識で説明できることが教師である我々の責務である
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- 写真で見る構造化 分かりやすい情報伝達の工夫 (第10回)
- 「10玉そろばん」の有効性
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- 〜特別支援学級に、2台置くべき最高の教具〜
- 教育の新課題と特別支援教育
- 感動と学びの宝庫 TOSS特別支援教育セミナー
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- 巻頭言
- 「障害者の権利に関する条約」の批准をした日が,批准以前とは違い,大幅に障害者が住みやすい社会になることを願って
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- 『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第9回)
- ADHDと自閉症の特性に合わせた教育
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- 『龍馬くんの訴え』から学ぶ発達障がい指導原則 (第5回)
- 非日常時の逃げ場所を確保する
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- 子どもに力をつけるTOSS教材教具
- 〈漢字スキル〉漢字スキル100点という事実が、子どもに生きる気力を与える
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- 〈ソーシャルスキルカルタ〉実践してみての、発達障がいの子どもの事実や変容、その手ごたえ。言葉で教えるよりもソーシャルスキルカルタ!
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- 〈S社社会科資料集〉作業を通して、資料を読み取る体験型の資料だ
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- 〈ペーパーチャレラン〉計算が苦手な子も、計算チャレランを使えば楽しみながら計算ができるようになる
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- ポイントを外さない〜特別支援の子の保護者への対応術 (第3回)
- 子どもの力を引き出すための保護対応3つのポイント!
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- 成長をほめる。がんばりをほめる。具体的にほめる。その上で困り感を伝える。
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- 私は,この本をこう読んだ (第3回)
- 『授業の腕をあげる法則』向山洋一著(明治図書)
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- 〜教育思想を学ぶ〜
- 『教え方のプロ・向山洋一全集81 向山が切り拓く特別支援教育』向山洋一著(明治図書)
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- 〜子どもに対応した効果のある方法で指導する〜
- 特別支援教育を視野に入れた学校づくり (第2回)
- 学校・保護者・地域との連携を図る学校づくり
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- “あの有名人”も実は〜 教室で読み聞かせ:元気が出る実話シリーズ (第9回)
- 「黒柳徹子」どんな人間にも必ず,飛び抜けた才能がある
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- 学級担任に必要な「特別支援教育の基本スキル」 (第7回)
- 親の満足脳もつくってあげよう!
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- 教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第24回)
- 本人の発信を手伝う構造化
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- 〜構造化を、教師の指示を一方的に伝える手段として使ってはいけない〜
- 中学校を改革する特別支援教育で中学校が変わる (第3回)
- 学校が主体となり、連携の「ハブ」となれ
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- 発達障がい児への指導法/支援法 (第3回)
- QAレッスンシート 新1年生対応
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- 特別支援教育の制度/障がいの用語理解/障がい観・支援システム (第3回)
- 21世紀の障がい観 その1 ICF/ICF−CY
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- コーディネーターのお仕事拝見 (第13回)
- 1年生で発見する
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- 誌上QAコーナー こんな時どうしますか
- 発達性協調運動障がいの子への対応 知覚運動学習で、目と手の協応ができるようにしていきましょう!
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- 特別支援学校・特別支援学級コーナー
- コーナー担当
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- 特別支援学校の実践
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- 〜自閉症のA君が百玉そろばんを毎日自分から取り組むようになった!〜
- 特別支援学級の実践
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- 〜直写ノートの「絵の旅」でセルフエスティームをあげる〜
- 論文ランキング
- 33号/連載・リレー連載に人気が集中! 追試したい論文が多数!!
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- 読者のページ
- 33号の学びや感想
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- 編集後記
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- TOSS特別支援教育イベント情報
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- どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
- 『ソーシャルスキルかるた』は、子どもに必要な学校生活の仕方や友達とのつきあい方、授業中のよい態度など、身につけさせたい内容を5・7・5にまとめてあります。
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巻頭言 「障害者の権利に関する条約」の批准をした日が,批准以前とは違い,大幅に障害者が住みやすい社会になることを願って
長岡造形大学教授/大森 修
「障害者の権利に関する条約」は2006年12月13日国連総会で「採択」された。
2007年9月28日,わが国が「署名」している。
しかし,「批准」はまだしていない。
「署名」は条約締結国の同意の意思表示であって,条約に拘束されることを表明するものではない。「批准」をしていないのだから,わが国はまだ,条約に拘束されることはない。なぜ署名をしたのに批准をしないのかには理由がある。
条約の締結国は,批准をする前に条約と国内法の間で齟齬がないように整備をしておかなければならないのである。まだ批准されていないということは,条約と国内法との間に齟齬があるからに他ならない。
条約と国内法との齟齬がないようにするために国内法の整備に時間を要した条約がかつてもあった。しかし,その条約の批准は日本のそれ以降の在り方を変えることになった。
その条約とは,何かである。
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃
に関する条約
1879年に国連で採択されたいわゆる女性差別撤廃条約である。
国内法を整備するために批准までに時間を要したということは,わが国では女性に対する差別があったということである。
『女たちの10年戦争』(プロジェクトX NHK)に詳しい。
国内法の整備として誕生したのが次の法律である。
男女雇用機会均等法
1985年5月18日に成立したのだ。そして,同じ年の6月に女性差別撤廃条約が批准されている。
次の条約は記憶にあるであろう。
児童の権利に関する条約
1989年国連の総会で「採択」される。
1990年わが国が「署名」する。
1994年わが国が「批准」する。
「採択」から「批准」までの延べ年数は6年である。
「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」は,「採択」から「批准」までの延べ年数は11年である。「女たちの10年戦争」と言われる所以である。
「障害者の権利に関する条約」は2006年12月13日国連総会で「採択」された。現在,2012年である。延べ年数で6年が経過している。児童の権利に関する条約が批准された年数と並んでいる。
しかし,「批准」の声は聞こえてこない。
2012年で「批准」している国は,112の国々である。
わが国は現在,どのようなことをしているのだろうか。
【文部科学省】特別支援教育の在り方に関する特別委員会
【厚生労働省】労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会
「障害者の権利に関する条約」の批准が,わが国の社会の在り方を変えるかもしれない大規模で構造的な改革になる可能性がある。「男女雇用機会均等法」が社会の在り方を変えたようにである。
教育の分野で大きな課題になっている1つが次である。
インクルーシブな教育制度
inclusive education system
条約第24条は「教育」である。
第24条第1項にインクルーシブな教育制度という言葉がある。外務省は「包容する教育制度」と訳している。
以下「包容inclusive」は,第21条第2項の(b)(e)にもある。
(b)には「障害者が,他の者と平等に,自己の生活する地域社会において,包容され,質が高く,かつ,無償の初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること」
(e)には「学問及び社会的な発達を最大にする環境において,完全な包容という目標に合致する効果的で差別化された支援措置がとられることを確保する」とある。
goo辞書によれば,「inclusive」は「すべてを含んだ,包括的な」という意味である。
inclusiveに関係しては,「障害者は,通常学級で個別化された支援措置を受けながら教育を受けられる」ことに関係した議論があるようである。
また,保護者が就学先を決められるなどの議論もあるという。
さらには,地域で包括的な支援が受けられるなどもあるという。
つまりは,こうである。
インクルーシブな教育は,実は,教育を包括したインクルーシブな社会制度と直結しているということである。
であるからこそ,厚生労働省での検討会もあるのである。
「障害者の権利に関する条約」が批准できる社会が,障害者にとって数倍住みやすい社会であることを願う。そのためにも,学校がインクルーシブな教育の場になるように課題を1つ1つ解決していきましょう。
しかし,実際は先生方の知識はバラバラです。
そんな自分も,知っているようで知らない言葉が多く,自信がありませんでした。
「保存版」と太鼓判が押された,この1冊があれば,基礎の基礎から学ぶことができます。
この夏休みの間にじっくり読んでみようと思います。