- 特集 “いじめ”発見から解決へ=学校・教師ハンドブック
- T “いじめ”にどう立ち向かうか―プロ教師の提言
- いじめの震源地と解決への視点
- 国難ともいえる問題、一緒に取り組もう
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- 学校のいじめ対応、構造的な欠陥がある!
- 当事者第一号の学校こそ、“いじめは犯罪”を主張しよう
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- いじめに対応する学級経営の組み立て方
- 一年間ドロドロだったクラスの後釜担任になったらやること七か条
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- U どんな教育が“いじめ”をつくるのか
- “いじめ”対応緊急シンポジウム
- シンポジストたち「いじめられたり、いじめたり体験あるの?」
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- V 教師自身が遭遇した“いじめられ”体験レポート
- 1 大人になってもひきずるいじめの原体験
- @いじめに対する原体験
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- A批判、無視、嫌がらせ…気づかないうちにいじめへと発展した経験
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- B一生傷を負う体験がいじめである
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- C「人とうまく関われない」「誰にも言えない」 支えの手をつくるため、いじめ発見のシステムを
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- D小学校五年生の夏、それまでいじめっ子だった自分が急にいじめられっ子に
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- Eいじめはどこにでも起きているものである
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- Fいじめられているとは自分で認めたくない
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- G小学校一年生でも死のうと思うほど、終わりが見えないのがいじめ
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- Hその一言で人との付き合い方が決まった小学校時代の言葉
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- I「相談」「見通し」が支えとなる
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- J親に強くなることをもとめられた
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- K毎日、泣いていた
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- L地域で、仲間外しにあったこと
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- 2 自分の子どもはこうしていじめられた実例!
- @家に帰れない五泊六日間、初対面の子どもたちにいじめられた 初日のあだ名から暴力へ
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- Aいじめの原因は教師がつくる
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- B偉そうな指導者は、いじめに無知であり、限りなく拡散させる
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- C「いじめ」という認識をもたなければ見えるものも見えない
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- Dいじめは、ほんのささいなきっかけで生まれます
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- Eいじめを止めるのは担任しかいないはずなのに
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- F早い段階で具体的な対処法を伝授し、娘を全面的にバックアップする
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- G「まさか、うちの子が!」親が気づかいない子どものいじめ
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- H「学校に行きたくない」と泣く我が子
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- I我が子がいじめられているのではないか、と気づいたきっかけは傘だった
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- 3 自分の身近でいじめが発生した実例
- @過去の不幸ないじめの記憶が新たないじめ連鎖を作っていた
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- Aいじめた子を変えたのは説教ではなく授業だった
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- B新卒教師にもわかるように、いじめに対する方針を明確にせよ
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- Cあっという間に伝播するいじめの空気
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- Dクラスメートも気づかなかったなかよしグループ内での陰湿ないじめ
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- Eいじめた子を責めず、気持ちを認めることで子ども・保護者の信頼を得る
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- F自分や他の学校・学級でのいじめの経験
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- G見て見ぬふりをする担任を見習う子どもたち
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- H学年ですぐに対応した
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- Iいじめに気付いていながら、担任の力量不足にため、いじめを解決できなかった
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- W いじめと向き合う学校システムづくりのポイント
- 1 いじめ対応システムを学校に導入する方法
- @システムはどうなっているのか
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- Aシステムを機能させるまで進める
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- B学校としてのいじめ対応システムはどうなっているのか
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- C生徒処分による防止と、担任による解決に任せてあるのが現状である
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- D教育計画に文書化することで学校としての方針を確認し、地域社会に説明責任を果たす
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- E学校はいじめと疑って調査せよ
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- F「いじめ」の発見と対処のシステムは九九パーセントの学校にはない
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- G明確な対応システムは存在しない
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- Hいじめ対応システムを学校につくる
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- I個々の対策はあったが、システムとしては皆無である
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- J未だに発見システム・対応システムがない学校が九割である。明文化されているものはほとんど意味をなしていない。
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- Kいじめの発生率は教師が規定する
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- 2 いじめが起きやすいクラスのチェックポイント
- @人権侵害の行為を見逃す教員のクラス
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- A特別支援の対応と教師の統率力がなければ差別構造を生むのは当然である
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- B「怒鳴る」「野放し」の行為がいじめを発生させる
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- Cいじめが凄まじいクラスでみられた四つの特徴
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- Dルールやしくみが機能していないクラスは統率できない
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- Eキレて怒り、一人を攻撃する教師がいる学級
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- Fストレスをためない学級経営をすることで、いじめ発生を未然に防ぐ
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- Gいじめの判断基準を明確にせず、子どもの生活の観察を怠るクラスでいじめは発生する
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- H教師の授業力・統率力不足がまねいたいじめ
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- Iいじめの発生率は教師が規定する
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- X ネットいじめ―知らぬは教師だけの恐怖
- 深刻化するネットいじめの実態
- @必ず守る! というメッセージが大事
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- Aネット上に上がっているとは思わずにやりとりしていた遊び半分のチャット
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- B五分の語りでネットいじめを防ぐ
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- C保護者への呼びかけが、SNS上でのトラブルを回避することにつながる
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- Dブログを認知していることを伝える効果
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- Y いじめ未然防止と早期発見・対応とアフターケアのポイント―いじめ対応セミナーの提案レポートから―
- @いじめの「防止・発見・対応」のシステムを教育計画に明文化
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- AいじめられていたY君に楽しい学校生活を送らせよう
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- B自分の学校に「いじめ対策」をこう提案する
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- C未然防止と早期発見・対応・アフターケアのヒント
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- D児童指導部会緊急対策会議案―いじめ・不登校対応のアンケート案(実物コピー可)―
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- グラビア
- いじめ発見のシステムと対処法について、テレビ番組で解説する向山氏
- 向山洋一“いじめ”関連記事紹介
- 編集後記
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編集後記
二〇一二年、「いじめ問題」がテレビで大々的にとりあげられた。かつてない規模で、日本中にその話題は広がった。
中学生三人にいじめられた一人の中学生が、自殺したからだった。
TOSS代表の向山も「みのもんたの朝ズバッ」や「金スマ」に登場した。
滋賀県大津市の中学生が、いじめが原因で自殺したのは、二〇一一年一〇月、そしてその事件が、明るみに出たのが、翌年七月のことだった。
TOSSでは、その事件の重大さを考え、全国の教員に呼びかけ、九月一日に「緊急いじめ対策セミナー」を行った。
セミナー告知後短い間に、百名の参加希望者が殺到し、セミナーの反響が極めて大きかったことがうかがわれる。
その時、「いじめに関する」調査報告を全国各地から募集し、集約した。
全国の教師の身近で起きたいじめの事実、学校のシステムに関する応募論文が多く寄せられた。
また、教師自身の自分の体験談には、共通する問題点があった。そして、克服する努力も見られた。具体的なこうした記憶は、その時が過ぎ去っても、いじめられたことは、いつまでも心に残り、事あるごとに思い出すようであった。
シンポジウムを始め、講師の主張や提案など、いじめ対応セミナーでのすべての内容を本誌に収めている。加えて、全国からの調査報告などもまとめ、「いじめ」に関する問題を様々な視点からアプローチしている。
自分の体験を踏まえ、さらに学級の中の実践、学校としての取り組みを本書に収めた。
各学校、各学級で役立つことを願い、さらに工夫した実践が生まれることを願っている。
日本教育技術学会会長/向山 洋一
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- 明治図書