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巻頭論文
算数授業へのこだわり
4月最初に基礎学力調査をしよう
向山 洋一
4月,新しいクラスの担任になる。1週目のうちにやらねばならないことがある。
子どもたちの学力の実態調査だ。
前の学年から「大きな問題を5」(つまり各大問を20点とする。その大問を4問ほどの小問に分ける。つまり小問は1つ5点になる。
文章題はいらない。基本的な計算問題だけでよい。前の学年の教科書から提出することが大切だ。
子どもたちの基礎学力が一目で分かる。
ノートに「できない子の分析」を1人につき1ページほどで記入する。
次に,前の学年のノート,プリントを持って来させ,「どのような学習の結果,分からなかったのか」を記入しておく。子どものノートのコピーもとって,自分のノートに貼りつけておく。
同じように,漢字テストもしておくとよい。
この結果によって,1年間の方針も生まれてくる。どのような授業が必要か,いかなる教材が必要かが分かってくる。
「子どもの事実」の中にこそ,未来への道がある。やるべき課題が示されている。
ときには,親の攻撃,管理職からの批判に自分の身を守ることになる。
教師は「基礎学力の保障」「軽度発達障害の子への指導」などに,責任をもつ。
説明責任,実行責任が厳しく問われるようになった。
自分の授業の自己評価には,客観的数値が必要だ。そのために,4月新年度,出発のときの実態調査が,ぜひ必要だ。
これは,中学入試時にもあてはまる。算数の教科書をほとんど教えず,漢字も宿題まかせにしている教師がいっぱいいる。算数の問題解決学習を研究している学校などは,学校ぐるみで,教科書を使っていない。
当然,落ちこぼれの子がいっぱい出る。
その子たちが,中学に入ってくる。
入学のときに,小学校の算数の学力調査をして「出身クラス別」に集計するとよい。「ひどい点数のクラス」には,中学校長から小学校長に正式に伝え,事情を聞いてもらうとよい。
次の年から,「子どもの基礎学力」が向上して入学してくるようになる。中学校教師の苦労は半減することになるだろう。子どもたちにとっても,よいこととなる。
私は退職の年,転任先で6年生を担任した。
組合の教師が集団で校長を怒鳴りつける学校だった。
私が持ったクラスは,40代の組合女性教師が担任だった。模造紙お化けがズラーッとあった。計算,漢字の宿題は毎日出ていたという。
基礎学力テストを実施した。漢字が0点に近い子が30%いた。最高点が80点。このテスト用紙を今でも,私は持っている。
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