- 特集 算数時数増!「移行措置」に対応する教材&授業
- 〈巻頭特集論文〉「優れた教材」を準備し,「効果ある指導」の情報を集める
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- 文科省の原典をよく読み,公的機関で作成された指導計画案を参考にしていけばよい
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- 「活用できる」指導計画づくりを
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- 教科書のない移行内容は,発展教材で内容を深める
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- 学年の枠を超えた教材TOSS算数スキル
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- 教科書通りに教えて,考えさせる
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- 特別なことをしなくても,「向山型算数」で授業をすればよい
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- 発展的に扱うのか,新単元として入れるのか
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- ミニ特集 算数的活動への提案「百玉そろばん」18の技
- 段階別・百玉そろばん「これが基本だ!」
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- 低学年/数のイメージをつくる2つの玉とばし
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- 低学年/2年生で百玉そろばんの見方を広げる
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- 中学年/アレンジしながら日々進化!
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- 高学年/百玉そろばんで,面積の求め方を説明させる
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- 中学校/「中学百玉そろばん」で,正負の数量感覚を培う
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- グラビア
- 間違いをさせない学習=エラーレス・ラーニング
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- 若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
- 情報は一時に一事
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- 境界知能
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 何度でも,福岡高裁の判決を活用しよう
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- 学年別9月教材こう授業する
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 2年・ひき算のひっ算
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 例題の「基本型」
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- 向山型算数実力急増講座 (第108回)
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- 実態を見るだけでなく,毅然と指摘しないと授業は変わらない
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- 視覚情報で子どもが変わる―面積図が救った事実―
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- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第108回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 何度でも,福岡高裁の判決を活用しよう
向山 洋一
とある町で講演をした。
町の人が半分以上だった。150名を越えていた。
町長さんから,「基礎学力が低いので,何とかしたい」と,うかがっていた。
小学校で,「算数の学力が,平均点より5点低く,中学校になると10点近く低いのです」ということだった。
私は,きっと,「算数の問題解決学習法」が原因であるとお話しした。
「教科書をほとんど教えない」のでは,できるようにならないからである。
大都会と違って,塾もないし,家庭教師も見つけられない所である。
講演で私は,保護者に,「ぜひ,子どもの算数のノートを見て下さい」とお願いした。
「算数のノートに,教科書の問題がすべて書いてあれば,立派な先生です。9割近く書いてあれば,よい先生です。しかし,8割も書いてなければ,先生にお願いして,教科書をきちんとやってもらって下さい」
「もしも,6割以下なら,どなり込んでけっこうです」というようなことを話した。
そして,町長さんに言った。
「一番よい方法は,町長さんから教育長さんにお願いして,すべての子どもの算数ノートをチェックしてもらうようにするのです。
教育長さんが校長さんに言って,校長さんが担任に言えばいいのです」
しかし,一度や二度では,やらない先生もいるだろうから,町長さんが,毎学期必ず言えば,効果絶大ですとつけ加えた。
「平均点は,すぐに上がります」と励ましたのである。
町長さんは,「でも,プリントばかりしているのです」という。
「それは,法令違反ですと言えばいいのです」
というと,
「『プリントには,教科書の問題が出ている』というのです」
とのことだった。
しかし,「プリントは教科書にかわれない」福岡高裁で判決が出て,教科書を使わなかった教師は,懲戒免職などになった。
次の判決は,しばしば活用すべき内容である。
●教科書及び教科書以外の使用=教科書は,学習指導要領の目標及び内容によって編成されており,これを使用することは,教育の機会均等の確保と一定水準の維持という普通教育の目的に対して有効なものであり,さらに教授技術上も教科書を使用して授業をすることは,教師及び生徒の双方にとってきわめて有利である。
(福岡高判昭58・12・24 伝習館高校事件)
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