- 特集 全国2万教室から炸裂する「子どもの事実」
- 腹の底に響く手ごたえを感じたこの事実
- 低学力の子が変わる事実に涙する
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- 自信とやる気を生み出す100 点!
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- 本物の教師修業が作るこの手ごたえ
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- うっとりするノートが生まれたこの事実
- ほんの少しの進歩をほめながら
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- 「一時一事」で1年生も書けるうっとりノート
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- 「まあいいか」と思った瞬間,子どもは伸びない
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- 子どもの声・親の声 感謝のメッセージの事実
- 勇気をくれるお母さんからの手紙
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- 中学数学スキルがTさんを変えた
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- 中学生になっても生きた自信
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- 向山型算数によって教師の生き方が変わった事実
- 受信者から,発信者へ
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- 責任の矛先が子どもから自分に
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- やってよかった模擬授業
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- ミニ特集 算数授業の「我流度」チェックのポイント
- 3つの「やたらと…」がなくなれば,とりあえず,我流度は低い
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- 「いきなり授業」そして締めは計算スキル
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- 授業とライブで「我流度」チェック
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- 基本型に向かって突き進んでいるか
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- ノート「一人残らず全員できているか」
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- グラビア
- 第19回向山型算数研究会セミナーIN盛岡 2002.9.16
- 〜教科書は百点満点ではありません〜
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- 点でなく線で教えよ
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 算数指導上級者への道には「飛躍」が必要になる
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- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第38回)
- ほぼ全滅。10 点以下。九九の授業ではない。九九の表の授業だ。
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- 向山型算数実力急増講座 (第40回)
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- 向山型算数の原理原則と応用 (第40回)
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- 向山型算数と出会ってTT授業・少人数授業が変わる (第10回)
- 向山型算数は算数好きの子どもを激増させる
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- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第34回)
- 難しいから楽しい!難問・良問1問選択システム
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
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- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第40回)
巻頭論文
算数授業へのこだわり
算数指導上級者への道には「飛躍」が必要になる
向山洋一
算数の問題解決学習は,最低・最悪の指導方法である。
この方法で指導すると,障害を持った子,勉強のできない子が,回復不能なほどダメージを受ける。教師に反抗し,反抗挑戦性障害を起こした事例も多い。
県下で有名な問題解決学習の教師は,たった一人の子の反乱に教師三人体制で教室を監視するまでになっている。
問題解決学習を1年生の時からやってきたため,3年生,4年生になって子どもが反乱したのである。
問題解決学習は,テストで5点,10点をとっている子を80点,90 点にすることができない指導法である。日本中さがしても,成功例が一つもない指導法だ。
向山型算数は,5点10 点をとっていた子を,80 点90 点にした事例は,何百何千も存在する。日本中に生まれている事実である。
その結果,クラス平均90 点突破という事実がニョキニョキ生まれている。クラス平均90点突破は,「できない子ができるようになって初めて可能」なことなのである。
もともと100 点をとっていた子は,クラス平均向上には役立たない。100 点から100 点だから,貢献度ゼロだ。
しかし,5点10 点の子が80 点90 点をとるようになった貢献度は大きい。
「できない子ができるようになった」ということが,クラス平均90 点突破になるのである。
そうなるためには,もちろん,教師も努力しなければならない。
第一に,向山型算数といわれる「授業の三分野」を理解しなければならない。
一つは,教科書の例示問題の指導法
二つは,教科書の練習問題の指導法
三つは,あかねこ計算スキルの指導法
第二に,「理解した」だけでは不十分で,技能にまで高めなければならない。
本を読んだだけでできると思うのは,教師の仕事をなめている。
本を読んだだけで,スキューバダイビングができるか? 本を読んだだけで,落語ができるか?
本を読んだだけでカッポレが踊れるか?
できるわけがない。教師の技能は,これらのプロの芸と同じ程度には難しいのである。
技能を身につけるには,例えば向山の授業CDを何百回も聞いて,同じリズム,テンポ,組み立てを身につけることだ。
漫才の大助・花子は,日本歴代二位の評価だが,30 年間に渡って「やす・きよ」の漫才を聞きまくったという。本人は,「10 万回は超えているでしょう」という。
プロの芸を身につける覚悟の大きさに,私はうちのめされた。
教師は,10 回,20 回聞いて分ったつもりになっている。
CDより,もちろんライブがいい。「ライブでなければ分らない」というのは,ライブ経験者が誰でも体験することだ。
そして,「サークルでの模擬授業」がいい。わずか5分でも,学校の研究授業10 回に匹敵するくらいの効果がある。
第三に,上達には,時間がかかることを理解することだ。
本を読んだり,何回か講座で聞いて「なるほど」と思った段階を「初心者」という。
「初心者」なのに,「分ったつもり」になる人はいっぱいいる。
こういう人は,いつまでたっても上達しない。口だけ達者になっていく。
本を穴のあくほど読み,片っぱしから買い込み,CDを何度も聞いて,実際にやってみる段階が「初心者」だ。
効果もあがり,うれしくもなる。
しかし,心のどこかで「自分のは,本当は違っているんじゃないか」と疑問を持っている。
MLにも参加し,自分の授業テープも聞いて分析する段階だ。
サークルでの模擬授業も30回,50回と経験し,雑誌での論文も書き始める。
問題解決学習の教師との論争も経験する。
セミナーや講座で,模擬授業や発表を5回,10 回と経験していく。同僚の先生から,そっと「今度教えて下さい」と言われたり,保護者から「感謝の手紙」をもらったりする。
これが「中級者」だ。
「初級者」が努力をずっと続け,授業も一段と向上したのが「中級者」だ。
ここまでは,誰でも来られる。
努力すればだ。
授業の下手な,話が苦手な教師でも,ここまでは来る。
その上が大変なのだ。
「上級者」だ。
「初心者」「中級者」と「上級者」は,全くレベルが違うのである。
「子どもの事実」と「身体の底までの実感」を大切にして努力すること5年,10 年,15 年。
ある時,「ハッ」として「そうだったのか」と思える時が来る。
熱中した努力の後とか,大きな舞台での経験がひきがねになりやすい。
今までのことが,すべて「分った」と思える時が来る。
これは,すべての芸道,スポーツも同じことだ。
自動車の運転でも同じだ。
「分った」と思える瞬間が来る。
それが,「上級者」への入口だ。
いかなる授業も同じだが,上級者になるのは真剣な努力の長い期間が必要である。
本を何回か読んで分ったつもりになる人には,手の届かない境地である。
読みつくし,調べつくし,体験しつくすのが,上級者への唯一の道である。
授業が上手になるには,研究授業や模擬授業の100 回を通過しなければならない。
100回通過した人だけが,授業について意見を言う資格を持つ。
それ以下のレベルでは,「あれど見えず」の状態であり,「見れども分らず」の状態なのである。
学校の研究授業の後の協議会は,ほとんどの場合「得ることゼロ」なのは,素人が思いつきを,ベラベラしゃべっているからである。
研究主任,教務主任に授業を語る力量がない時,その害は全校に及ぶ。
100 回の研究授業,模擬授業は,もちろんプロへの入口にすぎない。上級者は,おそらく300回程度が見えてきた時に訪れるだろう。ちなみに,「授業の名人」と言われる人は500回〜 1000回の体験を持つ。
いくらサークルの代表でも,いくら昔から法則化でも,いくら中央事務局でも,いくら弟子でも,これだけは体験をしないと駄目だ。授業の技量は伸びないのである。
今月もまた,向山型算数の動きを伝えるメールが,いっぱい流れていた。
<向山>市教委の通知は,「問題解決学習」の害を推測させる。原因の一つはどこにあるのかを示している。
<向山>知的障害児が,あまりのあるわりざんの市販テストで90 点をとったという,うれしい便りである。
向山型算数の補助計算を学ぶことで,できるようになったのである。『教室の障害児』誌にも,具体的な実践記録がいっぱい載っている。『教室の障害児』誌は,即日売り切れ店が続出し,異例の再版が決まった。学級担任,必読の書である。
□鹿児島からの報告です。
本日,算数の研究授業でした。「あまりのあるわり算」の1時間目です。
授業者は,去年まで問題解決一筋の学校に勤められていた方です。
最後に計算スキルを行いました。
「計算スキルを入れる」
これが「研究テーマ」の一部だったのです。
しかし,例示問題→練習問題→計算スキルという流れになっていないので,子ども達は混乱していました。最後も変なプリントをされていて,またまた混乱していました。
唯一の救いは,「去年まで,ばりばりの問題解決をしてきたので,どうしたらいいか教えて下さい。」と自分の口で仰ったことです。
私が,授業研究の席で代案授業をしました。12 分の導入を1分ですませ,基本型に向かいました。すると「ほー。」と言われました。別に大したことしていないのにです。だれも何も言いませんでしたが,こういう方法があるのかと思われた方は,いたはずです。TOSSでは,当たり前のことです。問題解決の方々は,「導入に時間をかけてナンボ」という風潮がありますからね。
その後,校長から平成11 年度に出された鹿児島市教育委員会からの通知文の一部が紹介されました。
「これまでの算数の学習では,導入に時間をかけすぎる。これでは,あとの練習の時間が確保できないので,あまりかけすぎないことが望ましい。」こういう内容でした。
校内の算数の授業に向山型が少しずつ定着しています。□
□兵庫の但馬の小学校で知的障害児学級を担任している足立勝彦です。3年生男児田中ビネー検査で2才程度の遅れ,軽度の知的障害児の児童が,S社算数テスト「あまりのあるわり算」11 月11 日実施でノーヒントで90 点を取りました。
但し,補助計算をノートにしたので45 分では足りなくて休憩を取った後さらに30 分かかって解きました。間違ったところは,○答えの余りに単位を付け忘れた,○余りを1回分としてプラスするところをしていなかった(式は合っていた),の2つです。
11 月発刊の『教室の障害児』p 59 でわり算テストで90 点で紹介した児童が,今度はあまりのあるわり算で90 点です。
驚いてしまいました。補助計算の威力はすごいです。
○余りのあるわり算補助計算
「わる数×5を基準にして商と余りを求める」
26 ÷6=
ほ6×5= 30 _26 ←「30 は26 から引けないのでだめ(チェックし),×4から下がる」
6×4= 24 < 26 ←「26 − 24 はできるので引く。
4を商に上げる」このときの不等号は○で囲む。26 − 24
を筆算でして出た答えを余りとして書く。
26 ÷6=4・・・2
ほ6×5= 30 _26
6×4= 24 < 26
45 ÷6=
ほ6×5= 30 < 45 ← 45 から30 は引けるので筆算で計算する。答え15 は6よえり大きいので×9から下がる。
6×9= 54 _45 ←引けないので下がる
6×8= 48 _45 ←引けないので下がる
6×7= 42 < 45 ←引けるので7を商に上げる。
不等号を○で囲む。
これを何回か繰り返して教えると,自分で問題を解いていけるようになりそして暗算で余りのある計算ができるようになってきました。□
-
- 明治図書