- 特集 教科書の「基本型」を見抜いて夢の平均90点達成!
- 「細分化」が子どもの事実を生む
- /
- 低学年はリズムよく楽しい詰めで!
- /
- 教科書比較で省略部分を見抜き,ビジュアルにする
- /
- 先行実践から学ぶ
- /
- 視覚情報と聴覚情報の往復を徹底する
- /
- 「シンプル イズ ベスト」ビジュアルな基本型で平均90点
- /
- しっかり読ませること
- /
- ミニ特集 私にもあった!「自分の中の“我流”」
- 『難問システム』に見つけた私の我流
- /
- 「つもり」が第二の我流をつくる
- /
- サークルでの「冷や汗」が力になる
- /
- 言葉を削ることは,我流を削ること
- /
- 我流を実感する時
- /
- 向山氏の言葉を真摯に受けとめられるか
- /
- グラビア
- 「子どもの視線をコントロールする」それも向山型です。
- /
- 向山型算数キーワード
- 赤えんぴつ指導の原則
- /
- 論文ランキング
- 4月号
- /
- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 百マス計算は、なぜ「できない子」を痛めつけるのか
- /
- 学年別7月教材こう授業する
- 1年
- ちがいは いくつ
- /
- ちがいは いくつ
- /
- 2年
- 100より大きい数をしらべよう
- /
- 長さ
- /
- 3年
- 大きな数
- /
- ぼうグラフと表
- /
- 4年
- 面積
- /
- 折れ線グラフ
- /
- 5年
- 計算の見積もり
- /
- いろいろな四角形
- /
- 6年
- 比べ方を考えよう
- /
- 平均とその利用
- /
- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第44回)
- 百マス計算の害悪から子どもを守るため家庭用教材にも「向山型スキル」を!
- /
- 向山型算数実力急増講座 (第46回)
- 『ノートスキル』効果倍増のためのチェックポイント
- /
- 向山型算数の原理原則と応用 (第46回)
- 問題文の読み方の原理原則を意識する
- /
- 向山型算数と出会ってTT授業・少人数授業が変わる (第15回)
- 今,算数の授業をするのが楽しい!!
- /
- 向山型算数WEBサロン (第40回)
- 授業CD「4年算数・小数」を改めて聞き返し,5年生に追試する。すぐれた宝の山がびっしり詰まっていることを痛感する
- /
- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第40回)
- 中学校のTTも,やっぱり向山型数学が断然よい
- /
- 「親と子の証言!」向山型算数は公文を超える! (第4回)
- 向山型算数で行う授業参観は,小さなドラマであふれている
- /
- 『教え方大事典』を活用した算数授業体験
- 低学年/少しずつ難しくなる良問
- /
- 中学年/どっちが「かける数」? どっちが「かけられる数」?
- /
- 高学年/楽しく取り組める小数えんぴつゲーム
- /
- 中学/正負の数を楽しくする赤と黒
- /
- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第46回)
- 低学年
- /
- 中学年
- /
- 高学年
- /
- 衝撃のライブ体験「向山洋一の介入模擬授業」を受けて
- おせっかいや見栄が授業混乱の原因だったと気づかされた
- /
- 挿絵活用の新たな視点発見!!
- /
- 向山型算数セミナー
- 8月東京会場は申し込みから燃えあがった
- /
- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 百玉そろばんが障害児を救った
- /
- アスペルガー児が熱中した!!
- /
- 苦手なのに,一番いい点だった
- /
- 追いかけるのが楽しい
- /
- 子どもの事実は教師修業の糧
- /
- 子どもも親も変える向山型算数
- /
- モノも反応も全く違う!『向山型算数の教材・教具』
- /
- 自由投稿フリーページ
- /・
- 実物ノートと指導のポイント
- できない子どもの中であふれ出すほどに「なぞらせる」
- /
- 読者のページ
- 教え子や親からの最高のメッセージ
- 編集後記
- /・
- TOSS最新情報
- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第46回)
巻頭論文
算数授業へのこだわり
百マス計算は,なぜ「できない子」を痛めつけるのか
向山洋一
「計算ができない子にどう指導したらいいか」質問された。
「百マス計算は,全く効果がなく,それどころか,百マス計算の時は机につっぷしている」という。「どのくらいできないのですか」と,私はたずねた。「くり上がりのないたし算しかできない」という。私は,「かけ算九九は,できますよね」ときいた。「できる」という。
一位数同士の計算の場合,「かけ算は易しく」「たし算は難しい」のだ。「かけ算の方が難しい」と思っている人が多いが,それは違う。かけ算の方が易しい。
これは,「かけ算九九はある」のに,「たし算九九はない」のはなぜかという問題と同じである。なぜなのか?
この簡単な問題が分かれば,教師なら「百マス計算」をやらないはずである。少なくても,「かけ算九九の練習方法の一つ」に限定するはずなのだ。
陰山先生の「百マス計算」の主張は,全くデタラメの主張だ。勉強のできない子ほど深く傷ついていると思われる。
教師の教育行為が,「ストップウォッチ」でタイムを測り,「はっぱをかける」ということで良いはずがない。陰山実践は,教師の行為を,安っぽい「見せもの」に変質させてしまっている。
40 年昔,朝日新聞大阪版の連載記事に初めて登場した「百マス計算」は,「かけ算九九の一つの練習方法」として紹介された。しかも「つまずいている子を一人一人確認して,教え,その後の練習方法」として提案されている。これは,全く正しい。
百マス計算の中では,間違いを正しくはできないのだ。無理にやらせると,「間違い」に「デタラメ」を重ねる子も出てくる。「答合わせ」をきちんとしなければ,その害は深く大きく広がる。
なぜ,「かけ算は易しく」「たし算は難しい」のか?
百マス計算をやった教師なら,体験として分かると思う。
「かけ算の百マス計算」は,まあまあの展開を見せる。ところが,「百マスのたし算」に入ると,「勉強のできない子」が,もたもたする。おそろしく時間がかかる。「ひき算の百マス計算」ともなると,教室の一角が,グチャグチャになる。大混乱が生じるのだ。こうしたことは,「ストップウォッチ」で,毎日測定していても,同じことである。根本を,とり違えているのだ。
かけ算は,「かけ算九九」を,丸暗記する。つまり,81 問のかけ算を全部覚えるのだ。残りの19 問は,「ゼロをかける計算」だから「答えは,すべてゼロになる」のだ。
つまり,かけ算は,「一位数×一位数」の計算と答えを,すべて「丸暗記」させるのである。
たし算は,どうか? 丸暗記をさせない。「たし算九九」などない。「一位数+一位数」の問題は,全部で「100 問」ある。100 問すべてを教えない。その中の何問かを教えて,「全部ができるようになる」と考えるのである。
これが「計算指導の原理原則」なのだ。
通例,次の5パターン位に分ける。
1) たして5になる。 (例3+2)
2) たして10 になる。 (例7+3)
3) くり上がりのないたし算。 (例4+3)
4) くり上がりのあるたし算。 (例8+7)
5) ゼロをたす。 (例6+0)
この5つのパターンを,それぞれ2問ぐらい教える。合計で10 問である。
「この10 問ができれば,100 問のたし算はすべてできる」と考えるのである。
教科書は,そのように作られている。
ところが,百マス計算は,100 問全部をやらせるのだ。ひき算も100 問全部やらせるようになっている。これは,「かけ算九九」を教えるのに「2の段」,「3の段」と順序よく教えないで,「手当たりしだいランダムに教える」方法だ。
実に,おぞましいほどの「非教育的方法」だ。
タイムを測って,いそがせるから,「できない子」は,混乱につぐ混乱となる。できる子には,「当り前のくり返し」となるので,すぐあきる。ちっとも知性的でない。
たし算で,難しいのは「くり上がりのあるたし算」だ。ここで,多くの子はとまどう。
例えば,次の問題。
7+5
この計算が,できるためには,5を2つに分解する必要がある。7に何をたしたら10 になるかを考えさせなければならない。だから,「10 の合成,分解」は,教師の大切な指導内容だ。それをおはじきを使ったり,百玉そろばんを使ったり,サクランボ計算を練習させたりして教えるのである。
たし算の指導における教師の教育行為とは,「おはじき」を使ったり,「百玉そろばん」を使ったり,「サクランボ計算」を教えることなのだ。
百マス計算で,タイムを測ることではない。
7+5= 12
B A
上記のような計算が,できるようにすることなのである。「たし算九九」のような丸暗記を強いるのではなく,「たし算の原理原則」を教えることなのだ。
「あかねこ計算スキル」は,こうした「原理原則」が,きちんと身につくような構成になっている。だから,日本の教室で,一番多く使われている「計算スキル」なのである。
プロの教師なら,教室での百マス計算を断固として拒否すべきだ(やるなら,せめてかけ算九九の一つの練習方法に限定すべきだ)。
「百マス計算」,及び「陰山実践」については,今後,多くの方々の参加と証言をもとに,鋭く分析していくつもりである。
算数の苦手な子どものために,親が,ワラをもつかむ思いで,「百マス計算」の練習帳を購入しているのを見ると,教師として胸が痛む。
百マス計算では,「勉強のできない子」は,できるようにはならない。また,勉強のできる子が,知的に伸びることもない。
5月12日,産経新聞朝刊は,「百玉そろばん」と「百マス計算」を大きく報じた。「百玉そろばんで学ぶ子の写真」と「タイムを測る陰山先生の写真」があった。
どちらが,本当の教師の仕事かを伝えている紙面だった。
(産経新聞(平成15 年5月12 日朝刊)より)
-
- 明治図書