- 特集 子ども集中!授業の安定したシステムをつくる
- 〈巻頭特集論文〉その子だけの向山型があるんだよ
- /
- 「向山型」の授業を意識して毎日行う この中に授業を安定させる答えがある
- /
- いきなり授業を開始せよ
- /
- 基本型どおりだから,“かんたん!”
- /
- ポイントを外せば,ノート全員チェックの効果は出ない
- /
- 板書を安定させるには,いくつかの布石がある
- /
- 2度の緊張が力をつける
- /
- 教科書チェックとノートチェックの連動は,脳科学から見ても優れた学習方法だ
- /
- ミニ特集 「今度の先生はちがう!」親子に支持される算数参観授業
- 手厚く確実な指導をすることが支持を得る近道
- /
- 楽しいネタでたくさんほめよ
- /
- 普段の授業に少し変化をつけて,子どもの声が出る授業を保護者に見てもらう
- /
- ほめられ,分かり,熱狂的に集中している授業が保護者の信頼を得る
- /
- 普段通りの授業を行うことで、保護者からは信頼され、子どもからは喜ばれる
- /
- 小学校1年生の授業参観には百玉そろばん!
- /
- グラビア
- 「1年間を見通した向山型算数指導法」は実態調査から始まる
- /
- 若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
- 隠す
- /
- 向山型算数キーワード
- 真犯人はこいつだ
- /
- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 正しい方法で教えれば、クラス平均90点以上は誰でもできる
- /
- 学年別5月教材こう授業する
- 1年・いくつといくつ(5〜10の合成分解)
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 2年・ひき算のひっ算(2位数から1〜2位数をひく)
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 3年・わり算
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 4年・わり算の筆算(2〜3位数を1位数でわる)
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 5年・小数のかけ算とわり算
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 6年・分数のたし算とひき算
- 例題の「基本型」
- /
- 「練習問題・スキル」と教材教具
- /
- 中学難教材こう授業する
- 3年/関数y=ax2の利用
- /
- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第86回)
- 教科書の練習問題を解かせる10のポイント
- /
- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第90回)
- 指導には、いくつもの正しい方法がある
- /
- 向山型算数実力急増講座 (第92回)
- 子どもの自然な操作活動から組み立てる(下)
- /
- 向山型算数WEBサロン (第86回)
- パスカルの三角形の授業で知的興奮と楽しさを
- /
- 向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
- 舞台に立つことと論文審査で修業の場を確保する
- /
- “問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
- 健気な初任授業者たちの研究会
- /
- 空白の時間が30分以上
- /
- 〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
- 子どもたちが救われる!失敗の中から見出した向山型算数指導の威力
- /
- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第92回)
- 低学年
- /
- 中学年
- /
- 高学年
- /
- ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
- 1年/『赤鉛筆』信じてほめるで効果倍増
- /
- 2年/赤鉛筆指導!でもちょっとその前に…
- /
- 3年/基本型は言うと書くをセットで教える
- /
- 4年/自らの授業と向山氏の授業を「擦り合わせる」
- /
- 5年/最初の出会いまでにやっておくこと
- /
- 6年/向山型算数を浸透させる4つの行動指針
- /
- “若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第26回)
- 向山型算数で教師力を身につける!
- /
- 向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
- 現場と教科書を大切に!
- /
- 向山型算数セミナー
- 4月中に必ず実態調査を行いましょう
- /
- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 隠したからできるようになった!
- /
- もっと授業が上手くなりたい!
- /
- 計算力を高める百玉そろばん
- /
- 論文ランキング
- 2月号
- /
- 実物ノートと指導のポイント
- 「教材研究ノート」と「魔法の言葉」で指導する!
- /
- 読者のページ
- 教師が元気になる「成功回路」の話
- 編集後記
- /・
- TOSS最新情報
- /
- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第92回)
- /
巻頭論文
算数授業へのこだわり
正しい方法で教えれば,クラス平均90点以上は誰でもできる
向山 洋一
教科書をリズムよく教える。例題,類題,練習問題は,それぞれ扱い方が違う。
教科書を正しく教えることは,習わなければ分からない。自己流では全く駄目だ。栃木の神山氏は,次のように言う。
■セミナーに行き,向山型算数の模擬授業を受けているうちに,教科書の仕組みを意識するようになった。
今までは,そのすべてを説明してから,子どもたちに練習問題を一気にやらせていたのだが,教科書の仕組みに沿って,説明をあまり入れず,授業を行うようになった。
子どもたちに少しずつ変化が見えた。
今までは,長い説明が終わり,練習問題が始まると「先生,これどうすればいいの?」と説明したばっかりのことを尋ねる子がいた。分からないから友達に聞いて騒いでしまったり,できる子はさっと自分の解き方で解いて,○をもらいに来たりと,混乱を招いていた。
しかし,無駄な説明を省くことを意識し授業をするようになると,子どもたちからの質問が出なくなった。作業中,質問が出ないから,教室に響く音は,鉛筆の音だけになった。
(向山)長い説明は害が大きい。子どもが騒ぐのは,授業のやり方が駄目だからだ。よい授業では,子どもが集中するのである。本を読んでも少しは分かるが,プロの技は,セミナー等,ライブで学ぶに限る。
練習問題も,余計な言葉を削る。間違えには×をつければいい。いちいち説明するなど,学習のダイナミックスさをこわす行為だ。「小さな親切,大きなお世話」なのである。
神山氏は,次のような体験をした。
■子どもたちは,問題をあっという間に解いて,私の所に持って来るようになった。
○をつけると,子どもたちは笑顔になった。×をつけると,子どもたちは悔しそうな顔をし,戻っていった。その子の様子を眺めると,×をもらった瞬間から,自分の席に着くまでずっとノートを見ている。食い入るように自分の間違いを探している。間違いに気づき,やり直し,再度ノートを持って来る。「正解!」と声をかけると,「やったー」との返事が起こった。
間違いを見つけたとき,初任のときは,1人1人に説明をしていた。子どもたちにとってその方が丁寧だと思ったからだ。
しかし,その子の後ろに列ができ,やり直しをした後に○をもらってうれしい顔をしなかった。プライドを傷つけていたのだと思う。
余計な説明をせず,子どもたち自身に壁を乗りこえさせることが大切なのだ。
(向山)自己流は,ほとんど悪い方法である。「よい」と思って「悪い方法」をやっているのだから。子どもは荒れる。教師の成長もない。平均点90点以上は,正しい方法で教えれば誰でも実現できる。我流では,不可能だ。
-
- 明治図書