- 特集 向山型算数の極意!「説明」するほどわからなくなる
- 説明をするかわりに,様々な活動をテンポよくさせていく
- /
- 「基本型」と「指示・発問」だけで組み通す
- /
- 説明しない。指示をする。
- /
- これですっきり! 説明を減らすステップ
- /
- 短い説明が「わかる」「できる」を生む
- /
- 説明するな! 押さえさせる,言わせる,書かせる
- /
- 「作業指示と確認」で授業する
- /
- ミニ特集 授業参観での向山型算数・成功のコツ
- 学級懇談会で向山型算数
- /
- ノートで勝負!
- /
- 作業・確認・賞賛を多くとりいれる
- /
- 基本は日常の指導から
- /
- 我が子の活躍を存分に見せる
- /
- 誰でもできる3つの成功のコツ
- /
- 子どもの声・親の声
- あかねこけいさんすきるがだいすきです。
- /
- 向山型算数キーワード
- 22行ノート
- /
- 向山型算数実物ノートと指導のポイント (第14回)
- 1年生よ!うっとりするノートを目指せ!
- /
- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 「向山型算数」がうまくいかないとき
- /
- 学年別11月教材こう授業する
- 小1教材こう授業する
- /
- 小1教材こう授業する
- /
- 小2教材こう授業する
- /
- 小2教材こう授業する
- /
- 小3教材こう授業する
- /
- 小3教材こう授業する
- /
- 小4教材こう授業する
- /
- 小4教材こう授業する
- /
- 小5教材こう授業する
- /
- 小5教材こう授業する
- /
- 小6教材こう授業する
- /
- 小6教材こう授業する
- /
- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第12回)
- ポイントは表記にあった
- /
- 向山型算数実力急増講座 (第14回)
- 向山型算数はシンプルで美しい板書に憧れる
- /
- 向山型算数の原理原則と応用 (第14回)
- 難解な問題は細分化してノートに写させる
- /
- 向山型算数と出会ってTT授業が変わる (第8回)
- /
- 向山型算数WEBサロン (第8回)
- 向山型算数MLに寄せられた素晴らしい子どもの事実に胸を打たれ、旧文化の鈍感さと闘う決意が強まる
- /
- 子どもがシーンとする奥深い算数エピソード (第14回)
- 指を使ったかけ算九九の方法
- /
- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第8回)
- 黒板を写すのも「数学的活動」である
- /
- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第14回)
- 低学年
- /
- 中学年
- /
- 高学年
- /
- 親子で挑戦!ダブル・キムラ先生の算数 ザ・宿題 (第14回)
- /
- “向山型算数”授業のバーチャル体験 (第14回)
- 向山洋一は“商の見当のつけ方”をこう授業した!@
- /・
- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 子どもが語る向山型算数
- /
- 子どもも喜び力がつく「向山型算数」
- /
- 写すのも大事なお勉強
- /
- 子どもの事実から、向山型算数のすごさ
- /
- やんちゃ坊主が深々と頭を下げた!!
- /
- 「なあんだ、算数って簡単だね!」
- /
- 自由投稿フリーページ
- /・
- 読者のページ
- 編集後記
- /・
- 法則化最新情報
- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第14回)
巻頭論文
算数授業へのこだわり
「向山型算数」がうまくいかないとき
向山洋一
インターネット上での「向山型算数」の情報交換が盛んだ。
リアルタイムで,さまざまな情報が流れている。もちろん,人によって「向山型算数」の実践は,さまざまだ。
向山の授業を実際に見た人もいるし,向山型算数セミナーや教え方教室でライブを体験した人もいる。
そうかと思うと,本を読んだだけの人も多いし,最近チョロっと知ったという人もいる。「計算スキル」でさえ,我流でやっている人は多い。
「教科書の進度が遅れる」という発言などもけっこう多く,スキルの他に宿題を出しているという人もいる。私は,インターネット上で次の発言をした。
向山型算数について,気になることを発言します。
向山洋一
1.教科書「1時間分の進度が終わらない」ということが,私には全く理解できません。私は,チャイムが鳴り終わってから教員室を出ました。3階の各教室まで3分はかかりました。
授業は2分位前に終了していました。4年生の4学級を4年間にわたって指導して「終わらなかった」ことは,1度もありません。
(赤ねこスキルがないときは,5分ぐらい前に終わりました)終わらない人は〈待ちすぎ,説明しすぎ,間のびいっぱい〉と思えます。
2.なぜ,宿題を出すのか,理解しかねます。宿題では,実力はつきません。教師の気やすめ,子どものめいわくです。
実力は,授業でつくのです。
宿題に気をとられる教師は「子どもの実力」に目が向いていないのです。
形式的に考えすぎなのです。
むろん,「授業中残ったところ」(1,2分でできること)が宿題になることは時にはあると思えます。
3.教科書問題をして,スキルをやってそれ以上にプリントやドリルをやる人の気がしれません。私は,「教科書プラススキル」でさえ「多い」と感じます。
それが,「足りない」と感じるのですから,向山と感覚が,はるかに違うのです。
私に言わせれば,異常な感覚であり,教師に向いてない感覚です。「数だけこなす」思想であり,「一人一人が本当にきちんとやったか,うつしたのか」を,ないがしろにする思想です。
プリント宿題,ドリル宿題,私は嫌悪を感じるほど嫌いです。
4.子どもの実力は授業で学習したことをていねいに確実にさせる教師の行為の中に保証されるのです。ドリル,プリントのように「数だけやらせる」思想の中では,「子どもの実力」をのばすことはできません。
そこにあるのは,「見栄」であり「言いわけ」であり「自己満足」であり,「いいかげんな指導」であり「一人一人への配慮の欠如」です。
以上
また,インターネットの上では「向山型算数じゃないと思った瞬間」という実践の場面が集められた。
星原先生が,次のようにまとめた。
「向山型算数じゃないと思った瞬間」をまとめました。
星原一宏
子どもの様子編
授業編
教師修業編
教師の言葉編
教師の行為編
まずはここからチェック編(省略)
〈子どもの様子編〉
1 集中力がかけた子どもの姿が見える
ア 子どもが集中力を欠き,無駄話をしているとき!
イ 手いたずらをする子どもが視界に一瞬入ってきた瞬間。
2 子どもの学習態度がだらだらしている
ア 子どもの動きがだらだらしているとき。
イ 子どもの反応がよくないとき。
ウ 教室内の空気が緩んできたと感じた時。
3 子どもの表情がさえない
ア 生徒の顔色が曇りがちになったとき。
イ 子どもがわからなくて,困った顔をしているとき。
ウ 子どもの顔がうかないとき。
エ 笑顔がなくなったとき。
4 教師に否定的な言葉を言う子どもが出てくる
ア 子どもから「今日はあまり誉めてくれなかったね。」と言われたとき。
イ 私の指示に対して,質問が多く出た時。
ウ 「写しなさい。できたら持ってらっしゃい。」と指示したが,写す部分が多すぎて,「やり直しなさい。」と言ったとき「えー?」と子どもから言われたとき。
エ 「また算数?」とか「あ〜あ算数やん」という言葉が聞こえるとき。
5 教師が言ったとおりにしない子どもがいる
ア 問題を読ませたときに,「教室節」になってしまったとき。
イ 答えさせ方にぐらつきがあった時。
6 子どものノートが美しくない
ア 子どものノートが美しくないとき。
イ ミニ定規を使ってない箇所を発見したとき。
ウ 補助計算の仕方が違ったとき。
7 教室に子どもの列ができる
ア 丸付けで,列ができた時。
8 練習問題ができない子が多い
ア 練習問題でなかなかできない子が多くいる時。
イ 練習での子どもの間違いが多い時。
9 テストや計算スキルの成績が悪い
ア テストの結果が悪いとき。
イ テストの丸付けで,いろんなつまずきが出てきた時。
ウ あかねこ計算スキルの100点が少なかったとき。
10 子どもの板書がていねいでないとき
11 手を挙げる子が少ないとき
〈授業編〉
12 赤ネコ計算スキルで授業が終わらないとき
ア あかねこ計算スキルで授業が終わらないとき。
イ スキルで終わるような授業のペースに,なかなか立て直すことができなかった時。
ウ その赤ねこ計算スキルを授業の始めにやってしまったとき。
13 授業が時間通りに終わらなかったとき
ア チャイムと同時に始められなかったとき。
イ スパッと授業を開始できないとき。
ウ チャイムが鳴るまでに終われなかったとき。
エ 進度が遅れてしまったとき。
14 授業のリズムとテンポが悪いとき
ア リズムとテンポが崩れてきたなあと感じた瞬間。
イ テンポよくではなく,ただ速いだけの授業をしたとき。
ウ リズムとテンポが悪く,よどんでいるなと感じた時。
エ 「あたたかく包み込むように」やったつもりで授業のテンポがなくなったとき。
15 あせって授業を進めているとき
ア リズム・テンポを思うあまり余裕が無い。
イ あせって進めようとしているとき。
16できない子どもを包み込むやさしさに欠けるとき。
〈教師修業編〉
17 子どもの表情が変化する時
18 授業後,HPや雑誌で他の先生の実践をみるとき
19 自分の授業をテープにとって聞いたとき
20 補助計算が上手く作れないとき
21 ジャンプしている所がまだつかみにくいとき
22 基本型がない場合作れないとき
〈教師の言葉編〉
23 説明が長い
ア説明が多くなっていると自覚をした時。
イ 同じ説明を2回言ってしまったとき。
ウ 子どもの発表のあとで,もう1度言い直して説明してしまったとき。
エ 10秒以上教師が話しているとき。
24 指示の変更や追加をするとき
ア 「この指示はいい!」からといって,何回も同じパターンで指示をするとき。
イ 指示の追加や変更をしてしまったとき。
ウ 指示の確認をするとき。
25 ほめない
ア 子どもをほめていないとき。
イ ほめ言葉が少ないとき。
26 声が大きい
ア 教師の声がだんだん大きくなっているとき。
27 子どもを注意するとき
ア 授業を始めるとき,何も用意していない子に思わず注意してしまった時。
イ ほめることより,できていない子への注意が多くなったとき。
ウ 遅れている子,指示を聞いていない子を注意してしまう。
エ 「写すのもお勉強です。」と言っても,ノートを写さない子に説教じみたことを言ったとき。
オ 集中力をなくした子を注意したとき。
28 言葉に無駄が多い
ア 無駄な言葉を言ってしまった時。
イ 言葉を削っていない,余計な言葉が多い。
ウ 「えーっと」「あのー」と自分の口癖がどんどん口から出てくるとき。
(29〜30略)
〈教師の行為編〉
31 時間通りに授業が進まないとき
ア 時間を意識していない時。
イ チャイムが鳴り終わるまでに,職員室を出られなかった時。
ウ スパッと始められなかったとき。
32 ノートチェックしないとき
ア ノートチェックを全員にしていないとき。
33 評価が甘いとき
ア まあ,いいやと,教師の基準を曖昧にしたとき。
イ ノートが指示どおりかけていなくても,「ま,いいか」と妥協するとき
ウ 答えの言い方が子どもによって変わっても「まあいいか。」とそのままにしてしまったとき。
エ 子どもの答え方が教師の言った通りに言ってなくても,少々のことだから……と見過ごしてしまうとき。
オ 「お隣と確認しなさい」と指示を出しておきながら,教師の確認が甘いとき。
34 子どもを待つとき
ア 全員が終わるまで待とうとしている自分に気づいたとき。
イ 遅い子どもを待ってしまったとき。
35 授業を急いで進めるとき
ア ただただ焦って早くなっているとき。
イ なかなかノートを書かない子に,ついせかしてしまった時。
ウ 授業を早く進めようとして,せかせかしていて,子どもにきつい言い方をした時。
エ あせればあせるほど我流が出てくるとき。
36 いらぬ親切心をおこしたとき
37 難しい顔をして×をつけるとき
38 大切な数字に線を引かせたとき
39 子どもの姿勢が悪いとき
向山 向山型算数を実践していく上で大切な問題なので,それぞれの意見について「自分の考え」をまとめてほしい。
貴重な学習の機会になろう。
次号で私の考えを書く。
-
- 明治図書